今年のJJFがあまりにも楽しかったので久々にブログを書きます。
去年JJFは福岡開催、
しかも同時に京都でうちに居候しているドラゴンが出演ということで、
昨年のJJFはパスをしたので2年ぶりの参戦です。
東京オリンピックの開催の影響で使える体育館が少し狭くなり、
その影響でイベントにフルで参加できる人数が限定されてしまいました。
僕は運よくキャンセルで空いた枠に滑り込むことができましたが、
最初の予約戦争に敗れたときに「んー、もうJJFはいいかなー」と思っていた自分に
金ダライを落としたい気持ちでいっぱいです。
色々あったようですが、開催までこぎつけたスタッフの皆様にまず感謝したい。
こうしてブログを書こうと思ったのも
他でもなくJJFが楽しかったからであり、できれば2回に渡って感想を書きたいと思います。
今回の記事ではチャンピオンシップの感想を書きます。
チャンピオンシップはJJFのメインともいえるイベントです。
ここ最近は各地で色々な大会が開催されるようになりました。
学生限定であったり、地区大会を歌った大会であったり、道具別の大会が多いでしょうか。
しかし、JJFのチャンピオンシップはやはり格が違います。
各大会の覇者や過去のJJFの入賞者でさえも予選を通ることすら厳しい大会です。
ファイナリストとして舞台に立てるだけでも名誉あることです。
今年は、特に男子個人でJJFの過去の優勝者が3人。
IJA(国際大会)の優勝者、高校生大会の優勝者、そして、プロもいます。
「オールスター・オブ・オールスター」という言葉がふさわしい戦いなのではないでしょうか。
かつてやっていたように、一人ひとりの演技について感想を書いていきたいと思います。
1. 山本睦 (ボール)
まずは、女性で、しかもトスジャグリングという難しいジャンルで挑戦したことに賞賛を送りたいと思います。
一番手、会場もまだ空気ができていない中の演技ということでやりづらかったでしょうね。
そんな中でも、序盤からの7ボールを決める等、多くの大技を決めていましたね。
相当緊張したと思いますが、そんな中でも決められる技を決めていったことについてはきっと今後の自信につながるでしょう。
何しろ、ジャグリングにおいてこれ以上緊張する舞台は無いと思います。他にもいろいろな大会を経験した上で
またJJFに挑戦してみていただきたいです。
2. 間所萌 (シガーボックス)
今回全部門を通じての唯一のシガーボックスプレイヤーでした。
他の道具でも同じですが、シガーボックスは一番広い面で向かい合ったとき、
体と平行に回すか、地面と平行に回すか、体とも地面とも垂直に回すかのどれかが回転を制御しやすいです。
これを2つ以上の軸で回転させることを僕は「ムーンサルト回転」と呼びますが、
最序盤で決めた2ボックスのムーンサルト回転からのバランスをはじめ、
(というか、一番緊張しているはずのこのタイミングでこの技を決めること自体がすごい!)
多くのムーンサルト回転を含んだ技を決めていましたね!
