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2011/06/01

「脱原発は巨大なチャンス」独メルケル首相

http://www.asahi.com/international/update/0531/TKY201105300650.html

昨日、ドイツのメルケル首相(♀)が原発保有国で
唯一「脱原発」の施策を明言し、話題を呼びました。

ドイツ国内のみならず、世界中から賛否が巻き起こっている決断ですが、
これを行ったのが女性首相のメルケル氏だったことが興味深いです。

今日は少し政治の世界から離れて、
この事実から少し想像を働かせてみようと思います。

男性脳(男性的な価値観)と女性脳(女性的な価値観)の違いを示すもので、
個人的に説得力を感じている「リスクとデインジャー」という理論があります。

ここでは、「子育て」を例に論を進めましょう。

女性と男性では(母性と父性では)本能的に
子育てに明確な方針の違いが出るそうです

女性の子育てはまず、「子どもは脆弱である」という
前提からスタートします。その上で、「生き残るためにはどうするか」
という生存戦略を第一に考える。

結果どうなるかというと、子どもを
「なるべく集団の中で目立たなくさせる」そうです。
周りと同じことをさせ、集団の中に敢えて埋没させる。

これがなぜ生存戦略上有利か。
サバンナのシマウマの群れを例に取ります。

シマウマの群れの中になんの特徴もないシマウマとして
存在していれば、たとえばライオンなどの猛獣に襲われたとき、
死ぬ確率は十頭の群れなら十分の一、百頭の群れなら百分の一になるからです。

群れの中に存在して日々暮らしながら、
この群れが外敵に襲われ非常事態が訪れたとき、一体どうなるか。
こうした危険を常に考え続けているのが女性の生存戦略なのだそうな。

これに対して父親の子育てとは、
同じく「子どもは弱い」という前提からスタートするものの、
「いかに集団の中で抜きん出るか(強くなるか)」を目指します。

群れの中で埋没することを良しとせず、如何に優位に立ち、
群れのリーダーシップを取るか。群れの中の優位が
有利な生存につながるという発想なのですね。まさに闘争本能。

しかしこの生存戦略は、通常時は確かに優位に働くものの、
猛獣のような「外敵」が現れたときに負の方向に作用します。

シマウマの群れの中にただ一匹、
目立つサラブレッドがいたらどうなるか。
猛獣が狙うのはどのターゲットか、火を見るよりも明らかです。

何が言いたいかというと、女性というのは常に
群れというシステム・ルールの中に存在しながら

「この群れ(システム)が崩壊したとき(猛獣に襲われる等)、
 一体どうしたら有利に生き残ることができるか」

という所謂『最悪の事態』を想定しているのです。
こうした予測不可能な危険性のことを
デインジャー(danger)と言います。

一方の男性は群れの中、
システム・ルールの中での闘いには非常に敏感です。

これをしたら不利になるとか、
ある程度予測可能な危険性(リスク:risk)には女性以上に気を配る。
しかし一方で、デインジャーをまったく想定しない。

同類が争うシステムの中での競争には気をやっても、
システムそのものが崩壊することは考えもしない。
これが男性的マインドの特徴だそうな。

こんな「リスクとデインジャー」という考え方からみると、
今回の原発に対する対応は、ちょっと面白いと思いませんか。

男性と指導者たちは現行の経済競争に囚われ、
「いかに電力を安定供給し、国際競争に打ち勝つか」に夢中となり、
エネルギーという「枠組み」自体の崩壊を見抜いた女性指導者は、いち早く舵を切る…。

メルケル首相の決断が
こうしたマインドに拠るものかは測りかねますが、
もし彼女が女性として『デインジャー』を想定した決断を下していたら…。

「あの時が、女性指導者が著しい力を発揮した歴史の転換点だった」

そう言われる日が、ひょっとしたらくるのかもしれませんね。
そんな僕は、まだ原発に夢を抱いていたりするのですが(苦笑)。
ああ、男性マインド。

それでは、また来週。

01:18 | syun | 独・メルケル首相の決断から考える男女の価値観 はコメントを受け付けていません
2011/05/25

前回に引き続き、財源関連のお話し。
復興財源に関連して、

「子ども手当をやめれば、5兆円の財源が捻出できる」

という内容に前回触れました。

しかしながらこの子ども手当、本コラムの(一応のw)テーマである女性の社会進出や
少子化対策にも関わる重要な部分でして、もう少し詳しく掘り下げたいと思います。

「子どもは社会で育てるもの」

という理念を持って作られたこの民主党の目玉施策。
この理念はたいそう素晴らしいものだと思います。

しかしこの子ども手当、なぜここまで評判が悪かったのか。
(というより、まだ廃止されたわけではないので現在進行形なのですが)

