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遥か昔、アフリカ大陸から歩み始めた人類はシベリアの大地を歩き、
海を渡って北アメリカ大陸へ渡ったとされている。
ロシア、日本、アラスカなどに現存する北方系の先住民族は古代の
旅の途上で派生し、定住することによって長い年月の中でそれぞれ
独自の文化を築き上げてきた訳だが、彼らの生活様式や精神世界
には今でも様々な共通点が残されている事が知られている。
そのひとつひとつを比べていくと、やはりルーツは同じだったのでは
はないかという思いが強くなるのである。
北方系の民族は寒冷の土地において農耕が不適だった為、生活の糧は
狩猟採集や漁撈であった。
僕は以前から自然写真を撮る上で、彼らが自然界の生き物を恵みとした
生き方や、彼らの動物や自然との関わり方に強く関心を抱いてきた。
また、先住民族の文化の中には今の時代が抱える多くの矛盾や不安を取り
除くヒントが隠されているのではないかという想いが少なからずある。
一番身近な「アイヌ民族」については今でも様々な文献を読み漁り、各地
の博物館や資料館を訪ね、フォーラムやイベントなどに足を運んでいる。
ここ近年では2008年の北海道サミットに合わせて行われた「世界先住民族
サミット」に3日間に渡って参加させていただいた時の事が強く印象に残っ
ている。
ところで、ここ近年は市町村でも随分とアイヌ民族に関するイベントが多く
なった。「北海道」でもアイヌ民族のことを大きく取り上げて、文化の紹介や
継承に取り組み始めている。
更にはアイヌ民族に留まらず、世界中の様々な民族が日本を訪れてパフォ
ーマンスを行う様子が見られるようになった。
これらの活動が盛んになってきたのは、2007年の国連による「先住民族の権利
に関する国際連合宣言」、そして国内では2008年の国会で「アイヌ民族を先住
民族と認める」法案が可決された事が大きく影響しているのだと勝手に理解して
いる。
先日、カムチャツカの先住民族の舞踏を見る機会があった。
カムチャツカの先住民族といえば、コリヤーク、イテリメン、エヴェン、アリュート、
チュクチ・・・。
彼らもまた北方を代表する民族であり、どことなく風貌が他の北方民族と似て
いる。遠い昔には北海道アイヌ民族との交易もあったことが知られているし、
またアイヌ民族との共通点も多い。
踊りについてはアイヌ民族の儀式的な踊りとは対照的で、非常に激しく、賑やかで
人々の表情も豊かで、どことなくユーモラスに富んでいる。ストーリー展開されていて、
まるで舞台を見ているようだった。
初めて目の前で見たのだが、熱気に包まれたステージが印象的だった。
とても貴重なものを見せていただいた。
カムチャツカの先住民族。
これからも北海道の先住民族との関わりについて、また新たな民族の探求と
して、注目していきたい。
イランカラプテ!