勿論それだけでなく、5ボックスのダイヤモンド等、男性シガー使い顔負けの技をガンガンに決めていました。
しかも、ドロップしたのは最後1回だけ、しかも、2回目の挑戦で成功させていました。
世界観も出来上がっており、単に技をガンガン決めるだけではなく、緩急のついたすばらしい演技だったと思います。
3. 須田恵梨華(ディアボロ)
女性のディアボロ使いといえばこの人、須田さんを差し置くわけにはいきません。
最近はプロとして各地でパフォーマンスをしており、舞台上の動きもかつてと比べてはるかに洗練された印象を受けました。
動きが綺麗。動作の一つ一つが体の使い方が綺麗だったと思います。
技で魅せていくというよりは、ディアボロまでも表現の一部として綺麗に舞台の上を「舞って」いたと感じました。
それだけに、ドロップが演技の流れを切ってしまい、その度はっと我に帰ってしまいまして「惜しい」と言わざるを得ません。
こうコメントしておいてなんですが、ドロップ数は3回であって、男女関係なく全体で見た場合でも少ない方です。
さらに、動きの洗練されていることを考えたら、完成度の評価は相当高かったのではないかと思います。
完成度が高かったからこそドロップが目立ったということを言いたいのです。
ドロップも予定調和として演技の流れに組み込めるような魅せ方ができるようになると更にいいものができると感じます。
技術は当然国内最高クラスであって敢えて触れるまでもないでしょう。
4. 土居千夏(リング)
女性ジャグラー界隈でも一際存在感のある土井さんのパフォーマンス。僕は初めて見たと思います。
完成されているキャラクターがいいですね。女性だってこれだけ元気のあるキャラクターがいたっていいと思うのです。
笑顔が素敵でしたね。
動きがすばしっこくて、とにかく元気にステージ上を走り回っていた印象です。
リングを体に沿わせて体の正面から後ろに転がす動き、いわゆる「肩パタ」を武器として、その技を中心とした構成でした。
日本の、いや、ジャグラーの好む演技であったといえます。(無論、他の技もありましたが。)
あまり見たことのない技が多く、演技への工夫、挑戦が感じられました。
女性部門は4名の出場でした。
例によって、部門ごとの感想を書きます。
まず、女性部門一つとってみても例年以上のハイレベルな戦いだったのではと思います。
4人を比べたとき、
ドロップの少なさ、決めた技のレベルの高さから間所さんの優勝は堅いと思いましたが、
一方で2位3位は予想しづらかった。
完成度は須田さん、エンターテイメント性は土井さんに軍配が上がっていたと感じましたが、
それ以外の部分はほぼ同率だったと思います。ほとんどの審査員がこの二人を2位3位とつけていたのではないでしょうか。
たとえJJFでも、出場が常態化して常連になってくると見る目が厳しくなってきます。
そういう意味で、須田さんが割を食っているのではないかと考え、同率なら須田さんだろうと考え、
僕の予想では1位間所さん、2位須田さん、3位土居さんという順位でした。
実際は2位3位が入れ替わった順位。後述するつもりですがきっと2位3位は僅差だったと思っています。
続いてチーム部門。
5. KK Staff(スタッフ)
チームでのスタッフというのは珍しいですね。他の大会でも見たことがありません。
一人が元気のいいキャラクターで目立っていました。もう一人まで対比となるキャラクターだったらもっと面白かったと。
(例えば比較的冷静で相手の目立ち方を冷ややかに見ているとか、目立とうとするもう一方をたしなめる役とか)
演技内容も揃うところは揃い、分かれるところは分かれ、ソロのパートもある等、
大変エンターテイメント性のある演技だったと思います。
そもそもスタッフの演技というものが珍しいから、全ての技が目新しく見えるのも上手く使っていたと思いますね。
ドロップもほとんどなかったという記憶です
6. MaKUMA(ボール、矢印の書かれた板)
中部地区を代表するジャグラー、コータローさんと、我らサークル、じゃぐなぎの誇るマルチジャグラー、じゃぐたくさんのコンビ。
練習会で熱心に練習していたことも知っているので、彼らが舞台に立ったときは正直ぐっと来ました。
誰かに聞いたような気がしますが、矢印というのは舞台上においてとても強いモチーフです。
動きを表すし、向きを表すし、注目したいものを指します。
そんな矢印の板を使いながら、ボールが消える、どこかに移動する、現れるなど、マジック的演出を取り入れながら、観客を魅了しました。
全てルーチンが計算尽くされており、隙の無いパフォーマンスだったと思います。1回ドロップがあったくらい。
完成されており、どこへ出しても絶賛されそうな演技。ここで終わるのはもったいないんじゃないですかね。
チーム部門は2組。
順位は1位MaKUMA 2位KK Staff予想で、この通りでした。
自分の身内だからと多少贔屓の目があると差し引いたとしてもMaKUMAが良く、強いて言うと「難易度」が高いパートが無かったくらい。
KK Staffもすばらしかったとは思いますが、チーム部門には「チームであることを有効に利用している」というテーマがあるように思いますから、
終始「二人であること」に意味のあったMaKUMAがこの面でも上回っていたように思います。
どちらのチームも所属するサークルとしては別々のサークル、いやむしろ、別の県の出身者のペアだったとか。
それは本当に素晴らしいことと思います。いいですね、そうやって仲間が増えていくのはうらやましい。
ここからは男子個人部門です。演技順をメモって無かったので出てきた順が違うかもしれません。
7. 市川卓(ボール)
社会人ジャグリング仲間であるタカシさん。パパになってもプロや学生に混じっての出場は本当にすばらしい!