僕は大きく、以下の3つに大別されると思います。

1.対象者が不適格
→所得制限がない、外国人も支給対象

2.現金支給である

3.財源がない

1に関しては、散々関係各所で叩かれていました。
高所得者へも一律支給するのは、バラマキではないか?
(政府のもつ重要な役割の一つは「資源の再配分」です)

また、「子どもは(日本?)社会で育てるもの」と言いながら
母国に子どもを残してきた外国人にも支給されますし、
その支給条件はかなり曖昧です。

ただ、この問題点は自公政権時代の
「児童手当」のころから共通の問題で、今に始まったことではありません。

ゆえにオトキタが特に問題視しているのは2と3の項目になります。

2.現金支給である

実は子ども手当のような政策は、先進国ならどこでも行われている
「当たり前のこと」です。ではなぜ、日本では『バラマキ』と批判されるのか?
それは、使用用途の定められていない、現金で支給する部分が問題なのです。

他国で多く導入されているのが「バウチャー制」と呼ばれるものです。

これは現金ではなく、用途を限定したクーポン券を配布するイメージです。
例えば子ども手当なら、教育や養育に限ったものに使用用途が限定されています。
学習塾の月謝や学芸品の購入のみに使えるなど、ルールが設定されているのです。

現金で支給してしまえば、それが必ず子どものために使われるとは限りません。
むしろ、目先の生活費に消えていく可能性の方が相当高いと思われます。

「手当を支給することにより、時代の社会を担う
 子どもの成長及び発達に資することを目的とする」

とうたうのであれば、使用用途はそれに限ったものに
限定するのが政策の筋というものではないでしょうか。

3.財源がない

そして、またここに行き着きます。

子ども手当の支給にあたり、政府は扶養控除と配偶者控除を廃止しましたが
これで得られる財源は1.5兆程度。現在の半額支給ですら2.6兆円が必要なのに
その額にすら1兆円届きません。

「予算の組み換えにより、国債の発行なしにマニフェストを実現する」

とぶちあげていた民主党政権が出した結論は、
過去最高額の国債発行でした。

このコラムでも何度も書くように、
国債は

将来世代へのツケの先送り

です。次世代を担う子どものために行う政策が
その子どもたちへの膨大な借金を作り上げているのです。
何か、大きな矛盾を感じませんか?

自民党参議院議員の佐藤さん(ヒゲの隊長)がとある中学校で
中学生に子ども手当について話したところ、こんな答えが返ってきたそうです。

「ちっとも嬉しくないや。もらえるのはお父さんお母さんで、僕たちじゃない。
 それにそのお金は、将来僕たちが返す借金なんでしょう?ちっとも意味がないじゃないですか

このセリフにまさに、子ども手当の問題すべてが凝縮されていると思います。

結局のところ、この国の多くの問題は
こうした世代間格差の問題に行き着くことが多いのです。
声なき子どもや若者の声は抹殺され、ツケは未来に回されていく。

「子ども手当」も少子化対策の名のもと、現金支給を行うのであれば
単なる子育て有権者世代への優遇策なのではないか…とも邪知してしまいます。
本当に子どもに投資される仕組み作りは、本気になればいくらでもできるはずです。

