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私がゴロンタロ大学で授業を受け持ったのは5学期分です。
実に二年半(5学期分)と言う、ほどよく長い期間でした。
私が赴任してから変わったこと。
大きく違う点としては、新しい校舎が建ち、インターネットが使用できるようになり、車両入校などに時間制限も設けたりと、以前と比較できないほど【大学】っぽくなったことです。
地質学科1つとっても、教室もでき机なども配置されました。
生徒数も年を重ねるごとに増加しています。
しかし残念なことに、なかなか【質】がついてこないことです。
新しく校舎や教室は出来ても、すぐに雨漏りしたり、赤道直下の暑さに対応するためのクーラー(せめて扇風機!)設置がなかったり、ともう一歩踏み込んだところまでの整備はされませんでした。
実験装置・設備も導入されましたが、この機器を用いた授業や研究開始には至っていません。
授業ついては、バンドン工科大学の講師の方々のご協力により、私の不十分な点を補っていただきました。
普段の授業のように毎週開講というわけにはいかないので、集中講義形式でゴロンタロへお越しいただきました。
この形態・協力は現在のゴロンタロ大学・地質学科には欠かせません。
生徒には負担が大きかったと思いますが、必要な教員を確保するまで続くと思います。
気がかりな点は、講師の方をお招きする際の予算が学期ごとに確保できるかどうか、と言うことです。
見積もりや提案書を提出していても、いつ許可が下りるか分かりません。
したがって、いつも急に来ていただくことに。
講師の方にもそして生徒にも、さらなる負担を強いる結果になっています。
私としても不安定な状況のため、すべての科目準備を講師の方が来ない前提で進める必要がありました。
これよりもっと深刻な事態は、学生が卒業出来ないと言うことです。
2013年9月に入学した生徒は、ゴロンタロ大学に地質学科が出来て第五期生にあたります。
本来ならば、第一期生は第五期生が入学する前に卒業していなければなりません。
しかしながら、第一期生が一回生・二回生の時に授業が開講されなかった、卒論指導が出来る講師がいない、などの理由により、現在も大学に残っています(しかも、半年ごとに授業料を納めている!)。
これは第二期生にも当てはまることで、早急に対応すべき最も重要な事柄です。
以前、バンドン工科大学の講師の方にお願いすると言う案が上がりましたが、予算の問題により断念。
現在は別の大学の講師の方にご協力いただけるよう、打診中です。
また、ゴロンタロ大学・地質学科における講師不足の問題。
私が赴任する以前より、前期課程(院)を別大学にて取得中の方が数名いらっしゃるとのことでした。
しかし、私の任期中に戻ってきた方は1名に留まりました。
戻ってきた方は、来学期より授業受け持ち開始となります。
つまりは、私が受け持っていた科目を引き継ぐだけなのです(現状、変わらず!)。
他の講師の方の前期課程が少しでも早く修了し、ゴロンタロ大学に戻ってくることを祈るばかりです。
このように書いていくと、私がここで活動してきた時間(期間)に出来たことがあるのかと、甚だ疑問です。
私が愛媛大学より与えられた任務は【ゴロンタロ大学で地質学科目を教える事】です。
この任務だけを取って考えると、活動してきたことは意味を持ちます。
しかしただの教員不足を補ったに過ぎず、次につながる【何か】を行うことが出来たのでしょうか?
次回は、この【何か】について考えたいと思います。