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今回の震災でウチの大学の学生が亡くなったと聞きました。この子は4月から水族館への就職が決まっていたようです。
直接的にはこの子と少しメールをしてアドバイスをした位で、深く関わることはなかったですが、ボクの先輩とは密に連絡を取り合っていたらしく、かなりやる気があって、水族館へ就職が決まったことを喜んでおり、熱意もあった子だったようです。
彼の思いや熱意は津波の中に消えてしまいました。とても悲しく、苦しく思います。
日本に100ちょっとある水族館への就職は、欠員が出なければ求人が出なく、年に多くても全国で数十人、少なければ数人です。それに対して大学・専門学校・高校などから就職希望の若い子たちは数え切れないくらいいいます。
水族館へ就職できるのは、ありとあらゆるものすごい努力が必要で、努力した子のみが得ることができるものです。ボクも、学生の時相当努力したし、就職が決まった時は一人下宿で泣いて、そのまま内定通知を握り締めて学校へ走って行き、応援してくれていた先生に抱きついた。そのまま泣きながら両親に電話をした。両親も泣いて喜んだ。
津波で亡くなってしまった子がどれだけ、これまで努力してきたことか。内定が決まった時どれだけ嬉しかっただろう。4月から水族館で働けることをどれだけ待ちわびて、期待と不安の中胸を躍らせて過ごしていただろう。彼の両親や周りの応援してくれた方々はどんな思いだだっただろう。
そんなことを考えると、涙が出てきます。ものすごく、くやしいだろうに。せっかくつかんで、動き出そうとしていた夢だったのにね。くやしいね。
ボクらの大学は、水族館界ではそれほど有名ではなく、頭も優秀なほうではないので、卒業者で水族館職員になれる子は少なく、先輩もボクもウチの大学出身者が水族館界に増えて、活躍することをいつも期待しているし、やる気のある子を応援しています。全面的に応援するし、相談にも乗っています。これは同じ大学でなくても、情熱のある子ならみんなそうします。
うちの大学は、土地柄、ソボクで優しくて、素直で、いろんな経験を積んだ努力家が多いです。北里大学から水族館へ入れると、ボクらは自分のことのように喜びます。素直な子で優しくて、水族館魂を持った子がたくさん業界に入って欲しいものです。
その反面、ボクは生半可な気持ちや中途半端な考えの子には、ものすごく冷たく当たります。ふざけた子、ナメていると判断した子には、きっぱり素質がないよ、迷惑だから、他のことを探したほうがいい、というようなことを言います。努力しない子、志のない子は水族館界には要らない。
彼の思いを忘れずに、前を向いて努力していきたいです。水族館業界の若い子たちは、今、自分が置かれている立場やありがたさを今一度考見つめ直して、気持ちを引き締めて、努力しましょう。また、水族館飼育員を希望している子たちは、自分が今どれだけ努力をしているか、水族館職員を目指せる器であるのか、もし就職できたら何のためにどんなことをどんな風にやってどうしたいのか、などよく考え、その上で死に物狂いで努力してください。そのためのサポートはします。
水族館は日常を離れて笑顔になれる夢の場所です。水槽を通して多くの人を幸せにするのが我々の使命です。