ロシアンボールを体の上に乗っけてバランスをしたり、手を使わずにそのボールの位置をずらすなど、
「この人に重力は働いているのか?」と思わせるパフォーマンスでした。
技→それを利用した大技→更なる大技→更なる大技→……
というパートがルーチン中いくつも散りばめられており、観客としては叫び続けて声が枯れるかと思った。
ジャグラーは手のひらを使わずとも観客をここまで魅了できるのかと。
表情も常にクールで統一されていてあまり観客のほうを見ない(いわゆる「第四の壁を越えない」)スタイルで統一されていました。
いやー、えぐかった。
観客としてはいきなりこれかよと。 いやでもこの後の出場者に期待してしまう演技でしたね。
8. 工藤正景(ディアボロ)
昨年JJFチャンピオン。正確無比なディアボロが持ち味です。
序盤~中盤に差し掛かるあたりで多くの上級ディアボロ使いたちが「トリ」の技に使う4ディアボロが出てくるなど、
「このあとどんな技が飛び出してくるのか!?」という期待を持たせる演技でした。
ディアボロの縦まわし(バータックス)からのトリプルピルエットなど豪快な技。そして、綺麗な姿勢。
最後までディアボロを一回も床に落とすことなくルーチンを終えました。
彼はとにかく演技中の姿勢が綺麗でキレがありますね。
身長の高さもあって全部の技が豪快に見えます。
9. 粕谷匠(フラワースティック)
IJAチャンピオンシップジュニア部門で優勝してきたばかりのフラワースティック使いです。
当たり前のように3本のフラワースティックを操っていましたね(しかもその時間がとても長い!)
2フラワーのところとかあったのですが、ピルエットやボディーロールが駆使されており、
とにかく観客が盛り上がっていました。
多少のミスも何のその(リカバリーも早い!)ひたすらノーガードで強いストレートを打ってくるタイプの演技です。
「火力型」とでもいいましょうか。
とにかく打ってくる一つ一つの技が重く、それが「決まる」ので観客のボルテージもどんどん上がりますね!
10.谷岡海人(クラブ)
ケントカイトの弟、カイトの登場です。
彼は小学校時代からやっていて、今は高校生でしょうか。そうなってくると高校生と言っても経験年数は長く、
しかも練習時間も長いですから、その技術は推察できると思います。
まず、過去の彼に比べて「うまくなったな」と。それは、技の難易度も勿論なのですが、
ジャグラーのつぼを的確についてくる、つまり、観客にあわせた演技ができるようになってきたということです。
フラットスピンやショルダースロー、リバースショルダーを武器として大技を繰り出してくるスタイルで、
しかも、演技の密度が濃かったですね。
ほとんどドロップらしいドロップはなく、そして最後は7クラブ!これは一発で決まる!
クラブの演技でドロップが少ないことがどれだけ偉大か!
