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友達から面白い体験を聞いた。
マレーシアはイスラム国家。
だからマレー系の女性は、頭にスカーフを巻き、民族衣装の長いワンピースとパンツ又は長袖長ズボンを履いている。
そして中東からの観光客は全身を黒いベールで覆っている。
マレーシアに来た当初は、街中に溢れる民族衣装の人たちに驚いたりドキドキしていた。
マレー系の女性が頭に巻いているスカーフはとても色鮮やかで、その日の服装に合わせてコーディネートするのでみんな何十枚も持っているらしい。
そして色々な場所でそのスカーフが売られている。
一枚60円くらいから購入できるこのスカーフ。
友達がこのスカーフに興味を持って、購入して被りたい!ということで、スカーフ屋さんが並ぶ街に出掛けたそうだ。
1軒目のお店に入って、鏡を見ながら試していると店員さんがやってきたそうだ。
「これはイスラム教徒用のスカーフなの。あなたはイスラム教徒じゃないんでしょ?あなたには売れないわ。」
店員はそう言って、友達にスカーフを売らなかったそうだ。
2軒目のお店に入ると、同じように店員さんが寄ってきて・・・
「これはイスラム教徒が髪の毛を隠すためのものだよ。わかってる??」っと尋ねてきたそうだ。
友達は、「イスラム教の文化に興味があって、一度被ってみたくて購入したい。」っと話をすると、巻き方を教えてくれたり、スカーフにつけるアクセサリーも教えてくれたそうだ。
結局そのお店で購入して、スカーフを巻いてお店の外に。
するとみんなにジロジロ見られる。
なんでだろう・・・っと思っていると、すれ違った人が脚を指差すそうだ。
友達はその日、膝丈のスカートを履いていたそうだ。
イスラム教徒から見ると、スカーフを覆っている=イスラム教徒という証。
そんな人が脚を出して歩いているなんて信じられないようで、皆がジロジロ見ていたそうだ。
現地人の友達にこの出来事を話したらこんなことを話してくれた。
「マレーシアは多民族国家だから、それぞれの宗教を尊重しているの。だから私たちは豚を食べる人を差別しないし、脚を出して歩いている人を批判しない。でもね、その代わりに、イスラム教徒のことも尊重して欲しいの。興味本位でスカーフを頭に巻くという行為が、イスラム教徒をバカにしていると思われる場合もあるよ。私はイスラム教徒に興味持ってくれてありがとうと思うけど、そう捉えない人がいることも知た方がいいよ。」
宗教を大切にしている人の気持ちを知って、少し勉強になった。
宗教は大切だから尊重して欲しいし、大切だと知っているから他の宗教のことも尊重する。
宗教を持たない私にはない視点だった。