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2011/07/15

こんにちは。歯科医師の根本です。

今日は指向を変えて、歯医者のがっかりさせ方?!について少しお話してみたいと思います。
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誰でも、自分だけで歯を守ることも、歯を何とかすることもできません。
しかも歯やお口は、健康の入口とも呼ばれる大事な器官・臓器でもあり、
歯にトラブルがおこると、さまざまな部分の体調が悪くなることが多いです。

そこで、プロの管理下に歯を置くことが大切です。
とはいえ、歯医者の敷居もなかなか高いものです。

しかし、歯医者のほうも「こんな人だと仕事がやりやすいorやりにくい」というのは
結構存在します。
もちろん、どの歯医者も同じというわけではありませんが、今回挙げた点については
結構多くの知り合いが「あーあるある」という感じだったので、ぜひご高覧下さい。


◆ 予約を気軽にキャンセルされたとき

どこの歯科医院でも同じだと思いますが、これが一番きついです。とくに

 新患の予約が入って、当日無断キャンセルの場合
 あっさり気楽に寝坊などで無断キャンセルの場合
 割と些細なことで連続で予約変更がつづく場合

こんなときは、本当に落ち込みます。

いい加減、5千円くらいキャンセル料をいただいてもいいですか???
・・・えっ、やっぱダメですか?なぜですか?

でも、おかしくないですか?
予約制でキャンセル料を取れないのって、世界中探しても日本の歯医者くらいです。
あなたが店長だったら、どう思いますか?

予約制ということは、人間&場所の時間貸しと同じです。いろいろ準備しています。
客の都合で一方的に穴をあけられたりしたら、その時間や手間が台無しです。

「エステやサロンやタトゥーは予約のキャンセル料を取れるのに
 何でウチらは取れないんだ?」

普通の店長なら切れますよ。
というか、そんな商売には参入してこないと思います。

同じことは「当日キャンセル」にも言えます。
事情があることは非常によく分かります。非常に良く分かります、分かりますが・・・
それでも落胆するものです。そうそう

 家族でまとめて予約⇒当日or前日に予約変更

コレ、本当に力いっぱい落ちます。
「○時0分から長女、15分から次女、30分から母親」
これがまとめて穴が開いたら、1時間パーですよ。
ウチの場合は、諸々込みで1時間あたりのコストが1万5000円近くあるのに・・

少なくとも、歯科についてはすでに順番制は破綻しているので、古い規則を改正して
保険とは別に実費でキャンセル料の徴取を認めたほうがいいと思います。

<番外篇:正しい転院のしかた>

ごらんの皆様の中にも「あっ、この歯医者はハズレだ」と感じた経験をお持ちの方は
多いのではないでしょうか。(新しい歯医者を探さないと・・・)

しかし少なくとも、無断キャンセルだけはご勘弁ください。
最低限の仁義だけは切っていただけますようお願いいたします。

①次回の予約をなるべく先の方にとる

 「えっ、行かないのに予約を取ってもいいの?」
 できればその場で断れればいいのですが、角が立ち、なかなか難しいものです。
 なるべく先に、最低でも1週間以上延ばして、一応予約を取りましょう。

②なるべく早く(できればその日の診療終了間際)電話を入れる

 長くても翌日の診療時間内までには連絡を入れましょう。
 お願いですから、予約の前日や当日は勘弁してください。

 
③「仕事/家族の都合etcで予定が立たない。

 ~改めてこちらから連絡します」と連絡します。
 こちらもピンと来ます。(ああ、最低限の気を遣っていただいたんだな)
 ハズレの歯医者も社会インフラの一部です。お互い気持ちよくお別れしましょう。

 きわめて簡単なことでしょう。

◆ ある治療法をすすめられて「検討する」といわれたとき

ご覧の方は、なぜそれがおかしいのか、と思われるかもしれません。
それは、プロと素人の間には、あまりにも判断力のレベルに差があるからです。
どの分野でも、そうなのかもしれません。

とくに中長期的な見通しについては、全く想定外といっても過言ではありません。
また、全身状況や生活環境、習癖も当然視野に入れて検討しなければ片手落ちです。
それだけ、歯やお口は生活習慣や食習慣、ライフスタイルが如実に出るものです。
歯は、単なる部品のようなわけにはいきません。

ある治療法をご提案するときというのは、十中八九、それらを専門的かつ多面的な見地から
検討に検討を重ねて、ほぼ絞りきった状態でのご提案
になります。
つまり、そのご提案が出るというのは、ほぼその症例を見切ったに等しいということです。

