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久しぶりにローカルのスーパーに行きました。
いつもは伊勢丹で買い物をするため、海外にいても日本のスーパーのような売られ方にすっかり慣れてしまい、ローカルスーパーに行くと面白い発見が沢山あります。
私が一番好きなのは、スパイス売り場。
マレー人、中国人、インド人で使うスパイスが異なるため、それぞれの民族向けにスパイスコーナーが設けられていて、みんながスパイスを買っていきます。
辛いものが大好きなマレー人とインド人のスパイスの購入の仕方は驚きで、チリパウダーや唐辛子を1キロ単位で購入していきます。
お米売り場も面白い。
こんな風にそれぞれの民族向けにお米が売られているので、写真のようなお米の列が3,4列あります。
中国、韓国、日本、バスパティ米、タイ米、サフランライス用のお米、アラブ人向けのお米・・・私にはよくわからない種類のお米が揃っています。
多民族国家で暮らすと”違うこと””多様性”というワードを意識させられることが沢山あります。
”違うこと”が日常に根付くこの国の人々は、違いに寛容的だということが最大の強み。
それぞれの民族が、それぞれを寛容していく。
受け入れるのではなく、寛容的な態度を取るというのが特徴で、その寛容的な態度に戸惑いを感じてしまうこともあります。
違いに理解を示し、その違いを認めるというこの姿勢は、受け入れるということとは違っていて、それぞれの価値観が分断されて存在しているということ。
それぞれの違いが混ざり合うことはなく、それぞれが混沌とした形で存在し、それぞれがその違いを邪魔しないように一定の距離を保っていく。
こういう国としての寛容性に、違いを嫌う日本で育った私はドキドキしてしまいます。
先日出産後初めて、中国語とマレー語の授業に行きました。
ここでも多様性というのは存在していて、思わず笑ってしまった出来事がありました。
マレー人の先生は、ベビーが暑くないかをやたらと気にします。
「ベビーが暑いから、エアコンが当たるここに座りなさい。ブランケットかけてたら暑いわよ。」
マレー人はとにかく暑くて汗をかくというのが大嫌いですから。
中国人の先生は、ベビーが寒くないかをやたらと気にします。
「こっちはエアコンの風が当たって寒いからここに座りなさい。ミトンはどうしたの?手が冷えるでしょ。」
中国人にとって冷えは最大の敵ですから。
それぞれの民族で、それぞれの文化的な子育てがあるわけで、どっちが正解なんてないんです。
それぞれの文化で子育ての仕方が違うということに慣れているこの国の人は、
「日本ではこうなんだよ」って話せば、「あら、そうなの!その点は違うのね。」といった具合に違う文化を知ったときにサッと一歩引く態度を取ります。
多様性の中で上手に生きていくための寛容性。
こういう小さなやり取りから、多民族国家で暮らす人々の多様性について寛容的な態度を取るという生きる術を教わります。