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2015/07/31

暑い夏まっ盛りですが、見ているだけでひんやりしてくる
水の写真集「Water Being」がこちら。

表紙

私の友人であるフリーダイダイバー写真家、野口智弘の初の写真集が、この『Water Being』です。カメラマン自身が素潜りして撮影した海や人の写真で、独特の世界が広がっています。ここに写っているのは人間、魚、鯨、沈船・・・・深い深い蒼い世界。明るいキラキラした世界ではなく、deepで冷たくて、薄暗くて、だけど落ち着きと安らぎも感じる世界です。

さて、この写真集の出版記念パーティーが先月、恵比寿のお洒落な写真集食堂「めぐたま」にて行われました。総勢70人ほどが集まる一大イベントになりましたので、この様子をご紹介します!

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まずはウエルカムドリンクならぬ、「ウェルカムおにぎり」での歓迎!身体に優しい美味しい手作り料理でのおもてなしです。

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そしてこの日は特別メニューが・・

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なんと、小笠原のフリーダイバーであり、凄腕スピアマン小林さんが小笠原で自ら獲ってきたお魚による豪華なお魚の数々が振る舞われたのです!!

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小林さん自身も野口君の写真のモデルになっていますが、出版記念のお祝いに駆けつけるだけでなく、こんなにバラエティに富んだお魚を穫って、そのまま遥々船で東京に一緒に持ってきて、自ら捌いてくれる、という徹底した祝福ぶりです!

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こちらがメニュー。かっぽれ、ツチホゼリ、石垣鯛、バラハタ、などなど・・こんなに沢山食べきれるかな・・

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と思ったのもつかの間。会場には沢山の人がお腹を空かせて来ていて、乾杯のあとに次々に、瞬殺で無くなっていきました^^;

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主催のデザインチーム「Richblack」吉井さん、高橋さんからのご挨拶。

このパーティには海関係の人と写真・アート関連の人が半々といった感じです。写真については詳しくても「海に潜る」ということ、「素潜りで写真を撮る」ことをあまり知らない、という人も多く、野口君の解説の前に私がフリーダイビングについても少しお話させて頂きました。

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人間はもともと海から来た生き物です。フリーダイビングを通じて改めて感じることが出来る、「潜水反射」などの興味深い人間の身体機能。フリーダイビングはまさに「海の記憶を思い出す」もの、人間は「Water Being(=水の生き物)」だと思い出すことが出来るものです。野口君の写真集のタイトルはまさに、フリーダイビングのキモなのではないかと思います。

そしていよいよ野口君。が訥々と語る水中写真のお話

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「自分自身が素潜りをする中で、単に海の中の景色ではなく、潜っている時の様々な心の機微を撮りたいと思った。潜れば潜る程死に近づくはずなのに、そこでは何故かリラックスして、不思議な無心の境地になれる、それを写真にして伝えたいと思った」

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「写真というのはそもそも物理的なもので、光を撮っているに過ぎない。ただの光の反射でしかないそこには本当は心の機微は写らないはず。でも、写真を見た時には確かに心が動かされる瞬間があるはず。」

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「これは小笠原の海底に沈む零戦。70年も前の人の痕跡。沢山の歴史が詰まっている。それが今では海という大自然の一部のようになりながらも、でもどこかに人の残り香のようなものがある。これを見た時に自分の気持ちが大きく揺さぶられた。人工を内包している自然、そして純粋な人工は人の意志なのではないだろうかと考えた・・・」

普段は真面目に語ることが無い野口君の写真への熱い思いを聞くことが出来ました。

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真剣に聞き入る面々。海の世界を知らなかった人は海を、写真のことを知らなかった人は写真のことをそれぞれ知り、海の命を美味しく頂きながら、新たな出会いと繋がりが出来た夜でした!

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集合写真、、さすが広角カメラで全員収まった!の図。

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そして最後に、オーナーの写真評論家、飯沢耕太郎氏により、「WaterBeing」はめぐたまの書棚に収まったのでした。

野口君が次にどんな写真を撮るのか、楽しみです。写真を通して、沢山の人が水を感じ、自分が「水の生物」であることを思い出してもらえたら嬉しいですね!

Photographer 野口智弘:https://www.facebook.com/pages/Photographer-%E9%87%8E%E5%8F%A3%E6%99%BA%E5%BC%98/1522593401329360?fref=ts
写真集「Water Being」(amazon):
http://www.amazon.co.jp/Water-Being-%E9%87%8E%E5%8F%A3-%E6%99%BA%E5%BC%98/dp/4990808304

photo by Tomohiro Noguchi,
Mami Shimizu, Michiyas Suzuki

2015/07/31 09:43 | yukimuto | No Comments