ですから、我々からしますと、「検討する」と言われますと
「専門的な見地からここまで練って出したものを、さらにどのように検討するのか?」
こう思うわけです。

そこは分かっていただきたいのですが、個々の事例について具体的に
そのあたりまで深く説明する時間を経営上取れないのも問題だと感じます。

◆ ある治療法をすすめられて「家族に相談する」といわれたとき

こちら側からすると、意外とずるい手です。
営業の本にはこの場合「家族にも説明させて欲しい」と言うと書いてあります。
そのときに、家族に対する説明の機会をとってくれる方は、中立の立場です。

そのときに、頑なに説明の機会を拒む場合は、断りの口実を探しているときです。
仮に奥様にお話しするときも、最初からやる気がない感じだと

主「今日歯医者で○○をすすめられたけど、高そうだし面倒そうだなあ」
奥「そうねえ、保険でいいじゃない?」

みたいな感じになると思うのです。

しかし、後々の想定も考慮して説明しないと「説明が足りない」というくせに、
「○○でなく●●だと▲▲を傷めて、入れ歯になる公算が大きい」
「■■だと、こことここの歯が傷んで、顎に負担が行き、反対側が壊れやすい」
などと正直にうそ偽りない臨床実感をご説明すると

「根本は私を脅すのか」

などということになってしまうものです。
本当に、人間という奴は、自分の都合の悪いことは耳に入らないものです。
(私も他人のことは全く言えた柄じゃありませんが・・・)

実際は、お口の問題は夫婦・家族間でも全く別の問題で、歯の修復については
一般論的な話が全く通用しないのです。
たとえば、歯が全部揃っている方には、入れ歯の方の苦労やストレスは
絶対に分かりません。

ですから、自分の身内が「歯の○○について困っている」と悩んでいる場合に、
ご自身の感覚を基準にしてアドバイスしても意味はないし、してはいけないのです。

このように、歯については夫婦・家族間でも全く会話が通用しないのです。
ですが、

主「今日歯医者で○○をすすめられたけど、高そうだし面倒そうだけど
  せっかくだからやってみたいなあ・・」
奥「何言ってんの!保険でいいじゃない?」

・・・こんな感じですかね orz

ホントは、それすら方便で、家族に話すらしていないかもしれません。
たとえば金がないなら最初から「金がない」と言ってくれれば話は早いのに・・

でもそういう人に限って、嗜好品(酒・タバコ等)とか外食産業、趣味などに
どうみても過剰に無駄な金を捨てているものです。
一例ですが、飲み屋やパチンコで年に40~50万どぶに捨てている人など、
たくさんいらっしゃいますね。これも20年ためたら1000万ですね・・・

この1000万をどぶに捨てて、長期的な健康の入口・土台へ全くコストを払わない。
じつにもったいない話です。

そのあたりの、長い目で見た「健康の価値観への投資判断と日常の出費」なども
時間があればいろいろとご説明もできるのですが、個々の事例について具体的に
そのあたりまで深く説明する時間を経営上取れないのも問題だと感じています。

◆ 矯正装置は恥ずかしい、といわれたとき

私は矯正装置を恥ずかしいなどとはこれっぽっちも思いませんので少々戸惑います。
また、日本以外のすべての先進国の方々も私と同じ感覚だと分かっていますので、
「なぜ日本だけで?」という疑念が、どうしても晴れないのです。

ところで、矯正装置を恥ずかしいと感じることは、あなたにとって正義ですか?
もしかしたら、誰かにそう思わされているのではありませんか?

そんなあなたは
「民は之知らしむ可し由らしむ可からず」
「ある矯正専門医との会話」
をまずとっくりと何度もお読み下さい。

その上で、どうしても固定観念を破れない方は、今後の長い人生を考えてください。
日本人の平均寿命は世界最高です。女性はなんと86歳です。
長い人生の1~2年の我慢と、その結果の多くの利点を、今一度先入観なく比べてください。

そして、人間という「今」「目に見えるもの」しか信じられない愚かな動物のちっぽけさを
ニヒリスティックに嘆じてみせるのもまた、心の一服の清涼剤なのかもしれません・・・

