« | Home | »

2017/04/12

声優の仕事というのはまぁ色んな仕事があるのですがー

前渡しで台本、リハV(アフレコの練習用映像など)などの素材を前もって頂けるものであったりー

当日現場でー、なんて感じで何も準備すること無く行ける仕事だったりー

台本だけ前渡しで、映像は現場でー

…などなど、仕事によって様々なナニがソレです。

家での準備が必要なモノの場合は、その時に用意して貰った素材の中から芝居のヒントなどを探す事になるわけでありますが、できれば現場に行って「そうそう!ソレです!その感じで行きましょう!」的になってスムーズに収録が進むように、僕らは家で「あーでもない、こーでもない」と悩んで、出た結論を現場に持参するわけなのですがー

ソレが「そうそうソレソレ!」ってならない事もあるんですよねー。

「お前がヘタクソなだけだろ!」
…なんて声も聞こえてきそうではありますが、演出側のイメージに合うようなソレを用意するのは一苦労なのであります。

持ってきたモノが違うってなったら当然、現場で即座に修正する必要があります。

しかしこの仕事の修正って作業はなかなか難しく、演出のイメージをしっかり嗅ぎとって、ソレをしっかり表現してあげないといけないのですが、演出のイメージを理解するって事が簡単そうで意外と難しい場合があります。演出側もイメージを言葉で伝えようとするのですが、人によっては漠然としたものであったり、口を出す人が沢山いる現場だと沢山の人が言いたい事を言うような時もあるので、結局何をすればいいのか混乱したりする事もあります。かと言って演出のイメージがハッキリわかった所で、ソレをちゃんと表現出来る力が無いとOKは出ません。まぁ、こっちの場合は自分のテクニックが未熟なだけなのでしっかり修行をしなければいけないのですが。

僕が一番注意しているのは、台本だけ先に渡されて映像は現場で確認~ってパターンです。当然モノにもよるのですが、どーもヒントが少ない台本が多いんですよね。少ないヒントで無理矢理答えを出して現場に行くわけですが「出した答えと全然ちがーう!」なんて思う事も正直しばしばバシバシあります。酷いものだと、蟻だと思っていたのが象だったってレベルのモノまでありますた(笑)。

僕は演出側ではないのでよくわかりませんが、演者側である僕がたまに思う事は、演出側の頭の中のイメージと、台本に書いてある情報が一致していないって事です。でも、演出側から台本を見ると、頭にそのイメージがあってからの台本なので、演者に求める表現ってのが出来上がっていると思うのですが、その演出側の頭の中にあるイメージがわからない事には見当違いな表現をしてしまう可能性が高まるって事です。コレは僕に限らず、そー思ってる演者は多いと思います。

声優は特に真面目な人が多いですから、少ないヒントでも何とかソコから答えを見つけ出そうと頑張っちゃうんですよね。真面目に取り組み過ぎて結果が出てない人もいるんじゃなかろーかと思ったりもします。

でも、こーゆー現場に行かせて頂くと、スキルは上がるんですよね。若い頃は思ってた事と全然違う演出を付けられた時にテンパりもしましたが、ソコソコもう慣れてきましたし、きっと対応出来る力が備わったりなんだりかんだりしているのでしょう。

どんな現場も勉強になりますよーってな感じのお話でしたー。

2017/04/12 12:00 | riki | No Comments