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2014/06/30

フリーダイビングをはじめた頃。「-30m」は憧れの深度でした。
そこに行ったら何が見れるのかな??
どんな世界があるんだろう。と好奇心で一杯です。

-30mに到達したら次は31m、32m、33m・・・あまり景色は変わりません。

見えるのは青い水と・・・

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ロープ・ ロープ・・・ロープ・・・

ロープの先にはまたロープがあります。そして一匹の魚もいません。
もう1m、あと1mと追いかけて、いつのまにか-40mが目前。
気がつくと、もう数字しか見ていませんでした。

そしてその年の沖縄大会では–40m付近で連続ブラックアウト(意識喪失)
海で意識を失う。とても危険なことです。フリーダイバーとしては失格行為。
到達出来ない-40mの壁。

ロープの先には素晴らしいものがあると思ってひたすら追いかけていたら、
その先にあったのは壁だったという衝撃。

もうすっかり、潜るのが怖くて、嫌になってしまったことがあります。
自分にはもう潜る資格すらない・・・と。
ひと夏、潜ることすら、出来なくなりました。

でもある日。ようやく恐る恐る、海へ。
そしてごくごく浅いところで、そっと泳いでみました。

そこにあったものは・・


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キラキラした岩場。ゆらゆらする海藻。

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プニプニしたイソギンチャク。

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海底にうつる光と影。

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水面近くの青や赤の魚たち。

いつのまにかスルーしてしまっていた浅瀬の世界が、こんなにも鮮やかだったなんて!

ふっと力が抜けたその1ヶ月後、私はホームゲレンデの真鶴記録会で、-40mのホワイトカード(※)を貰うことができました。それは本当に真っ白な、キラキラしたホワイトカードでした!

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浅瀬のスイミー。小さな青いお魚。

そういえば、メーテルリンクの「青い鳥」では、世界中を探しまわっても
見つからなかった青い鳥は、実は家にいたんですっけ。

深いところばかり、遠いところばかり見て、
ふと気づくと、猛スピードで何かを必死で追いかけている自分・・・

そんな自分への教訓を、水深0m地点のスイミー達は
久々に思い出させてくれました^^;

 

@土肥 Apnea Academy Asiaスキンダイビングインストラクター海洋実習にて。

※ホワイトカード:フリーダイビングの競技会における、正しいパフォーマンスと認められた判定結果のこと。(減点はイエローカード、失格はレッドカード)

 

2014/06/30 11:55 | yukimuto | No Comments