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2014/08/31

こちらの谷間でも、8月に入ってから本当に雨が多く、何となくすっきりしない夏になりました。幸いこの谷間では大きな人的な被害は出ませんでしたが、それでも県道の峠の切り通しの山が崩れてしばらく通行止めになりました。今も片道通行で工事をしています。

全国で、水の力に翻弄された夏、被害に遭われた方々の一刻も早い復興をお祈りしております。

皆さま、お元気にお過ごしでしょうか?

そんな夏も、変わらず田畑に立つのみ、お百姓になりたい、川口辰次郎です。

先回の、「自然農」まなびの場についての続きのお話です。

今では、全国で「自然農」に取り組んでいらっしゃる方々はたくさんいらっしゃいます。
そして、それぞれの地域で、それぞれの形で、川口由一さんが始められた「自然農」を、まるで種を引き継ぐように、伝えている方々がいらっしゃいます。

まだ「自然農」を始めて日も浅く、決して、経験も知識も、技術も全く優れてはいない僕ですが、そんな僕もここで「まなびの場」を運営させて戴いています。

自然農の「まなびの場」は、誰か指導者が居て、その人が一方的に誰かに教える、というような場所ではありません。

勿論、僕が主催している「まなびの場」でも、毎月の集合日のスケジュールや実施する事々は僕が主体になって決め、準備、運営をしてはいますが、当日に集まる方々と共に、僕も、この場で、学ばせて戴く、そんな場所が、まなびの場なのです。

ここの学びの場では、今年は5組の方々がご自分の田の区画を持って、お米作りに取り組んでいらっしゃいます。ここの田でお米を作っていない方々も、毎月の月例会で田や畑での作物の世話を共に学んでいます。
こちらが今の共同実習田の様子。畔豆が元気に育ち、お米は間もなく穂を出します。
共同田_140825_104256
この田で、こんな風にお米作りを学んでいる方々の費用負担は、田への水入れを担って下さっている地域の水利組合さんに支払う年間の水利費の実費のみ。

田そのものは無償でお借り出来ていますので、年間でも半畝で数千円以下の費用で、お米の苗床作り、種おろしから、秋の収穫、稲架掛け、脱穀、更には、冬から春にかけての麦や玉葱、豆類などの栽培、収穫に至るまで、十二分に経験して戴くことが出来ます。それぞれのまなびの場で出来る事、形態はまったく異なるのですが、僕がこのまなびの場で一番大切にしたいと想っているのは、自分だけの田畑で作物を育ててみる経験をご提供することです。

というのも、そもそも、田や畑といった農地を手に入れるのは決して容易な事ではないからです。

地域ごとに、地主(農家)さん、農業員会、行政が様々な係わり方をしているし、それ故に、借りるにしても、買うにしても、当然、値段もあって無いような世界。

そもそも、碌に作物を育てた経験も無い都会育ちがいきなり農地を探すのはリスクが大き過ぎます。

ですから、先ずは、本当に小さくても良いから、自分の田、畑を持って、一年を通して幾つかの作物を作ってみて戴ければ、それも、「自然農」で作物を育てる経験をして戴くことが出来るならば、それに優る経験は無いと信じているのです。

という訳ですから、自然が自ずからめぐんでくれるいのちに、自ら生かされるような暮らしをしてみたい、と少しでも想う方は、ぜひ、全国の自然農まなびの場を訪ねてみてください。

これから深まる秋、きっと、たわわに実った美しい稲が、あなたを迎え入れてくれることでしょう!

2014/08/31 11:38 | kawaguchi | No Comments