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(前回の続き)
なべさんが遊びに来る3日前、僕は起きた時に首に違和感を感じた。 寝違えたか?といったようなつっぱり感。 大して気にも留めなかった。
が、深夜、バイト中、何かおかしい。寒い。節々痛い。 風邪か?まずいな。と思い、熱をはかると38.5℃。 風邪だ。まずいな。まずいよ。 朝に違和感を感じたそれは首ではなく、のどのリンパ節の腫れだった。 まずいぜ!明後日にはなべさんが来るのに!!
翌日、朝一で耳鼻咽喉科を受診。 内科と迷ったが、明らかにのどの腫れからの場合、 耳鼻咽喉科のほうが治療がダイレクトで治りが早いという自分の経験からの判断だった。 検温は39.0℃、インフルエンザの検査をされたが陰性。 診察ではこのように。
「あー、腫れてるねえ。んーでもまだ腫れ始めな感じだなあ。明日はもっと腫れるかも。」
「あのう、絶好調にならなくても、早急になんとか動けるくらいになりませんかね?」
「無茶言うなあ。ま、とりあえず熱が高かったら明日も開いてるからおいで。点滴するから。」
「はい。そうします。」
明日はなべさんが来るんだ!なんとしても迎えられる態勢にするんだ!
明くる朝、気力が勝ったのか、熱は下がっていた。 が、ダメ押しだ。朝一で点滴かまして万全を期す! 今日の夕方にはなべさんが来るんだ!!
点滴は午前中には終わり、熱もない。 よっしゃ!勝った! 実に晴れやかな気分で高崎駅へ車をスっ飛ばす。 …途中、バイト先の前を通過し、大きな交差点で赤信号にひっかかった。
……あれは…。 僕の車の前を自転車に乗った男がフラ~っと横切った。 …あ、K澤だ。 K澤というのはシフトはちがうがバイト先で一緒のヤツ。 ま、なんていうか、 つかみどころのない、もしくは突っ込みどころが多すぎるせいで、 どこが特徴なのかイマイチわからないヘンなヤツなのだ。 もちろん大変魅力的なヤツなんだけど。
とりわけ親しいわけでもないのだけれど、 目の前に突如出現こいたK澤。 声をかける以外に選択肢はない。絶対ない。 僕はクラクションを軽くププッと鳴らし、 (K澤はセンシティブなところがあるので、クラクションの鳴らし方には細心の注意を払った。) 「おーい」と呼んでみた。 もちろん、信号待ちの車内からで、しかも外は大きな交差点だし、声は届かない。 K澤は振り向いて気付いたが、クラクションによるものだろう。 K澤はこちらを見て、微妙な笑顔をみせた。 …微妙だ。ひきつってますやん。
これからバイトかな?とフラ~っと走り去るK澤に思いを馳せて、駅へと急ぐ。
まるで遠距離恋愛の彼女を迎えに行く面持ちだったに違いない。
(続く)
妻。4時間経過。
ボンヤリしてるうちはなんとなくイイ感じに見える。 それが良くない。
色々とハッキリさせて粗を見つける。 粗だらけになった。良し。