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7月というのに、
曇り空の森は涼しく、
先程から森の中のベランダには、
美味しいごちそうが,
次から次へと運ばれてきます、
全員が揃うと乾杯、
一年ぶりに森での再会です。
私は皆に背を向け、
炭火の火力を調整しながら、
グリルで肉の焼き加減を見ていると、
私の背中の後ろの方では、
まるで小説を読んでいるかのような会話、
壮絶だった離婚騒動、
そんなつもりは無かったのにいまだに続く浮気進行形、
介護の惨憺たる日常、
私はとてもこのグリルの焼ける肉から目を離して、
皆の方に振り向く事が出来ません、
それでも森の中の肌寒いベランダでは、
炭火で焼いたお肉が美味しいと言いながら、
皆気持ち良さそうに、
自分の人生の破り捨てたい部分、
そんな話に花が咲きまくっております。
今回はママ友のサンディエゴから,
一時帰国に合わせて、
皆で温泉&バベキューという企画、
私は完全にホスト役に徹しております、
人生は楽しくすばらしいはずなのに、
誰もが長い人生の途中で迷い道に迷い込み、
悩み、涙して、
そして友達と、
この森の中のベランダで、
まるで小説を読むかのように、
人生の一部を話し始め、
友情を深めあっています、
悲しい事はどんな人にも突然現れ,
谷底に突き落とし、
クローゼットの中に綴じ込めたまま、
何も言わず立ち去り、
恋愛は青春の一部なんかじゃなく、
こんな歳になっても、
自分を夢心地に誘う媚薬である事を知り、
嫉妬とモラルの狭間、
こんなにも、
切なく、
心地よく、
生きてる事の喜びを、
再び感じさせてくれます、
いつしか森の夜に小雨が降り出し、
ママ友たちは場所を室内に移し、
夜が終わろうとしている事も気にせず、
人生の破り捨てたい部分を、
まるで紙でも破るように、
ビリビリにして、
話し続けています、
森の中の夜は眠る事も無く、
ママたちの会話に、
いつまでもつきあっています。