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そういえば、自分が最近出演していた「魔笛」の童子についての考察的なものをまとめていたかな?とふと思い…
今まで出演してきた童子の役は三人で和音演奏のため、同じ動きいわゆる振り付けのような動きを与えられることが多かったのです。
ハッキリとミュージカル風味にダンサーの先生から振り付けがつけられたこともあったり。
演出家から「童子は導線はつけるけど細かい動きの指示はしない。僕は振り付けによって生(せい)がなくなるのは違うと思う」と入りはけのタイミングだけつけてもらうだけでした。
子どもが演じることもある役を、あえて大人の女性、ソプラノが演じる子どもの役というには何かしらのこだわりがあるとおっしゃいました。
演出プランとしては、童子たちは救世主タミーノと夜の女王の娘パミーナの未来の子どもたちの魂、という設定でした。
二人が試練に打ち勝ち結ばれなければ、自分たちは世に生まれてくることができない。だから、一連のストーリーは全て童子たちが企てたことであり、結末までも童子たちは全て知っているということ。
二人が幸せになるためというよりは、自分たちが世に送り出されるために、正しい道へ導く使命を担った天使たちということでした。
愛する人に口をきいてもらえないパミーナが自害しようとするのをやめさせるシーンに関しては、自分たちの予言通りに事が進んで、もうすぐ平和が訪れるはずなのに、パミーナだけが事態を飲み込めずについてきていない!
イメージとしては、登山で山頂にようやくたどり着いて朝焼けを眺めていたら8合目付近で崖から落ちようとする娘が見えて慌てて引き返す。
大人の童子たちがやることに特に意味があると。このシーンで童子たちが少し愛の本質を知りつつ大人になる様子も描かれなければならないのです。
先月末に自身の本番が終演してすぐ2日後には別の現場の同じ演目の「魔笛」へ演出助手として稽古に入り…
出演者側から演出側から「魔笛」の世界を観るのに頭の中を整理する間もありませんでした。
演出家も違うので各々の世界観は違うにしろ、「魔笛」の本質、共通するものは大事にしようと思っています。