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2010/03/20

慶應病院の内科研究室をやめて、スポーツ医学研究センターの仕事が始 まりました。
仕事の大きな柱はライフスタイルマネージメントの研究と実践、そして大学体育会へのサポートです。
まずライフスタイルマネージメントは世の中 が骨粗鬆症ブームになったので、骨代謝の知識を活かし、ライフスタイルすなわち栄養や休養や運動がどう骨粗鬆症とかかわるのかを徹底的に勉強しました。
世 の中では運動の分野に骨代謝の知識はあまりなく、一方骨代謝野中に運動や生活の知識も乏しいというのが現状でした。
わたしの勉強はすぐに実り出し、骨粗鬆 症の分野における運動の一人者の1人に数年でなることができました。学会で発表したり、論文を書きまくってました。このころ「コツコツ体操」などというも のも編み出したりそれは楽しい毎日でした。日本骨代謝学会、骨粗鬆学会、臨床スポーツ学会、日本体力医学学会、そしてアメリカの骨代謝とスポーツの学会で も年に2回は渡米して発表していました。

勉強すればするほど運動の効用っていうのはすばらしいと感じます。中でも私が着目していたのは、骨密度を増やすた めの運動ではなく、骨折の起点となる転倒の予防です。転ばなくする薬はないからです。柔軟性の低下、筋力の低下、そしてバランスの低下が転倒のリスクを高 めます。これらの低下をまんべんなく抑えることができるのが運動ということになります。

この頃、運動といってもphysical fitnessとphysical activityというのがあるというこ とを学んだことが印象的です。スポーツやメニュー・プログラム、体力などをphysical fitnessと表現しています。スポー ツクラブに行って、physical fitnessがどんなに高くても、スポーツクラブへは車で行き、2Fへはエレベー ターで行くような人は逆にphysical activityが低いのです。

一方で、運動なんかしてないよというヒトでも家の掃除で家じゅうを動 き、庭の草むしりをしたり、毎日買い物で1時間以上歩いている人は実はphysical activityが高く健康だったりしま す。
生活習慣病における運動の役割はもちろん、運動やスポーツに関する勉強を本当によくやった時期でもあります。

慶應大学の日吉キャンパスは銀杏並木があって、その美しい景色の中で 病院で病人ばかりに触れていた頃から、北里研究所病院の外来は少しあるものの、運動についての勉強に勤しむ若返って時代でもありました。さらには体育会へ のサポートにも没頭していたのもこの頃です。その話を次回はしたいと思います。

11:00 | tsuji | ■スポーツ研究センター時代 その1(辻秀一物語第 9回) はコメントを受け付けていません
2010/02/28

Webメントレ
このコーナーは、読者やJunkStageメンバーからのご相談に対して、
スポーツドクターである辻秀一が回答をしていく連載です。————————————————————————————————————–

今回の質問者:読者・30代男性
いわれのない中傷には、どう対応すれば良い?

「辻先生こんにちは。
いつも連載楽しく拝見しております。
今日は先生にアドバイスをお願いしたく、ご相談させていただきました。
いわれのない中傷に対し、どのように対応すべきだと思いますか?
僕はフリーで働いているんですが、元彼女から執拗な嫌がらせを受けて困っています。
具体的には僕の仕事についての中傷をSNS等で一方的に書いたり、僕の仕事の関係者
に自分から接触して僕が過去に彼女に対し暴行したなどの嘘をついたりしているよう
なのです。僕はそれを仕事先のスタッフから聞いたのですが、全くのウソなのに信頼を
回復するのが難しいとまで言われました。
彼女は付き合っているときは僕の仕事を尊重してくれましたし、彼女の結婚で円満に
別れた後は特に連絡も取っておらず、なぜいまさらそのような中傷を受けているのかも
理解できません。また、フリーでは信頼が命なので、どのように対処したらいいのか
考えあぐねています。
互いに家庭もあるので法的な措置に訴えたくないのですが、この場合、どのように
対応すべきでしょうか?
先生のアドバイスをお待ちしています。(30代男性)」
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回答:辻秀一より
起こってしまったことについては、心の中まで持ち込まないようにする