◆ 高齢者に「老い先き短いから適当でいい」といわれたとき

これは、いろいろな意味でがっかりです。非常にやる気をそがれます。
これを言われると、私の老い先まで短くなってしまうような気がしてしまい・・・

でも通常は、謙遜の意味でおっしゃっている方が大半です。

その場合には、まずよくお話を伺います。最近の歯科事情をいろいろ
ご存じないことも多いので、時間をかけて説明するようにしています。
そして、平均寿命が長いことは有難いこと、お口は健康の入り口であること、
食の自由の大切さをなるべくていねいに理解していただくようにします。

しかし御仁の態度があまりにもこちらを軽く見てナメたような場合は、仕方なく
こちらも一時的に「三橋貴明」とか「中野剛志」などに急遽変身します。
そしてデフレ不況と構造改革(やショックドクトリン)と国債と個人金融資産と
バランスシートと政府の借金の性質等について、まさにチャンネル桜の経済討論の
ノリで一から説明を始め、最後は43野と500旗頭の復興税の悪口で〆ます。

今の所これが最強、まさに(次からは来ないという意味で)百発百中です。

◆ むし歯の多い幼稚園~小学校低学年の児童の母親がニヤニヤしているとき

これ、ほんとストレートに(内心)親に切れます。

「お前のせいだろ!!」 ←口では言いませんよ

しかし、読者の方の多くは疑問に思ったことでしょう。
「なぜ小さい子がむし歯ができてかわいそうなのに、根本は切れるのか?」
「仕上げみがきを嫌がる子もいるし、むし歯ができちゃったらしょうがないのに」
こんな感じの感想を持たれるのではないでしょうか。

しかし現実として、19月~31月(およそ1歳半~3歳)きっちりと予防すれば原則的に
「むし歯のできない子」になることがすでに疫学的に分かっています。
また、幼稚園~小学校低学年のお子様が的確に歯ブラシができるわけありません。
目安ですが、7歳までは周囲の大人が100%子供の歯を守らないといけません。

ですから予防医学的には子供のむし歯は100%、周囲の大人の責任なのです。
親の愛と根気が試されているのです。やや遅きに失した感があっても、まずは情報提供です。

実際は切れたりせずに、今後は予防しましょう、などといって治療を進めていきますが
いちおう親御様には疫学的事実や現状で欠けている視点、今後必要な対策などについて
ていねいに説明するようにしています。

しかし小学校で永久歯がやられてしまうようでは、さすがにもう救いようがありません。
(=歯医者人生決定)

◆ 具体的に処置内容にまでいたる指示がある場合

初診の状態でいきなり
「こことここが気になるので、それを治療してください
という人がいます。

じつはこれ、相当カチンときます。この意味、分かりますよね。

正解は
「こことここが気になるので、その辺を見てもらえますか
です。

似ているようで全然ちがうのです。
その違いは、歯科医師の診断力を尊重しているか無視しているかです。
しかも、「してください」は敬語ですが命令形です。

ひとつには「痛くなければ悪くない」という固定観念が強いからだと思います。
しかし、痛くなければ悪くないという発想自体が、歯については間違っています。
今まで日本中が全員間違ってきました。まずはその辺をよくお話しするようにします。

もうひとつには、過去の多くの経験で、ある歯を治療に行った場合に
「これも悪いから治療しましょう」
「これも壊れているからやり変えましょう」
などと、さんざん通わされた経験があり、うんざりしているのかもしれません。

 歯の治療は治療ではなくリハビリテーションであること
 歯は有限なので、なるべく繰り返さないような努力がお互いに大事なこと

この場合にはていねいに、この2点をお伝えします。

また、これの別バージョンに以下の様なものもあります。

◆ 「新しい入れ歯を作ってください」と言われたとき

「なぜコレが?入れ歯を作るのが歯医者の仕事だろう」と思われるかもしれませんが
ほんとうは、歯がないということは、人体にはとてもアンバランスな異常事態なのです。
しかも入れ歯=かなりの本数の歯~総入れ歯ならすべてが失われているということなので、
「なぜ歯が失われてきたか」の経緯をさぐることの方がはるかに大事なのです。

たとえば歯周病に気がつかなかったか、とか、ヤブに当ってみんな抜かれたとか etc

また、このような方におたずねすると、大体が同じようなお答えをされます。
「今までも何回か入れ歯を作ったが合わなかった、新しくしたら合うかもしれない
・・・
まず、部分入れ歯と総入れ歯では考え方がまったく違います。
部分入れ歯でお悩みの場合の多くが、じつは第一選択がインプラントのケースです。
なぜなら、部分入れ歯はそれ自体が、抜歯装置と呼んでも過言ではない性質の物だからです。
その理由は機会を改めて後述します(ウチの歯科医院のホームページには書いてあります)

