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2011/08/19

なんか、9月にこのサイトのお祭り公演をやるらしく(末尾参照)、それにあわせて事務局?さんのほうから、

・水族館のなかで「美術館」をテーマにした展示を行うとしたら、どんな企画を立てますか?

というテーマのお題をいただいたのでそれについて今日は書きます!

しっかし暑い。ここまで毎日暑くて地球はいったい何を求めているのだろうかと思うし、逆に冷静に感心してしまうのだが、死にかけのセミレベルで毎日労働に励んでいます。

余談だけど、セミって数週間の命とか言われてかわいそがられているけど、彼らは土の中で何年も地下生活を満喫しており、他の昆虫に比べるとトータルでは長く生きている。周囲のとんだ勘違いで、得をするイヤラシイ性格や生き方をしているヤツってなんだかうらやましいけど好きじゃないな。いや、セミはキライじゃないけどね、狙ってセミのように生きて同情を誘うヤツとは友達にはなれんな、と思う。

なんのこっちゃ。

さて、

・水族館のなかで「美術館」をテーマにした展示を行うとしたら、どんな企画を立てますか?

ということで、ボクは普段の水族館の中でも美術館は意識している。

美術館って行くとその雰囲気とか静寂さとかクソガキの少なさとかから何だか自分がちょっとセレブになった気分になれて、清くステキな生き方や時間の過ごし方をしてるなオレ的オシャレ気分になれて結構好きなんだけどさ、美術館のヤッチマッタナポイントは、美術館側もそういった、遊びでやってんじゃねーんだかんな、アホは来るなよ、という雰囲気を放出してしまっているところで、展示物の解説なんかバカが読むと、これはもはや秘密の暗号で何を伝えたい解説なのか解読不能である。これに関しては昔から師匠の中村さんもよく言っていた。

セレブで気高い方々はフムフム、○○年代の○○式画法ね、このスタイル、ワタクシ好きなのよ、ウフフ。

なんて顔をして解説をよんでいるが、ボクは読んでも頭に入らないし、そもそも書いてあることの半分もわからないことが多い。でもバカがバレるので、わかったフリして、うんうん、ステキな絵だことね。という顔をよそおっているのだが、オレは知っているのだ!たぶん、セレブなババァとかを出口でとっ捕まえて解説の意味を問うても、ババァも実はオレ以上に半分も頭に入っていないはずである!

水族館で美術館を意識するのは、水槽の一つ一つを「絵」と考えることで、こう考えると展示の質はよくなる。なぜかと言うと、ほとんどの飼育員は水槽を魚を飼うための箱なのだと思ってしまっているからである。

水槽を一つの絵にするためには、いろいろな技法が必要になる。さまざまな困難と技法を駆使して展示を作った最も「イッテル」水族館が最近リニューアルしたサンシャイン水族館だ。

サンシャインがオープンして、かなりスゴイ水槽ができたみたいで、ボクはどこでもドアがあれば今すぐ行きたいのだが、行けずにグレている。どこでもドアもなけりゃ金もない。夢も希望もない。

じつはウチの水族館も、こんど美術館風にしよかなと一人で思っていて、今ウチで一番暗黒ゾーンとなっている「標本室」というゾーンを、水族館と美術館が融合した最先端のスペースにしたいなぁと思っているのです。でもこのゾーンに関しては、休憩室にしたいとか、オミヤゲ売り場にしたいとかスタッフ間でまだ意見がまとまらない。

今の状況は、カニやらエビの標本が並んでいて暗くて理科室的でキモチが悪い。そもそも楽しい水族館で動かなくて怖い標本を見たいのは一部のマニアだけで、多くの人は楽しい水槽が見たいのである。あんな標本は庭に穴でも掘って全部埋めてしまうのが地球の平和というものだ、と思っている。

実は、何年も前に六本木で水族館???と美術館が融合したような雰囲気のアダルティーな展示会を見たことがあって、大人も子供も楽しそうだったし、みんなの観ている目が良かった。通常の水族館のスタイルとはちょっと異なる感じ。

大きな水槽が主流だった水族館界の時代は終わりつつある。巨大水槽に見とれるのと同じ時間小さな水槽に引き込まれて足を止め、同じだけかそれ以上の魅力を持つ水槽というのは出来るし、そのほうがお手軽なのだ。ジンベーザメやマンタが泳いでいなくても、ガツンと感動して放心しちゃう水槽って余裕で可能なんだよね。

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2011/08/19 05:04 | kobayashi | No Comments