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ただ今マレーシアは、消息不明のマレーシア航空機、ヘイズ、2日間おきの断水と大変なこと続き。
自宅からの景色も一面真っ白なヘイズで、外出を控えたくなってしまう今日この頃。
マレー人の友達がスモールハジに出掛けるというので、ハジについて色々と教えてもらう機会があった。
ハジというのは、イスラム教徒が聖地メッカに巡礼に行くことを示す行事。
巡礼月というのが決まっているので、その期間ではないタイミングで短期間に行くので今回はスモールハジなんだそう。
短期間といっても、11日間。
日本人からしたら短期間の旅行ではない気がしますが・・・。
イスラム教徒にとってメッカ巡礼は一生に一度は必ず行かなくてはいけない義務。
友達のマレー人は今回で4回目なんだそうだ。
巡礼月には、ハジ専用の特別チャーター便が出たり、巡礼月に聖地メッカに行った人には特別な称号が与えられて尊敬の対象になったりする。
イスラム教に馴染みがない日本人にとってはそういう小さなことが新しい発見で驚くことばかり。
驚くことにマレーシアには、聖地メッカ巡礼のためだけに貯金をするメッカ巡礼基金という金融機関がある。
マレーシアは聖地メッカ巡礼者に対する優遇措置が取られるため、メッカ巡礼のツアーは待遇が良く安価なんだとか。
安価と言っても、マレーシアから巡礼月にメッカ巡礼に行くためには200万円ほどを貯めなくてはいけないそうだし、11日間でも20万円以上の費用が掛かるんだとか。
強い信仰心を持たない日本人にとっては、親戚中からお金を集めて親族1人でも聖地巡礼に行かせたいと思うほどメッカ巡礼に熱い想いを持つイスラム教徒の人々の熱心さは少し怖さを感じてしまう。
それだけ強い信仰心を持って、聖地メッカに巡礼に行くイスラム教徒の人たちの想いを知りたいと思った。
友人にそんなことを話すと、「メッカ巡礼はね、祈りの延長なの」と言われた。
世界の平和、国の発展、家族のこと、巡礼期間中はずっとずっと祈り続けるのだそうだ。
あぁー私には到底及ばない愛があるんだなって感じてしまった。
毎日5回お祈りをするイスラム教徒の人々を見ると、そこには大きな愛があるなって思う。
平和を祈り、感謝をし、ざんげをし、隣人の幸せを願う。
人として忘れてはいけない温かさがそこにはある。
限られた報道の中で目にするイスラム教徒はどうしても怖い存在になってしまう。
けれど、毎日イスラム教徒に関わることで、イスラム教徒が持っている優しさに気がつくことが多い。
自分と異なる宗教や文化を怖いと思ってしまうことは人間の弱さかもしれない。
友人からメッカ巡礼の話を聞きながらそんなことを思った。
写真はAli Mansuriより