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今日は、中橋とLGBTライフ研究会で中心的な役割をしておられる、片桐さん(仮名・38歳)との対談です。
中「LGBTライフ研究会での活動内容を教えて下さい」
片「その名の通り、LGBT当事者が人生を豊かにするためのあらゆることを研究しようという趣旨で活動しています。でも、ここ2年くらいは成果物を発表するのが楽しくて、そのためにメンバーが情報を持ち寄り、あ~でもない、こ~でもないと議論しています」
中「成果物というのは、レポート的なものを通信販売しているのですよね?」
片「私たち的には、『マニュアル』と呼んでいます。一つ完成させたら、次はどんなマニュアルを作って世に出そうかと、その議論が楽しかったりします。作成する苦労は半端ではないのですが、完成させたら、達成感から、その苦労を忘れちゃうんですよ(苦笑)」
中「最初は、友情結婚のマニュアルでしたね。反響はどうでしたか?」
片「とても良かったんです。今でも一番押しの商品です。我ながら自信作ですから」
中「他はどうですか?」
片「中橋さんにも助言を頂きながら、LGBT向けのエンディングノートを作りましたよね。でもあれ、売れないので反響もないんですよ。いいものなのに・・・」
中「売れてないのですね。。ちょっと残念です」
片「スイマセン。私たちは、自分たちの研究の成果を発表する目的で、ネット配信会社に協力してもらって、PDFダウンロードという形式で販売してもらっているのですが、全然宣伝してないのですよ。だから、こうして取材してもらって、中橋さんが記事にしてくれたら宣伝効果は絶大かと」
中「いえいえ。謝らなくても大丈夫ですよ。営利目的の活動ではないですからね。それと、対談記事を掲載しますけど、絶大な宣伝効果は全く期待しないで下さい(焦)」
片「今は、LGBTが直面する課題を、一つずつ、自分でクリアーしてもらえるように、課題ごとのマニュアルを充実して、LGBTライフのバイブルにしてもらいたいという思いを強くしています」
中「情報を収集し、それをまとめて、問題点を分析し、解決法を書籍で提案しているわけですよね。そういう活動を通して、LGBTに関する様々な制度的問題点などが明らかになるのではないですか?」
片「そうですね。人として、ただ幸せな人生を送っていきたいだけなのに、人生の大切な部分でLGBTはやはり差別的な扱いを社会から受けてしまっています」
中「最新のマニュアルは、遺言書だそうですね」
片「はい。自分で遺言書が書けるようなマニュアルを作成しました。同性カップルは法的に相続人になれませんから、遺言でパートナーに遺産がいくようにできますからね」
中「私は、公正証書遺言を勧めているのですが、自筆での遺言書が良いと?」
片「確かに公正証書は、公証役場で作成されるから、内容に法律的な間違いがある心配とか、保管上の問題が無いことは理解しています。でも、公証役場に行かないと作れないでしょう。それが問題なのです」
中「つまり、自分ひとりで、誰の関与も無く作成したいということですか?」
片「そうそう。紙とペンがあれば、それだけで作れるじゃないですか。あとは、遺言書を作成するための法律的なルールを知らないといけない。だから、そのためのマニュアルを作ったんです」
中「気持ちはわかりますが、法的な安全や、死後に家庭裁判所での検認の手間を省くこと、遺言書の紛失や改ざんの危険性を考えると、私は公正証書をお勧めしますね。公証人に会わなければなりませんが、守秘義務もある立場の方々ですから」
片「わかりますよ。公正証書が理想です。それはわかっています。でも、それでも、自分のセクシャリティをカミングアウトすることになるかもしれないというリスクを負いたくないというのが大多数の当事者の意見だと思いますよ。公正証書だと、証人も2人以上必要ですよね」
中「確かに、公証人・証人2名には少なくとも、自分の遺言の内容は知られてしまいますね」
片「例えば、中橋さんに依頼して公正証書で遺言を作成したら、公証役場との折衝や証人の調達もして下さって、作成当日に1回だけ公証役場に本人が行けばよいというのは、ある程度気軽で良いとは思います。でも、誰にも知られずに、あっ、パートナーに知ってもらっても良いという場合もあるかもしれませんが、それでも、自分のセクシャリティの秘密は守られるので、そこを重視したいんです」
中「なるほどねぇ。公正証書でも、秘密は十分守られると思いますが、知られてしまう相手が数人出てくるのは避けられませんね。それが嫌だから、自分で作る遺言書の方が良いということですね」
片「はい。もちろん、自分で作ることのリスクはあると思いますが、とりあえずは、それで良いと思うんです。もしかしたら、将来、別のパートナーを見つけるかもしれないし(爆)」
中「まぁ、有り得るんでしょうねぇ(笑) だったら、一応の保険的に、自筆で遺言書を作っておこうとなるわけですね」
片「そういうこともあり得るという事です」
中「わかりました。今日は、当事者の方が、遺言書の作成に対してどのように考えておられるかを知れてよかったです。今後とも研究会の活動頑張って下さいね」
片「はい。ありがとうございました」
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