構成ではまだまだ伸び代を感じますから、きっともっと上手くなるんじゃないかと思います。
11. 武倖平(ボール)
彼もJJFチャンピオンです。様々なプロの舞台に立つことで、さらに動きが洗練されてきました。
近いうちに色々な舞台で彼の名前を見ることになるでしょう。
相変わらずの技術レベルの高さに、洗練された動きも加わってますますパワーアップした印象があります。
勿論技術面でもため息のでるようなすごい技をバシバシ決めていました。
床に多くのボールを置いておいたのはどこにこぼしてもすぐに演技に戻れる配慮ですかね。
そんなところも、技術だけではなく演出面が強化され、多くの場所で経験をした結果なのでしょう。
おそらくですが、JJFの先に見据えたものもあるように思います。自分のスタイルを是非とも貫き通してください。
12. 矢口純(デビルスティック)
3人目のJJFチャンピオン。デビルスティックの使い手です。
まず、デビルスティックを当たり前のように2本回しますが、本来なら2本回すことがすごい。
それをキープしつつそこにさらなる技を加えることができるのは練習に練習を重ねた人だけです。
彼の場合は特に、1本を回しながら、もう1本の回転速度や向きを完全にコントロールできていいます。
2ルーチン目はすごいロングスパンで2デビルを回し続けながら1つ1つ技を決めてどやがおをする、というスタイルは
矢口君ならではのものだし、そう簡単に他のジャグラーが真似できるものではない、彼の到達したスタイルなんだと思います。
ミスの少なさもあるのですが、彼の場合、技をやっている間に一歩も動かない、
つまり、「おっとっと!」ということさえ無いことがすごい事です。どんだけの安定感なんだよと。
最後は1本のセンタースティックを顔でバランスしながらのデュアルデビルスティック。
手元で操る3デビルスティックが見られる日も近いかもしれません。
13. 吉川健斗(デカボール)
サーカス出身のプロパフォーマー。ちなみに僕は彼のファンです。
まず高い一輪車に乗っての始まり、そしてポールをバランスして……いきなりの5ボール!!!
そのボールもただのボールではなく通常の状態でも扱いに苦慮する大きなステージボールです。
そしてボールを3つにしてルーチンをするわけですが……
いやぁ、なんかもう感想を書くのがおこがましい。ショーの最中ずっと眩しかったです。
会場中が彼の虜になるのがよくわかりました。
特に観客をあおるわけでもないのに手拍子まで起こる!!
2008年の僕以来ではないでしょうかw(しかし手拍子が起こった状況は僕はキャラ的なものもありましたがそれとはまったく違う状況です)
吉川さんの演技を以前見ている僕からすると、多分今回の吉川さんは本調子じゃなかったと思います。
ただ、ドロップをした時もただでは起きないんですね。必ず「おいてあるボールを拾う」
ことを技としてやるんです。そこがもう、流石であると。僕もこういうところは見習っていきたいです。
正直、彼の実力は6分間では語りきれないので、彼に魅了された人は是非彼の生パフォーマンスを行ってください
もっと虜になると思います。
14. 中西隼斗(コンタクトポイ)
正直この後はつらいだろうな……と思った吉川さんの後で、どうどうとしたポイの演技を見せてくれました。
最近のポイはジャグリング的なリスクのある(つまり、落としたりすることもある)技も多く、
特に彼の操るコンタクトポイについてはその傾向が強いものです。
通常ならポイの演技というのは開始すると演技が終わるまで拍手が起こらないものなのですが、
彼の場合途中で「おお!」とざわついたり、拍手が起こったりと、難易度的にもすごい演技なんだぞということが伝わってきました。
あとはやはり動きが美しいですね。
当然のようにノードロップでしたが、リスクのある技をあれだけこなしてノードロップというのは素晴らしいです。
15. 鈴木拓弥(クラブ)
