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2014/07/24

先日、とあるコンセプトカフェに行ってきました。
そこは店員さんが全員女性でコスプレをして接客するスタイルのため、お客様の9割がオタク男性というお店。
わたしが席に着いたら「女性のお客様は初めてですぅー」とかわいい女子店員(猫耳)に言っていただけたという点だけでも客層がなんとなく偲ばれます……。

ところでこのお店ですが、出勤している店員さんのシフトは非公開になっています。
つまり、お客様は来店するまで今日はだれが出ているのか分からない。特定のご贔屓の女の子を目当てに行こうと思ってもそれが出来ないという制度なのです。

このような半お水業態のお店は初めて見たのですが、なかなか面白いシステムだなあと思いました。
この仕組みだとお客様は誰か贔屓が出来てもその出勤日が分からないですから、必然的にお店に通う=お店のファンにならざるを得ません。ひょっとして通いつめればなんとなくシフトの予測が立つかもしれませんが、それにしたって時間・体力・金額ともに相当なコストが必要です。

そして女の子の側でも、競争原理が働きませんから、キャバクラにありがちな賃金格差もいじめもおそらくは起こらない。お店の中の雰囲気も良かったですし、きっと皆感覚的にはちょっと変わった制服の喫茶店でバイトしているのと大差ないのではないでしょうか。

そのようなまったりとした雰囲気のお店だったのですが、だからでしょうか、お客の男性の皆様もなんだかとってもリラックスしていたのです。
話題の中心は店員の女の子たちで、その近況や最近はまっているゲームなどキャバクラ寄りの展開になっているようなのですが、それでも完全お水のキャバクラと比べるとお客様同士の交流もあるし、お水業種にありがちなギラギラ感が全くない。
なんというか、お客様同士でも「隣の男を出し抜いて俺がこの子のNo1になってやるぜ!」とか、「あわよくばプライベートを聞き出して店外に持ち込むぜ!」といった肉肉しい感じがゼロ……というか、ひっそりと香るくらいであからさまになってはいない。
女の子のほうでも「話題の中心は私じゃないとイヤ!」だとか「この店で一番お客呼べるのは私だからっ!」というギラツキは皆無。

競争を捨て去った代わりに、ぬるい連帯感に包まれたユートピアのような空気がそのお店中を取り巻いていた。
穏やかに「○○ちゃんはどうなのー?」などと同僚女子に話を振っている女の子にはなんだか後光が差して見えたものです…。

そう思うと、わたしはあの頃やっぱり戦場にいたんだなあとしみじみ感じました。
その店で一番指名がほしくて、その店で一番かわいくなりたくて、気が使えて空気が読めて……とたくさんの欲望を抱えて、小さな空間で気を張って仕事をしてきたあの頃のわたしは、そして同僚の嬢たちは、今度はこういうお店と女性店員が戦うべき相手なのかもしれません。

2014/07/24 06:18 | chica | No Comments