目先の有権者のみを厚遇し、子どもたちや10代20代を軽視する政権運営。
このままでは若者が力を発揮する国も、女性が活躍できる社会にもなりません。

マイノリティの声を届けるため、一人でも多くの若者や
女性の議員を国会へと送り込むこと。それがいま我々ができる唯一の処方箋なのかもしれませんね。

若手政治家候補の応援、どうぞ宜しくお願い致します(笑)。

02:46 | syun | 「子ども手当」の何が問題だったのか? はコメントを受け付けていません
2011/05/16

2次補正の編成、8月以降になる可能性 首相が示唆

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105160136.html

震災から二ヶ月以上が経ちましたが、
いまだに復興へのロードマップは見えてきません。
復興への道筋は、まず「予算」を固めることが必要不可欠です。

では、復興にかかる財源をどのように確保するか。
にわかに消費税増税が現実味を帯びてきているものの、
反対意見も根強くまだまだ議論は収束の気配を見せません。

今日はこの復興財源について、私見を述べてみたいと思います。

結論から申し上げると、僕はこのタイミングで
消費税を増税して復興に当てるべきであると考えています。
(それだけで足りない分は、ある程度の国債発行も必要になりますが)

これは僕の中で、セカンド・ベストな選択肢です。
もちろん、増税に頼らず復興財源を捻出できれば、
それに越したことはありません。

僕がわりと好きな経済学者の竹中平蔵さんなんかも
増税には強行に反対しています。

「古今東西、不況時に増税して財政再建に成功した国はない

と。
これは歴史的事実であり、
また今後もその可能性はかなり高いと僕自身思います。

消費税で確保できる財源は、1%アップで年間約1.1兆円。
5%のアップで年間約5.5兆円の税収アップが見込めます。

しかし、財源を確保する方法は他にもあります。
簡単な話し、歳出(支出)を抑えればよいのです。

現在、公務員の給与は年間およそ27兆円と言われています。
これを民主党がマニフェスト通りに2割削減を実施すれば
年間5.4兆円、ほぼ消費税5%アップに等しい財源が確保できるのです。

また、民主党の目玉政策(笑)の「子ども手当」ですが、
こちらに必要な財源も年間で約5兆円強と見積もられています。
この施策を取りやめることができれば、同じく増税に等しい効果が見込めます。

つまり、即時消費税を上げなくても、
それと同じだけの財源はすぐに確保できるのです。
この点、竹中さんの意見はまったくもって正しいと思います。

ただですね…それでも僕が即時
消費税増税を主張するのは何故か。

僕が最も恐れている「ワーストケース」があります。
それは、

『増税の前にやれることがある』といって増税を回避するも、
 結局有効な手立てが打てずに国債増発で先送り

という事態です。

以前にも書いたように、国債の発行は
将来世代へのツケの先送り」です。
これを許すと、世代間格差はますます拡大してしまう。

例え増税で不況が長引くリスクがあっても、
僕は「今すぐ」「痛みを全員で分かち合う」べきだと思っています。

高齢世代、団塊の世代のみが逃げ切り、
若者にツケを回すような事態だけは許したくない…。
また世代間格差の拡大こそが、不況の主な原因であるという学説もあります。

その点、消費税アップは比較的若者に有利な税施策です。
(逆に法人税・所得税のアップは若者世代に不利なので論外)

現在の政権に、上に述べたようなドラスティックな
歳出抑制政策を実施する能力は、はっきり言ってないと思います。

マニフェストで高らかにうたっていた「公務員人件費の二割削減」を
「震災復興のために一割削減」と根拠も状況も違う中で矮小化する政権に、
年間5兆円もの財源を捻出する調整力が期待できるはずがないのです。

少々ネガティブな理由にはなりますが、迅速に消費税アップを決議し、
それを前提に一刻も早い被災地の復旧、不況からの脱出を目指す。

それが今一番現実的な日本の選択であると、僕は思っています。
皆さんは、いかがですか?

…あー、衆議院選挙まだかなぁ。(これが一番の本心。笑)

06:04 | syun | 増税?国債発行?どうする、復興財源 はコメントを受け付けていません
2011/05/09

少し更新が空いてしまいました。
どーもオトキタです。

更新をさぼった言い訳(!)としては
GW中は宮城県石巻市にボランティア活動に行っておりまして。
まるっと10日間ほど家を空けてしまっていたわけです。

被災地のことも色々と書きたいのですが、
コラムテーマと若干ズレてしまいますので
そちらは個人ブログの方で近々書いていきたいと思ってます。

さて本題。

ボランティアのキャンプサイトにいて
新聞もテレビも見れないうちに、なにやら世間で
重大な政治的動きがあったようで。そう、

「菅首相による、浜岡原発停止要請」

です。

原発に関する賛否はとりあえず置いておくとして、
僕が思うこの政治的動きの良い面、悪い面をあげたいと思います。

まず良い点。

菅直人が首相になっておそらく初めて
「政治的決断」と言える行動を起こしたこと。

これに尽きます。

メリット・デメリット双方があって正解がない中で、
決定を下していくのがリーダーであり、それが「政治」です。

まさに渦中の問題に対して、日本国の宰相がここまで大きな決断を下したことは
小泉の郵政民営化以来のトピックと言えるのではないでしょうか(言い過ぎ?)