このメンバーの中オオトリというのは結構きつかったんじゃないかと思います。
まず、最後と言うのは本当にメンタルがしんどいんですよね。ほかの人の演技を全部見ての自分ですから。
(僕の持論ですが、会場があったまっていないことを除けば最初が一番気が楽でいいです。)
火力と珍しさのバランスの取れたルーチンでした。特になかなかクラブでほかの人と技の差異を出してくるというのは
なかなか難しいものがあるのですが、その部分でも妥協せず、技術面でも妥協をしない演技と言うのは
なかなかできるものではありません。
変にキャラクターを演じるのではなく、淡々と技をこなしていて、大技も多く成功させていたし、
強烈なライバルたちに隠れがちではありましたが、観客を魅了していたと思います。
最後は7クラブまで決めましたし、素晴らしいスキルを発揮していたと感じます。
男子個人部門は、今年はまた「史上最高」の戦いが繰り広げられました。
何故このすごい舞台を生で、ごく一部のジャグラーしか見ることができないのでしょう。
正直全ジャグラーに生で見てほしいし、なんなら一般客も入れてこの戦いを見てほしいです。
とあるジャグラーが、演技を見た結果「全員優勝でいい」といいました。
僕もまったく同じ感想ではありますが、日本のジャグリングがここまで発達したのも、「順位をつけてきたから」という思いもあります。
つまり、競い合うことでお互いに切磋琢磨をしてその結果毎年審査員を悩ませることに繋がっているんだと。
僕が見た直後の感想では
1位 市川さん 2位 谷岡さん 3位 粕屋さん
でした。
市川さんと粕谷さんは観客席がすごく盛り上がっていた。
カイトは単純に決めた技のレベルの高さです。
ただ、ノードロップだった工藤さん、次いで完成度の高かった矢口さんあたりは入ってもおかしくないんじゃないかと。
周囲の評判では吉川さんを推す声が多かったですが、この時の僕は「本調子じゃなかったなぁ」という印象が勝っていたので入らないのでは?と思っていました。
まあ、審査は本来ステージ上で行われたことがすべてですから、調子の良しあしなんて関係ないんですけれど。
結果は
1位 谷岡さん 2位 吉川さん 3位 矢口さん
でして。
このとき思ったのが
「まあ、今回は誰が優勝してもおかしくない大会だったから、
ルール通り審査員個人個人のつけた順位を単純に足して出た結果がこれなんだろう」
と。
後から冷静になってこの順位を分析してみると、
まず、谷岡さんの演技はほぼドロップの無い完成度の高い演技と、あとはやはり決めた技の難易度の高さがずば抜けて高かったこと。
吉川さんは観客をとりこにしたエンターテイメント性や構成力。
そして一輪車やデカボールといったこれまでJJFでジャグラーが使ってこなかった道具を使っていたという希少性が評価されているでしょう。
矢口さんはドロップがほぼなかっただけでなく、技を決めたときにほぼ動かないという意味でのとても高いレベルの完成度。その上で彼が出す独特の雰囲気はエンターテイメント性が高かったと言えます。無論、決めた技の難易度も高い。
他のかたがたもすばらしい演技だったことに間違いないのですが、
入賞したかたがたは各審査のポイントにおいて、「2つ、3つ以上のアツアツポイントがあった」ということが言えるんじゃないかと思います。
例えば市川さんなら希少性、工藤さんなら完成度など、
入賞者と競える、あるいは上回る評点もあったと思いますが、上位に進出するには一つだけでは届かないということなのではないでしょうか。
いや、しかし正直
こんな分析は後づけのこじつけにすぎません。
このハイレベルなJJFに出場してみたい人。まず、ルーチンを作りましょう。
「このルーチンは妥協をしていない俺の演技だ」と。
そういえるものを作ってみてください。
そして、その演技を撮影して自分で振り返って見ましょう。
全ての動き・技に意味はありますか?(良い構成ですか?)