質問ありがとうございます。
これはわたしの専門ではないですね。中傷を続ける彼女にどう対処するのかの相談は弁護士さんの仕事です。わたしはそんな状況で自分がどうフローにいればいいのかというご質問なら答えられるのですが・・・。申し訳ないのですが、明きらかにわたしの専門外になります。
しかし、誰でもがこのような目に会えば、きっと心は苦しいと思います。わたしもその例外ではないと思います。わたしの立場でお答えできるとすれば、こうなったときにも自分が心のためにどうするかぐらいですね。
まず彼女に彼女の行動で自分が困っている、悲しい、途方に暮れていると彼女の行動を非難するのではなく、自分の感情と気持ちだけを伝えます。また基本的には誹謗中傷している人に必ず返ってくるしそうしている人の影響は結局真実でなければ消えると信じます。自分がいまどう生きるかを問われていると考え誠実に今まで通り生きるしかないのではないでしょうか?
彼女の言動に一喜一憂するのではなく、自分が信じていることを淡々と行えばいいのではないでしょうか?そのような中傷に影響を受ける人は所詮そういうひとだということです。そんな人は結局あなたの人生にははじめからプラスになるような人ではないと思います。起こった出来事で変えられないものはウォッシュアウトという、心の中まで持ち込まずの思考で対処していきましょう。自分のすることにだけ全力で意識を傾け続けるしかありませんね。

11:00 | tsuji | 【Webメントレvol.11】「いわれのない中傷には、どう対応すれば良い?」 はコメントを受け付けていません
2010/02/09

Webメントレ
このコーナーは、読者やJunkStageメンバーからのご相談に対して、
スポーツドクターである辻秀一が回答をしていく連載です。————————————————————————————————————–

今回の質問者:読者・28歳OL
お客様の望みを聞きとるには?

「いつもコラムを楽しく拝読しています。
最近悩みがあって、先生に解決のヒントがあればと思いお伺いしました。

わたしは法律事務所に勤務する28歳のOLです。
扱う業務柄、お客様は年上の方が多く、ご自分でも最初何を依頼すべきか迷われながら
来所される方が多いのですが、そうした方々のお話を伺うには短時間でお客様の一番の
欲求を感じ取る必要があると痛切に感じています。
コミュニケーションについて書かれた本を読んだり、お客様一人ひとりのお話をもっと
聞こうとも試みましたが、お客さまの数が多く十分な時間を取るのは難しい状況です。
短時間でお客様の一番の望みを聞きとるには、どのような点に気をつければよいと
思われますか?
お客様に満足のいく仕事ができるよう、アドバイスをお願いいたします。」
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回答:辻秀一より
お互いがフローな心の状態になるよう、相手を受け入れる意思を持ちましょう

質問ありがとうございます。
まず人が話しやすい状況を創り出すことです。そのための1つは愛する姿勢です。ここでいう愛とは恋愛感情のような感情ではありません。意志です。
つまり、あなたに『相手が上手くいくことを自分の喜びとする意志』があるかどうかということです。この意志を持っているかどうかを人間は例外なく相手に感じます。
まずどんな人にもこの意志を持つことからはじまりです。これがあればお客様は話してくださるはずです。
そして、お客様がどんことをおっしゃっても、そこに評価や判断、ジャッジをしないことです。相手はこの評価や判断を感じ、心から話をしなくなります。あなたのすべてを受け入れますよと自分に言い聞かせてお客様と接しましょう。
その上で何でもおっしゃってくださいといってあげましょう。

自分で何をいいたいのかを整理できてない人も少なくありません。そこで、直接お客様に『一番の望みは何ですか?』『一番解決したいことは何ですか?』『一番の悩みは何ですか?』そして『一番聴いてほしいことは何ですか?』と伺うのもいいと思います。
まずはお互いがフローな心の状態になるよう接することですね。

09:30 | tsuji | 【Webメントレvol.10】「お客様の望みを聞きとるには?」 はコメントを受け付けていません

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