« | Home | »

2015/01/25

ここ数年、なぜだが映画館へ行くのがおっくう。

DVDではなくて映画館で映画を観ることは、ストレス解消のひとつとなっていて、
選ぶ映画もエンターテイメント満載の、仕事終わりにふらりとひとり立ち寄り、
どーん、ばーん、ばんざーい!的に見れるものが多いし、それを好む。

ならば、今やそれほど解消するストレスが少なくなった、と喜ぶべきかもしれない。

そんな訳で2014の映画館の映画タチも2013に引き続き印象が薄く、
年が明けてもぐずぐずしていたけれど、それでもやっぱり振り返るコトにする

ゼロ・グラビティ【Gravity】
90分と短い映画に、宇宙という未知の広い空間、その広さに対比するような
宇宙船という狭い空間に閉じこまれた、孤独と恐怖の長い闘い。
酸素が減り機材が使用できなくなり、と物理的な要素が削ぎ落とされるように
主人公ライアンの人生の悩み、わだかまり、邪念もそぎ落ち、
生きることへの欲望と希望へ、とシンプ化される。
過去をリリースするコトは多大なエネルギーがいるのだな、とコラムも書いた。

マイティ・ソー/ダークワールド【Thor: The Dark World】
マーベル原作、1作目が良くて見たけれど、まぁ2作目、という感想。
原作を知らず個人的な意見だが、ヒロイン役のナタリー・ポートマンが
それまでの主人公のソー(クリス・ヘムズワース)の人柄とうまくシンクロできず、
しっくりこなかった。同じキャストなら次を見るのを躊躇しそう。

エンダーのゲーム【Ender’s Game】
2014年のベスト1の映画。LIFE!とどちらが良かったか、と迷う。
ドラマが普遍的な人生の意味や今ある社会的な課題を反映するとしたら、
SFというのは近未来をすごくリサーチして作られ、
その未来に対しての期待と警告が色濃く盛り込まれていると思い、そこが好きなところ。
宇宙の敵に打ち勝つ為、シミュレーションで戦闘訓練を受ける地球人の少年少女。
ゲームと現実の戦いの境目をいつか超えてしまう、現代の課題とも言える。
そんな怖くも考える意義のある印象的な映画だった。

鑑定士と顔のない依頼人【La Migliore Offerta/The Best Offer】
この映画の結末に対してまわりで賛否両論があり、私はすごく好きだった。
堅物の美術鑑定士が、ある日顧客の若いミステリアスな女性にはまる。
身を滅ぼしていく様が、緩やかに、けれど彼の心は激動的で、と進行する。
モノに固執すること、お金の価値、自分の行動への納得、信じること、希望をもつこと
愛を知らないこと、一度知った愛するということを失うこと、許すこと恨むこと、
幸せか否かを決めることは客観的な他人の“ものさし”でしかない。
見る人の気持ちによってだいぶ解釈が異なってくる映画、と思う。

大統領の執事の涙【Lee Daniels’ The Butler】
昔見て良かった「マンデラの名もなき看守【Goodbye Bafana】」を
勝手にイメージして見たせいか、ストーリーにモノ足りなさを感じる。
執事役のフォレスト・ウティカーは割と好きな俳優なので、余計残念だった。

映画ドラえもん 新・のび太の大魔境
ドラえもんを初めて映画館で見る。子供の時に見た大魔境をそのままリメイクで、
長編シリーズすらもコミックでしか読んだことがなかったので、懐かしく、楽しめた。

LIFE!【The Secret Life of Walter Mitty】
「エンダーのゲーム」がSF部門ベスト1ならドラマ部門でのベスト1。
ちょっとブラックなコミカルさと誠実さを合わせ持つベン・ステラーの良さが出ていて、
映像も美しく、何よりもその映像に合う音楽の選曲が良かった。
フィルムからデジタルへ移行するフォトの世界は、
そのまま手作りから機械生産に移行する今を象徴しているようで、
そこに今、ヒトの気持ちをどう置いていくのか、と思わされる。
毎日頑張る私タチにも活力を与えるけれど、同時に経営するヒトタチに見てもらいたい。
当たり前のことだが、ヒトに与えるモノを生産している限り、
働くヒトもそのひとり、綺麗ごとだけれど、大事にするべき、と思う。

