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インドネシアに来て、4回目の断食月を送っております。
今年も例に漏れず、自分の部屋から一歩でも外に出ると断食を行っています。
現地の方からすると、これは断食とは呼ばないでしょうが、やはり人の前で堂々と何かを口に出来ないものです。
私が最も好きな断食月の時間帯は何といっても一日の断食が終わる夕方の時間です。
平日ならまだ別ですが、土日など休みの日は、メイン道路であることを忘れてしまうほどの静けさなのです。
それがどうでしょう。
一日の断食が終わる夕方頃は、道のいたるところでお粥やちょっとしたお菓子を販売しています。
一日の断食後の食事の準備をするため、皆さん外に出来ます。
全く人通りがなかったのに、街に活気が戻ります。
パワーをもらえる気がしてこの時間帯に街をブラブラすることもあります。
ブラブラするだけではもったいないので、私も皆さんのマネをしてお粥を購入してみました。
この時のお粥の味がびっくりするくらい塩辛かったのです。
ここのお店はこんな味付けなんだろうか…疑問が残りました。
次の日も同じ場所でお粥を購入しましたが、その時の味はおいしかったです。
これだけでは分らないので、別の日にまた購入して食べてみます。
塩辛くなく、おいしくいただきました。
そこで初めて疑問をいだいたのが『誰が味見をしているのだろう?』と言うことでした。
このお店に限らず、すべての飲食店・屋台などの食べ物の味見はどうしているのか?
飲食店に限らず、各家庭で準備されるものも同様です。
アバウトな言い方をすると、断食は日が昇っている間中行われます。
断食の行為には食べること、飲むこと、タバコを吸うことなどが含まれます。
以前もお伝えしましたが、自身の唾液を飲み込むことすらしない方もいらっしゃいます。
したがって、『味見』なんて出来るはずがありません。
ただ、例外もありイスラム教の方全員が断食をするわけではないのです。
病気の方・妊婦さん・子供(6歳くらいまで)・生理中の女性・重労働者などです。
後日、味付けについて気になっていた私は、この店を訪れ質問しました。
『断食中のこの食事はどのように味付けするのですか?』
おばちゃん曰く、『今まで料理を作ってきた経験と勘ねぇ~、もしくは娘が妊娠しているから彼女にお願いしてるわ』だそうです。
まぁ、分っていた結果でしたが、これでスッキリです。
ですが、スッキリした時間はほんの少しでした。
『経験と勘』って言ったけど、私だってちょっとは味見するわよ!
私が少し困惑した顔をしていたのでしょうか、おばちゃんは『いっぱい食べなきゃいいの。味見なんてほんのちょっとよ』とおっしゃっていました。
どこも同じかは分りません。
正直な気持ちは『それでいいの?』と疑問を抱く結果でしたが、また1つ断食についての知識が増えた瞬間でした。