こうした決断は世間の政治への意識を喚起し、議論を呼ぶことにもなるので、
プロセスはどうあれ大きな決断をしたことは率直に評価したいと思っています。

しかしながら、悪い点の方が目立つことは事実でしょう。
続いてその悪い点。

閣議決定などの法的な手続きを取らず、
首相「要請」という、実にあいまいな形を取ったこと。

これが今回の決断を「英断」から程遠いものにしてしまっています。

「要請」はあくまで「首相個人の意見表明」です。
民間企業である中部電力に、従う義務は法的にはありません。
ぶっちゃけていえば、単なる圧力。

極端な話し、こんな首相個人の圧力がまかり通るなら
国がその気になれば民間企業などたやすく潰せてしまうということです。

中部電力が浜岡原発を止めることで被る不利益は
2500億円とも言われています(停止に関わるコスト、火力発電の燃料費など)。
また、浜岡原発に勤務する社員たちの雇用も問題となります。

中部電力は「株式会社」ですから、その利益によって
株主たちに配当などを行っています。原発停止による業績悪化は自明ですので、
株主たちから訴訟を起こされるリスクも大いにありえます。
実際、本日午前に中部電力は11年振りとなる安値をつけたようです。

こうした中部電力が被る不利益に対しても、
政府は補償をする義務はありません。単なる「要請」ですからね。
補償するニュアンスも匂わせてはいますが、所詮はそれも口約束…。

そして本日、中部電力がこの「要請」を受け入れる決断を表明しました。
行政手続をすっ飛ばして、民間企業に政府が事実上の命令をする前例が誕生したのです。

中部電力の業績悪化は確実で、おそらくその補償もされると思います。
「政府の補償」というとなにか別世界な感じがしますが、端的に言って
これは我々が納めている「税金」です。

民主的な、法治国家としてのプロセスに乗っ取らず行われた政治的決断に、
我々の税金が湯水のように投下されていく…果たしてこれを、まかり通して良いのでしょうか。

進原発、反原発という観点からのみ今回の流れを議論する向きもありますが、
今回の『要請』が政治や行政に与えた影響を、もう一度よく考えてみるのも
我々有権者たちの義務かと思いますが、いかがなものでしょう。

そして原発と復興の問題に目処が立ったら、
きっちり解散して民意を問うて下さいね、菅首相!

10:38 | syun | 浜岡原発停止「要請」について はコメントを受け付けていません
2011/04/27

統一地方選挙が終わり、生活も落ち着きを取り戻してきました。

今回の選挙を見ていて、また実際に
選挙活動に携わっていて思ったことをつらつらと。

そういえば「女性主導の世界」なんてサブタイトルがついているのに
まったくそれらしいことに触れていないので(苦笑)、今回は子育て支援策について。

これまでは、地方議員の公約というと
もっぱら「福祉」が中心でした。理由は簡単。

投票者のほとんどが高齢者だからです。
前々回の記事に、いかに若者に比べて高齢者の
投票率が高いかを書きました。それゆえ、当然政治家はそこを重視する。

ですが、昨今の世論の流れもあり、最近は福祉の一環として
「子育て支援」を掲げる候補がだいぶ増えました。ある調査によると、
10年前に比べて3倍程度になったとか…(ソースがどこか忘れました。すいません)

