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2014/11/19
こんな日に君にそばにいたら、
あれほど緑に覆われていた森、
紅く染まった枯れ葉は空を飛びかい地上に、
あれほど騒がしかった森、
命を消しさった虫たちは、
今日は地上に横たわり、
あれほど手の届く場所にいた雲は、
今では空高く、
手の届かない青空、
秋になれば、
皆旅支度、
喜びも悲しみも風にたくし、
遠くの山を白い雪で覆い、
又会うことを約束するように、
今日は静かに眠りにつく、
森の女神が、
そっと地上にまいおりる季節、
静まり返った森の中で、
たくさん愛された事を、
思い出させる季節、
何も無い森は、
はなれている君を、
引き寄せて止まない、
孤独の中の森は、
総てを許す事でしか、
歩けない、
静まり返った森は、
総てを愛する事でしか、
満たされない。
2014/11/19 02:11 | watanabe | No Comments