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2015/08/14

皆さん、おはようございます。
ドン・ジョヴァンニの稽古は進んでいっています。
もっとも、進度は速くありません。

というのも、今回の演出の仕方は、
これまでと少し違った進め方をしているからです。
今までさんざん書いてきましたように、
イスラムを例として演出していますが、
そういった大枠のイメージは持った上で、
細部に関しては、インスピレーション優位で
あえて事前に細かいことを決めずに、
現場に臨んでいます。

関係者には申し訳ないけれど、これではどうしても、
サクサクと進行するというわけにはいきません。
どうしてもこれは!というところは、
おおよそ荒立ちも進めました。
もちろん、指示不足の箇所もありますが。

そうした中で、人物のイメージが
明確になってくることもありました。
例えば松浦小夏さん演じるドンナ・アンナですが、
1ヶ月前にイメージを尋ねられても、
これから書くほどの説明は不可能でした。

まあ、書くだけでセクハラになりかねない内容ですが、
あくまでも作品の話だと思ってお付き合い下さい。
ドンナ・アンナについて、
私に確立しつつあるイメージは「お人形」です。
それも、フランス人形とかそういうイメージの良いものではなく、
「大人のおもちゃ」というか、「ダッチワイフ」というか、
そういう、男にいいように利用されるもの、という感じです。

もちろん、アンナに主体性がなくてそうなっているわけでも、
それがキャラクターなわけでもないと思っています。
でも、最終的にそういう存在でなければ生き延びられない、
という境遇に置かれている人だということです。
イスラム設定、それも原理主義過激派の支配地域、
という設定ですから、
男の決定に口を挟むことはもちろん、
ロクな教育も与えられてはいないでしょう。

ドン・ジョヴァンニにイスラム圏内から連れ出してはもらえない、
ということがわかった時点で、
オッターヴィオに殺されないように振る舞うしか、
生き延びる道はない、ということです。

こんな酷い状況を演出していること自体、
これじゃダメだ、という私のメッセージになります。
私は女性をそんな存在として扱い、
彼女たちが流す涙に目もくれない、
なんてことは到底できません。
私の女性に対する理想は、
まず、尊敬できる相手であること、です。

こんな女性はイヤだ、という見方も出来るでしょうけど、
それ以前に、女性をこんな生き物にしてしまうような、
極端な男性優位の社会がイヤです。

己の欲せざるところ、人に施すなかれ。

まさに、私の欲せざるところをやってくれているのが、
ドン・オッターヴィオの島袋羊太君です。
モラハラとセクハラのオンパレード。
最後はちょっとDVも入れてみようと思ってます。

2015/08/14 11:46 | bonchi | No Comments