子育て支援は女性や若者に直結する施策なので、
それを訴える候補が増えることは良いことです。
ですが、今回の選挙なんかでも良く見てみると、子育て支援を訴えるのは

・女性の候補者
・実際に子育てをしている「子育て現役世代」の候補者

ほとんどこのどちらかなんですね。

何が言いたいかというと、
子育て支援に関してはなぜか

実際に当事者でもない奴がウダウダ言うな

的な空気がまだまだある気がするんですよ。
僕なんかも子育て支援には強い興味があるのですが、
そういう政策について論議すると

「君はまだ独身?じゃあ早く家庭を作って、経験しないとねー」

と諌められることが大半です。
ちょっと待ってくれと。

確かに、経験することは大事です。しかしですよ。
この「当事者だからこそ言える」という論理に拘泥する限り、
所詮は当事者同士の馴れ合いにしかならないのではないでしょうか。

実際、なぜ声高に叫ばれている子育て支援が
なかなか改善・進行しないのかと言うと、当事者以外の人々が無関心だからです。
つまり、当事者以外の人間を巻き込んでいかなければならない。

それには、「当事者ではない候補」こそが子育て支援を訴え、
当事者でない人々を納得させる論理と言葉で語ることが大切なのではないでしょうか。

以上、結婚の予定もなく、ましてや子どもなんて夢のまた夢の
モテない独身男性の遠吠えでしたー。子育てがんばるぞー…(遠い目)

12:55 | syun | 地方選挙から見る「子育て支援」 はコメントを受け付けていません
2011/04/21

遅々として進まぬ震災の財源論ですが、
ようやくこの頃

「大枠は消費税で」
「いや反対だ!」「条件をつけろ!」

と少しだけ具体的な議論が出てきました。
そんな中、ひっそりと年金改革については

「年金受給金額の引き上げは『中長期的な課題』」

として、先送りが早々に決定したようです。
(4月20日 日経朝刊)

人類史上、前代未聞の超少子高齢化社会に突入することが
確実視されている我が日本国において、破綻が目に見えている
年金システムの抜本的改革は、この後に及んでもまったく進展を見せません。

確かに年金受給年齢の引き上げは、
単純に高齢者の負担増になるのでなかなか難しい問題です。
年齢を引き上げるのであれば、定年を延長とセットにする必要があります。
(長く働いてもらえれば、年金もらえる金額が遅くなってもOKでしょ?という考えです。ざっくりと)

ところが、いま企業では働き盛りを過ぎ
コンピューターも英語も苦手、という50代社員の多くが

「早く定年してくれないかな…」

という目で見られているのも事実。
であれば、定年延長は結局

解雇規制の緩和

なくしては不可能なわけです(働きに応じた減給も必要でしょう)。

…はい、左側の方から、非難の大合唱が聞こえてきそうですね。
「雇用を守れ!」「大企業の横暴を許すな!」ってとこでしょうか。

では、年金制度を抜本的に変えるのはどうでしょう。
現行は、いま税金を納めている若者が引退した老人を支える「賦課方式」。
これを「積立式」に大転換すれば、もう少し年金制度は維持できそうです。

しかしこれには、行政が国民一人一人に「個人口座」を作成し、管理する必要があります。

…おや、また大きな声がするようです。
「国民総背番号制だ!」「国家による個人の管理だ!人権侵害だ!」

この流れは今に始まったことではありません。

「逃げ切れる世代」が最大の政治勢力となっている現状に
マスコミや左翼勢力が乗っかって、相互に保管する形で
強固な「年金制度維持トライアングル」を作り出しているのですね。

結果、もたらされるのは財政赤字、そして「国債の発行」。
国債っていうと聞こえがいいけど、単なる「将来世代への先送り」ですからね、コレ。

消費税の増税でまかなってくれるならまだいいけど、
不足分のカバーに所得税や国民健康保険税を増やされた日には
現役世代の負担のみが雪だるま式に膨れ上がる一方です。

復興財源の確保に「年金財源の切り崩し」「年金制度への切り込み」を
唱える識者もいましたが、ほとんどマスコミに取り上げられることはありませんでした。

未曾有の事態に直面し、新たな日本のグランドデザインを描く局面にある日本。

こんな時だからこそ、未来を支える我々はもう少し、
こうした話題にも敏感でありたいですね。

と思ったあたくしでした。お粗末。

01:14 | syun | 復興財源、というけれど。。 はコメントを受け付けていません
2011/04/17

4月24日が投票日となる
統一地方選挙の後半戦が、本日スタートとなりました。

今日から一週間が「選挙戦」となり、
お馴染みの選挙カーや街頭演説の姿が見られるようになります。
(この期間以外、選挙活動はやっちゃ駄目なのですよ。念のため)

今回、僕はとある現職の市議会議員さんとご縁があり、
その方のお手伝いをしています。ってなわけで、具体的に
選挙戦初日は各候補者、どんな活動をするのでしょうか?

