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2016/10/26

僕は日本語しか知らないので日本語の話をしますが、日本語ってのは物凄く繊細な言葉だと思います。

言葉の使い方、言い方、受け取り方、受け取られ方によって、同じ言葉でも伝わり方が全然違くなるような言葉なのではないかなと思います。

嬉しい

…という、一見喜ばしそうな(?)言葉でも、全く逆の意味の全然喜ばしくないような表現も言い方によっては可能です。

声優の仕事をしていると、その「嬉しい」という台詞の裏にはどのような感情が含まれているのかって事を察して表現しないといけないのですが、「嬉しい」と台本に書いてあるから嬉しそうな芝居をしてしまうと役の気持ちを読み取れていないなんて事が起こり得るようなナニがソレです。嬉しいと言いつつ、悲しい気持ちを表現しなければいけなかった的なナニがソレですね。

日本人が気持ちを伝えるのが下手だなんて言われる一つの要因として一つの言葉に色々な意味が含まれたりする場合が多いからなのかしらなんて思ったりします。

人の言葉の裏側を察しないでその言葉を鵜呑みにすると色んなすれ違いや勘違いなどが発生します。実に面倒臭いですよね。たまにアメリカ人を凄く羨ましく思う事があります(笑)。

歳をとればとる程に日本語の複雑さを痛感します。そして声優的にも、歳をとればとる程に複雑な心情を表現できなくてはいけないのだと思います。

日頃から言葉の裏側にあるものを察するように努めている僕ですが、もはやその表面的な言葉の意味なんてものはどうでもよく、その人が発する真意みたいな電波めいたものを必死に受信しようとしているような感覚です。文字だの音だのというよりは、そう!電波です!はい!もはや人間ではなくバケモ…いや!受信機と化しているような感じです!

性能の良い受信機になれるように頑張ります(笑)!

2016/10/26 12:00 | riki | No Comments