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2016/02/25
2月、北海道では一年で一番寒い「厳冬期」を迎えるが、今シーズンは
オホーツク海での流氷の接岸が例年以上に遅く、つい数日前のことだ。
そんな中、北海道内の中でも一段と冷え込みの厳しい十勝地方の海岸では
ある自然現象が冬の風物詩となり始めていた。
夜明け前。
雪原を越えて海岸に出ると沖合から流れてくる冷たい空気が容赦なく頬を刺した。
まだ暗い海岸を砂浜に沿ってしばらく歩いた。
久しぶりの冬の海はなんと気持ちの良いことだろう。
波の音、冷たい風、凍った砂浜の感触、水平線まで広がる星空。
それは冬の厳しさを越えてここにやってきた者だけが体験できる世界。
程なくして一日の始まりを告げる光が水平線の向こうから昇ってきた。
そして目の前には自然から送られてきた”Gift”。
海岸に打ち上げられた氷が光を受けてオレンジ色に輝き始めたのだ。
どこまでも透き通り、複雑な形をした氷塊はまるでガラスの彫刻のようだ。
砂浜の上にそっと置かれた氷は、波が寄せるたびに海の中へ消え去り、
そしてまた新しい”Gift”が送られてくる。
僕は海岸に座り、静かにその情景を見つめた。
いつまでも見ていたい美しい冬の景色。
この景色を見た瞬間、改めて北海道という豊かな土地に感謝し、改めてこの土地
の自然に惹かれてゆく自分をココロの中に感じた。
2016/02/25 12:43 | yamada | No Comments