朝9:00頃 「抽選会」

なんの抽選かって?選挙戦が公示されている看板、ありますよね。
あれに番号が書いてあります。どこにポスターを貼ることになるか、
貼る場所を決める抽選会が朝に行われます。

「そんな、たかがポスターを貼る場所くらいどこだって…」

と思うなかれ!これがけっこう重要。

場所によって明らかに目立つ、目立たないがあるし、
上の段になると張りに行くのに脚立が必要になるし、
下の段だと貼るのは楽だけど目立たないし子どものいたずらを受けやすい…。

うーん、とっても悩ましい。
悩ましいけど、結局抽選なので考えてもどうにもなりません(笑)。

今回、僕が応援する候補者が引いたのは
真ん中の段の右はじという、かなりベストなポジション!
ちなみに抽選会は本人が行っても、代理人が行っても良いそうです。

9:00~昼頃

ポスターを貼る番号が決まると、
後援会のメンバーは複数のグループに別れて
一斉にポスターを持ってすべての看板へと散って行きます。

選挙管理委員会から予め看板の場所は知らされて
地図が渡されているものの、住宅街の入り組んだ所にある
目立たない看板などは発見するのが超大変…。

自転車で回るチーム、原付で回るチーム、車で回るチーム、根性で走る人など様々。
行く先々の看板で、色々な候補者の支援者と鉢合わせします。
おつかれさまでーす!

張り方にも戦略が出て、某◯◯党なんかは
その政党の候補者分を全部まとめて貼るからとっても効率的。
こんなところにも、政党所属のメリットがあるとは…。

無所属の人は無所属同士でアライアンス(協定)を結んで、
ポスター張りをお互い手伝ったりすることもあるようです。
2種類ポスター持って回れば、回る場所が半分で済みますからね。

だいたい、このポスター張りで午前中は終わります。
候補者本人は、街宣車で街を巡り演説などをしています。多分。
(この時間に見たことないw)

昼過ぎ~17時頃まで

後援会事務所でお昼ごはん(女性スタッフが作ってくれる、おにぎりやいなり寿司が定番)
が済むと、事務所でハガキの宛名張りになどに勤しむ事務チームと
街宣車で外回りをするチームに分かれます。

街宣車には、有名な「ウグイス嬢」の他にも
「手フリ」という役職があって、白手袋をはめてひたすら車外に手を振ります。
マクドナルドもびっくりなスマイルがコツ。

今回は特別なはからいでウグイス嬢役もやらしてもらい、
「ウグイスメン」になってみたりして…。

夕方頃、決起集会を兼ねて支援者を集めた
一番大規模な街頭演説をし、初日終了。という流れになります。

最近は夕暮れ以降の選挙活動に対して風当たりが厳しいため、
どの候補者も遅い時間の活動は避ける傾向にあるようです。

…とまあ、こんな感じの毎日が続くのが「選挙戦」です。
街頭演説のあまりの回数に、選挙戦終盤はどの候補者も
喉が枯れているのが定番の光景となります。

若者の皆さんは

「選挙の手伝いなんて、地味でやりたくねーなー」

と思ってるかと思いますが、本当に地味(苦笑)。
でもこれはこれで世の中の、また違った一面が見れて面白いものです。

明日から投票日まで、気合を入れて応援がんばるぞ!
…と言いたいところですが、サラリーマンの僕は普通にお仕事。
次またお手伝いに行けるのは土曜日となりそうです。ちーん。