アメイジング・スパイダーマン2【The Amaging Spider-man 2】
トランスフォーマーシリーズと一緒で、とりあえず出たら見るシリーズ。
安定感のあるThe エンターテイメントな映像に、見た後の爽快さがいい。

アナと雪の女王【Frozen】
とにかく子供受けが良かったというこの映画、普通に好きでした。
吹き替え版と字幕版の両方を見たけれど、吹き替え版の精度はかなりのもの。
さすがディズニー。

オール・ユー・ニード・イズ・キル【Edge Of Tomorrow】
「オブリビオン」的なトム・クルーズの映画。
彼のSFモノは思考がクリストファー・ノーランと似てテーマが割とサイコなのだけれど
クルーズの俳優歴の長さか、その課題をそれほど難しくなくすごく一般的に噛み砕き、
楽しめ、ラストにちゃんとハリウッド的なハッピーエンドを持ってくる。
ほどよい緊張感もあって、見ていて楽しい。原作は日本人、桜坂洋(さくらざかひろし)。

トランスフォーマー/ロストエイジ【Transformer: Age of Extinction】
このシリーズは、とにかく出たら見る。オプティマスの声が良く、TVシリーズも演じる
ピーター・カレン【Peter Cullen】。調べると他にもアニメ多数に出てる年季ある声優。
毎回ながらトランスフォーマーたちがトランスフォームする映像の緻密さがすごい。
主人公がシャイア・ラブーフからマーク・ウォールバーグに、
テーマ曲がLINKIN PARKからImagine Dragonsに変わり、と。

インターステラー【Interstellar】
仕事で、行き詰まるほどではなかったけれど、考えてもしょうがないよね、
と思うタイミングに、息抜きに見る。
クリストファー・ノーランは大好きな監督で、前半の勢いに比べ、
全貌が見えてからの後半の流れがやや説明的で野暮な時も多々あるけれど、
ただのSFで終わらせない、話の細部まで埋め尽くす徹底さと、人情をあわせ持つ。
今回もパラドックスな、アインシュタイン的な物理に親子愛を交え、いい話だった。

妖怪ウォッチ
噂のこの映画、子供タチと見る。やっぱりほろりと。

グラント・ブタペスタ・ホテル【Grand Budapest Hotel】
旅先の飛行機の中で見る。大画面で見たかった!と思うほど各シーンが色鮮やか。
つながりがないような、あるようなシーンが積み重なり、童話を読むように話が進む。
イギリス/ドイツ製作映画、普段見るアメリカ映画にないシュールさに
ヨーロッパの文化を感じる。

映画館だけでなく、DVDでも映画は見ている。
2014年に初めて出会った映画タチから、いつかコラム書きたいと思ったものを。

縞模様のパジャマの少年【The Boy in Striped Pyajamas】
製作はイギリス・アメリカ。
ナチスとユダヤ人を題材とし、友情を深めた境遇が異なる少年達の悲劇的な末路を
容赦なく、けれど彼らの純粋な心揺さぶる友情物語として紡いでいく。
感動、というより切ない気持ちになる。
非情な過去とは、起こってしまったものとは変えられないから、伝えるしかないのだろう。
主人公の少年エイサ・バターフィールドが、「エンダーのゲーム」の主人公、
タイミングとは面白い。

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日【Life of Pi】
映画で見ようと思っていて見逃した映画。
もっと子供向けと思っていたら、とんでもなく深い話だった。
印象深い結末に、どこまでが事実で、どこまでが物語なのか困惑する。
けれど少年だったパイが大人になって語る、その長い物語の意味の深さが素晴らしい。
「鑑定士と顔のない依頼人」のように意味の解釈を観客に任された、そういう話。

2015年、さて今年は何を見よう、と言うよりどう見ようか、と思う。
数年前から、「縞模様のパジャマの少年」のような作品を映画館で観たいと思っている。

けれど難しく考えさせる映画を見に、とは、なかなか足が運ばない。
それはふらりと見るには打撃が強すぎで、見終わった後に立ち上がれないかもしれないから。

ならばヒトと一緒に観ようと思う。

今年はまずは一緒に映画に行ってくれる人を探そう、かと。

2015/01/25 11:34 | masaki | No Comments