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皆さん、おはようございます。
コジも終わって2週間がたとうとしていますし、
そろそろトスカのことも書いていきたいと思います。
相変わらず根本のところを探りたい私としては、
「なんでこんなことになったのか?」
そこを考えたいのでございます。
根本的な原因は思想の変革期だったからなんですが、
直接的な原因がこの場合大事なことです。
社会情勢はどうしようもないので、
個人的な原因の特定が必要なのです。
それではこのドラマの直接的な原因は何かというと、
トスカとカヴァラドッシの思想背景の違いだと思います。
カヴァラドッシが体制派だったら初手から関わりないし、
トスカが共和制支持派であったら、ここまでのことにはなりません。
トスカが共和制支持者であった場合のことを考えてみましょう。
まず、トスカが来たからといって、
アンジェロッティをトスカから隠す必要はありません。
すると、トスカはいらざる疑念を持たずに済みます。
そして、落ち着いてカヴァラドッシの別荘へ、
教会に痕跡を残すことなく避難させられたし、
そうなれば、トスカが教会へ戻ってきて、
スカルピアの罠にひっかかることもありませんでした。
話はこれで終わってしまうわけです。
最悪、スカルピアは有能な人なので、
別荘をつきとめて、
アンジェロッティを脱獄で、
カヴァラドッシを脱獄囚秘匿で逮捕したとしましょう。
2人が絞首刑になって、トスカが大泣きして話は終了。
まあ、こちらの方が世の中によくあるパターンです。
2幕のあーだこーだはありません。
もちろん、スカルピアが刺されるなんて事件も起こりません。
トスカは単なる後追い自殺でもしない限り、死にません。
あの話は恋人たちの思想が正反対だったからこそ、
展開できた話だということを、まずご承知おきいただきたいと思います。