皆さんも街で候補者を見かけたら、少しだけ耳を傾けて
自分の大切な一票をしっかりとした候補者に投じて下さい!
それではー。

08:51 | syun | 統一地方選挙、後半戦スタート はコメントを受け付けていません
2011/04/12

こんばんは。音喜多です。
二回目の投稿となりますが、勝手がわからず緊張しますね。。

先の日曜日に、統一地方選挙の前半戦である
都道府県知事選挙が終了致しました。

私は東京都在住ですので、今回は
東京都知事選挙について筆を取らせていただきます。

結果はみなさんご存知の通り、公約を翻して出馬した
78歳の四期目、石原慎太郎氏の当選となりました。

石原慎太郎  2,615,120票
東国原英夫  1,690,669票
わたなべ美樹 1,013,132票
小池あきら   623,913票

ただ、20代、30代の若者層の間では
東国原氏への支持の方が高く、40代でも互角の闘いでした。
それなのに、結果は100万票の大差がつく石原氏の圧勝。

これの意味するところは何か。

若者が選挙に行かなかったのです。

こうした「近頃の若者は選挙に行かない」議論があがると、
当の若者たちからこんな反論が出ます。

「絶対数として、年配層の方が多いから無理」
「数が少ない若者が頑張ったって、結果は変わらない」

確かに、少子高齢化が著しく進む日本全体で見れば
一見このロジックは正しいように思えます。

しかし、日本中から夢を持った若者が集まる街、
東京ではこの事実は当てはまりません!

東京都の有権者数(人数/シェア)

20代 165万人(15%)
30代 218万人(21%)
40代 187万人(18%)
50代 147万人(14%)
60代 164万人(15%)
70以上 181万人(17%)

一番の多いのは30代。
20代の数だって、50代、60代に負けていません。

しかしながら、実際に投票した
「有効投票数」となると、こうなります。

本都知事選の世代別有効投票数(人数/シェア)

20代 55万人(9%)
30代 95万人(17%)
40代 102万人(18%)
50代 92万人(16%)
60代 119万人(20%)
70以上 119万人(20%)

なんと、

20代は100万人以上が投票を放棄、投票率は約30%です。
30代も半数以上が選挙に行っていません。

人数比では互角の闘いだったはずが、
有効投票数であっさり50代以上に水を空けられてしまっているのです。

このデータから見れば、少なくとも東京に関して言えば
「老人が多いから、選挙に行ったって無駄」という理屈は
破綻していることが一目瞭然です。

選挙の度に何も変わらず失望し、政治不信になってしまった…
そんな若者が数多くいることも確かです。しかし、だからといって
投票を放棄する行為は「天に唾する」に等しいことだと思います。

「若者は、どうせ選挙に来ない」とタカをくくられれば
ますます高齢者主体の政策が採用され、進んでいきます。

「投票が無駄」ということはありえません。
若者の投票率が上がることそれ自体が、
政策の意思決定に少なからず影響を与えるのです。

24日は、市議会・区議会議員選挙があります。
(もちろん、若者に限りませんが)一人でも多くの方が
選挙権を行使して政治に意見表明することを、強く願ってやみません。

08:42 | syun | 4/10 東京都知事選挙 -リベンジせよ、若者- はコメントを受け付けていません
2011/04/10

みなさま、はじめまして。
音喜多 駿(オトキタシュン)と申します。

1983年生まれの27歳、東京育ち東京生まれ。
現在は、外資化粧品を扱う企業に務める一介のサラリーマンです。
しかしながら、近い将来の目標はズバリ「政治家」。

ご縁があって、今日からこちらで「政治」をテーマにした
コラムを連載させていただくことになりました。

若者の「政治離れ」が叫ばれて久しい昨今、
皆さまの中にも「政治に関心がある」という方は少ないと思います。
政治家が話題になるのは、「政治とカネ」でのみ…それが普通です。

まして若者で、「政治家になりたい!」なんて思う人は少数です。
度重なる不祥事から政治不信は拭いがたく、政治家への尊敬は皆無。
お金を稼ぐなら、もっと効率が良い職業がたくさんあります。
賢い若者ほど、政治の世界から遠ざかる一方なのです。