「高いor金を払いたくないor金がないので、何とか入れ歯で」
というときは、仕方ありませんが、残りの歯の長期保存は諦めてもらう形になります。
(1400兆の個人金融資産の大多数を占有する65歳以上に「金がない」とは?!と思いつつ・・)

総入れ歯ですが、ここまでくると基本的にはバネの力ではなくて吸盤の力で固定します。
しかも筋肉が動く口の中で、吸盤の力での固定がすべてという過酷な条件下です。
ですから筋肉の動きも考慮した型取りの辺縁の形がきわめて大事なのです。
型を修正して型を取る、模型から皿を作ってそれでまた型を取る etc

もちろん型以外にも、3次元的なかみ合わせ、見た目なども全部一から作るので大変です。

簡単に落ちたり浮き上がるのでは、そもそも総入れ歯ではありません。
しかし総入れ歯としての最低限の要件を満たすためには、非常に手間隙がかかります。
残念ですが、まともに作ると、2万5千円で売るのに7~8万くらいのコストです。
1のエネルギーを作るのに2~3のエネルギーを使う自然エネルギーのような有様です。

まさに、皮肉にも「孫 正義」ならぬ「 正義」状態です。

残念ですが、そのような状態で満足なものを保険で作成することは、個人商店では無理です。
(ですから私は保険医療機関を国有化せよ(or補綴の脱保険)と訴えているのです)

何回作っても落ちるor浮く、というのは、単純にいうと手抜きです。

◆ 来院動機をたずねて「近かったから」といわれたとき

近いから来ること自体には、とくに問題はないと思います。
しかし、街の中には、知っているだけでも▲▲医院や■■医院のような
あきらかに問題と思われるような治療内容の医院があることも分かっています。

もしその人が、たまたまウチではなくて▲▲医院や■■医院のそばにお住まいなら、
まず100%、そちらに逝ったと思うのです。

これは私の経験上、どこの歯科医院で仕事していたときも同じことがありました。

ということは、その歯科医院のことや治療方針、ポリシーなどを何も調べずに
歯科医院を選んでしまっていることの証左に他なりません。
間違いなく「歯医者などどこでも大体同じ」などと思わされてしまっています。

「激痛」「見えるところが崩壊」などの喫緊の主訴がない場合には、
まずはよく診査したうえで、とにかくウチの診療方針やポリシー・診療理念を
よくお伝えすることに時間を割きます。
また、ホームページや小冊子などもご覧いただくように促したりします。

◆ あまりにも身なりがだらしない、または不潔
◆ 性格が横柄/きつい/自己中心的、など残念な場合
◆ 歯科医師には低姿勢なのに女性スタッフに横柄

身なりについては、「歯の治療を受けに行くだけだから関係ないだろう」
と思うかもしれません。
また、性格が横柄とかと歯がどのように関係あるのか、と思うかもしれません。

いえいえ、じつは大有りです。
「歯だけ」と、歯を小道具の一種と考えてしまうのは、昭和時代の発想です。

歯や歯肉(歯周組織)は毎日マメな管理を必要とする器官です。
また硬組織なので、日々の食習慣・生活習慣や歯ぎしり・くいしばりなどが
年輪のように刻まれていきます。

身なりも、自分の肉体に非常に近いものなので、非常によく精神状態を表すのです。
少なくとも家庭や自家用車、鞄などよりは自分の肉体に身近にくっついています。
歯や身なりのような、自分の肉体に近くくっついているものは、遠いものよりも
よりその方の人となりを映し出しやすい
のです。

日頃の仕事の実感としても、歯~人となりの間の関連が相当強く見られますので
歯に限らず何事も、神経質すぎず大雑把すぎず、ツボを押さえて適度がベストです。

また性格が横柄、きつい、自己中心的ですと、スタッフが敬遠しがちで
仕事が進みにくいといったらありません。
(ひどいときは医局で皆で泣いて「○○だけは絶対許さないっ!!」といっています)
私たちも人の子、ウザい方の場合は、何とかさっさと放流したいと思うものです。
なるべく関わり合いを持ちたくありませんので、定期健診の案内も当然しませんし、
同じ説明もつい無機的な言い方や菅直人首相的な口調になってしまうものです。

歯科医師には低姿勢なのに女性スタッフに横柄な方の件ですが、歯科医院に限らず
さまざまな方面でこのような方は少なくないのではないでしょうか。

少なくとも私に言わせれば、受付を始めとして全てのスタッフは、自分の分身です。
彼女たちなくば、自分の医院は全く存在しませんし、多くの固定ファンの方も離れます。
そのような分身への攻撃は、まさに私自身に対する攻撃と同じと解釈します。

こんな手合いが居たら、どんなに悪くても治療したいところがたくさんあっても
とにかく「入れ歯は○○先生が上手」「ただちに健康に~」「事象は様子を見て」
などの枝野流一択で、一秒でも早く無難に放流したいというのが人情というものです。
(まちがっても深入りして「爆破弁」などに触りたくないですしね)

逆に、スタッフには親しく、歯科医師にはきつい方のほうが1億倍はマシです。
そのような場合は十中八九、症状に問題があり人柄には問題がないからです。

この3点は意図的にまとめて記載しました。その理由は
「歯は人なり」だからです。
「歯など部品」というわけにはいかないことをお伝えしたかったからです。

また、あくまでも臨床実感からの推察ですが、人となりや言動に問題がある方の多くは、
他の医院でも疎まれて早期放流された可能性を高く感じるのです。
そのような方で定期メンテナンスの行き届いた口腔内を見た例がほとんどないからです。

「人となり」「言動」馬鹿にできません。
それらの軽視が、結果として歯やお口に残念な結果をもたらすのです。
これらは単なる道徳的標語ではなく、歯やお口の健康に直結する概念なのです。

◆ 職業をたずねたら「銀行員」だったとき

銀行員等の方は、もうどうしようもありません。まことにお気の毒です。
私も仕事上のお付き合いがありますが、地元企業との癒着防止ということで
数年ごとにバンバン転勤になってしまいます。
しかも、私の住む龍ヶ崎からも、地元銀行の支店長が水戸、石岡、千葉etcと
結構遠いところに次々に転勤になりました。

これでは、地方の銀行員の方は、なかなか定期健診のために水戸や千葉から
龍ヶ崎まで来る、ということもできず、どうしても予防がおろそかになり、
後手後手の応急処置的、姑息的な対応に陥りがちです。

対策としては、『盆暮れに帰る』実家のそばで定期健診をしてくれる歯科医院を
さがすことです。
年に2回なら何とかアクセプタブルな範囲内ですので、妥当な選択だと思います。
実家のそばに良い健診歯科医院が見つけた上で、勤務先近くの歯科医院では、
むしろ事情を説明して応急処置にとどめてもらう方がいいのかもしれません。

そこで相手がいぶかるようであれば、ここのページ内容をお伝え下さい。

◆ 「糖尿病」「骨粗しょう症」「腎臓疾患」にチェックがあったとき

初診の時にはまず全体的なレントゲンを撮るとともに、この3点については
かならず確認するようにしています。

これら内科的疾患があると、治療行為にかなり制限が出てくるからです。

たとえば糖尿病では、HbA1c(ヘモグロビン値)が6以上だと、まず抜歯などの
外科的処置が難しくなります。
糖尿病や腎臓疾患などがありますと、基本的に傷の治癒が悪かったり
術後感染の恐れがあったりするので、治療行為に制限が出てきます。
また骨粗しょう症では、予防投薬(週1の薬)が3年以上続いている場合は
外科的処置に際して骨壊死のリスクがあるとされています。

あわてて歯医者に駆け込んだら、
「うちでは治療できません」
「大きなところを紹介します」
このようなことにならないためにも、全身的な健康や内科的コンディションは
きわめて重要です。

以上になります。いかがでしたでしょうか。

歯医者って生き物は、患者サイドとは結構異なる発想でお口を見ているもんです。
人によっては、私の文章にいささか不快感を覚えられた方もおられるかもしれません。

その場合は、ぜひかかりつけの先生にたずねてみてください。

「『友達が』歯医者に行ったら○○と言われたみたいですが、そんなもんですかねぇ?」
「先生の場合は、患者さんのどんなことが、気になりますか?」

たぶん先生は喜んで、いろいろとお話してくださると思いますよ。

【今回のまとめ】

歯医者が何を気にして仕事をしているかを知っておくのも、悪いことではない。

2011/07/15 02:00 | nemoto | No Comments