それでも、政治は社会にとって必要不可欠な、大切なものだと思います。
政治の力なくして、複雑な近代国家を運営することは不可能です。

このコラムでは、そんな「政治」という話題やその世界の中を
一般の方にも興味を持っていただけるよう楽しく、しかしながら
中身濃く紹介していければと思っています。

また冒頭で述べた通り、僕は政治家志望です。
いずれ、政界に入りたいと強く望んでいます。

しかしながら、今は普通のサラリーマン。
親族に政治家もいなければ、お金もありません。出身も東京です。
所謂「地盤、看板、鞄」が何もない状態なのです。

そんな人間が、どのように政治の世界に挑戦していくのか。
その様子も、このコラムを通じて見守っていただければと考えています。
(挫折、という結末が大いにありうる気もしますが。苦笑)

さて一回目の今日は、自分がなぜ政治の世界を志すようになったのか、
その理由の一端を少しだけお話させていただきたいと思います。

大学時代、僕は政治経済学を専攻していました。
若者であれば多かれ少なかれ、社会に対して問題意識を持ちます。
「このままではダメだ」「社会を変えたい、良くしたい!」

そこで僕がもっとも着目したのは、「女性」の力でした。
卒業論文で歴史上のあらゆる政権を調べるうちに、本当の意味で
「女性」が政権を取って運営した社会は一つもないことに気づいたのです。

これは、大きな損失じゃないのか。
人類はまだ半分の可能性を、丸々眠らせているんじゃないか。

この世界がゆっくりと破綻に向かっていることを、誰もが感じています。
終わらない戦争、行き過ぎた経済競争、広がる格差、環境汚染…

こうした状況は、根源的に好戦的で競争意欲の高い
「男性的なマインド」が作り出したものじゃないのか。
慈しみ、育てる「女性的な価値観」がもう少し、必要ではないのか。
(男女の性差的なお話は難しいのですが、ここではあえて単純化させて下さい)

こう思ったのがきっかけで、政治学からさらに
ジェンダーやフェミニズムにも興味を持ち、勉強を進めていきました。

結果、僕は女性の社会進出が必要であると確信しています。
特に日本では、政治の世界でも企業でも、活躍する女性が圧倒的に少ない。
(マスコミなんて、女性の取締役がほとんどいない異常な世界です)

これを現在の、男性が作り出した枠組み(資本主義)の中で
改善していくのは難しいことです。企業にいくら働きかけても
女性の社会進出はなかなか進みません。

ですから僕は、「政治」側からのアプローチがどうしても必要だと思うのです。
政治家の一番の仕事は「法律をつくること」です。それはすなわち、
「社会の枠組みを変えること」に他なりません。

女性が女性らしく力を発揮できる社会を創りたい。
そして、女性が本当にイニシアティブを取って政権運営する社会がみたい。
それが僕の、生涯における政治目標です。

子育て支援や男女共同参画を声高に叫ぶ女性議員はたくさんいます。
しかしながら、そうした政策をメインにすえる男性議員はほとんどいません。
(こうした施策は、票やお金になりづらいのが現状なのです)

できる限り女性サイドにたち、積極的に女性に権限委譲していく。
パラダイムシフト実現のためには、そんな男性政治家が必ず必要です。
そういう存在に、僕はなりたい。

いま自分は、そんな政治の世界とは程遠い
化粧品の会社でサラリーマンをやっています。
一見無関係に見えますが、実は少し関係があって(笑)。

女性社会実現のために、女性が力を持っている組織を見てみたい。
女性の管理職が多く、女性が意思決定をしている業界って、どこだろう?

そんな理由もあって、初めての就職先を化粧品の会社に決めました。
社員の9割が女性の組織にいることは、毎日が勉強なのです。

男女共同参画を推進する学者さんたちと、
実際に働く女性たちの意識にいかに、乖離があるか。

そんな事実もまざまざと思い知らされる日々です。
こうしたことも、差し支えない範囲で今後、書いていければと思います。

少し長くなってしまいましたが
最後までお読みいただいた方々、ありがとうございます。

今後は自分のこと、日本のこと、社会のこと、世界のこと、
幅広く「政治」に関わるコラムを発信していきたいと思います。

人の数だけ考えがあり、明確な答えはないのが「政治」です。
敏感な分野ですので、公平・客観的な視点で書いていきたいと
心がけておりますが、色々な議論の叩き台として受け止めていただければ幸いです。

それでは末永く、宜しくお願い致します。

オトキタシュン

11:45 | syun | 自己紹介 はコメントを受け付けていません

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