観客を意識していますか? あるいは、観客をまったく意識しないのならそれでもいいです。
それが中途半端になってはいけない。
観客にアピールするならする、しないで自分の世界に閉じこもるなら閉じこもるを徹底していますか。
全国の腕利きのジャグラーが見て驚愕する技が随所に入っていますか。
それを通して何度かの練習の中でノードロップで演じきることができますか。
そして、これが一番ハードルが高いですが今年の入賞者よりすごいと思える演技ができていますか。
厳しいですが
「予選突破を目指す人」は多分予選に落ちます。何故なら同じように予選突破を目指す人が多いからです。
入賞、優勝を目指している人にこそ予選突破の報が訪れるのではないかなと思っております。
さて。
今回の話はもう少し続きます。
チャンピオンシップの翌日ですが、
JJF内のイベントでワークショップが開催されまして、「模擬審査を実際にやってみよう」というものがありました。
個人個人に審査員が使った採点表を模したシートが配られ、実際に得点をつけてみるというものです。
これがまた、審査表を前にすると順位が変わるもので、
1位が 市川さん、谷岡さん、吉川さんが同点。
次いで4位が矢口さんと粕谷さんが同点。その次が工藤さん。という順位付けになりました。
(審査は6位まで順位をつけます。)
昨日の順位付けは何だったんだよと。吉川さん入って無かったじゃんと。
まったく、その場の感情や個人的な思い入れで順位を言うもんじゃありませんね。
流石に同点で1位はまずいので、
一応あとは好みの順ということで、1位 市川さん、2位 谷岡さん、3位 吉川さんという順位に。
そして、僕はAグループの審査委員長を務めたのですが、
全員の分を集計してみるとあらびっくり。
1位 谷岡さん、2位 吉川さん、3位 矢口さんという、
前日に審査員が出した結果とまったく一緒の結果になったのでした。
ちなみに、チーム部門と女性部門も審査しましたが、
女性部門の2位と3位が逆転したところのみ違い、あとは一緒という結果になりました。
ちなみに、模擬審査はもう一つ班があり、Bグループでも審査結果を出しましたが、
そちらもAグループとまったく同じ順位となりました。
これは、僕にとっては目から鱗でした。
何が言いたいかというと、
観客席にいるみんなが、自分の思いで(しかし、公平に)ルールに従って得点をつけ、
順位をつけると、実際に審査員がつけた順位と同じになるのではないかということ。
「私はディアボロに詳しくないからしっかり評価できるかわからない」
「ポイは専門外なので」
という人の意見もひっくるめて、得点をつけてみると結果が似たものになる、
今回サンプル人数がそこまで多いとは言い切れないですが、
実際にこうも似た順位が出てしまうと、「きっとそうなる」と思わざるを得ません。
強いて言うと女子部門の2位3位が逆転しているくらいで、
上で書いたとおり、観客の立場からしても僅差だったと言えるので、
ここはしっかりと「僅差であった」ということが数字で出てきたのではないかと思います。
そういうことが発見できただけでも、
模擬審査と言うのはやってよかったと思います。
強いて言うとすれば審査が不慣れな人たちが多かったと思うので、
少し時間は多めにとっておいた方がよかったと思いますが。
Junk Stageをご覧の皆様こんばんは。
最近は全く更新していませんがジャグラーの竜半です。
何か最近どのメディアに記事を投稿しようか
右往左往中。
しかし、今年の目標と去年の振り返りは
JunkStageに書いていましたので、これは書いておきましょう。
何故か4月に書かれていますが
去年の目標と達成状況。
竜半編
・7ボール70キャッチ →達成!!!
・3ディアボロを目指す →進行中
・11月くらいに開催されるであろう社会人大会に出場を目指す →未達成
なんということでしょう。
7ボール70キャッチを達成しました。
実は、今年の11月くらいに、
大学時代に達成した74キャッチという記録を!!
おそらく12年~13年ぶりに更新し!!!!
84キャッチまで伸ばしました!!!
これはね、すごいことです!
30を超えても記録は伸びるんですよ!!
しかも、まだ伸びそうな気がします。
これは今年も記録を伸ばすしかない!!!
今年の目標竜半編
・7ボール 90キャッチ
・3ディアボロを目指す
まあ、ちょっと目指す大会は今ないかな……
7ボール90キャッチというのがとても大きな目標です。
つまり2年連続で更新しに行きます。
続いて、僕の相棒であるドラゴンの「ヒョウガ」の目標。
2016年の目標と達成状況は……
・清水みなと大道芸に出場 →達成
・大道芸ワールドカップin静岡のオン部門かフリンジ部門に出場 →達成
・ヘブンアーティスト資格を取得 →未達成(落選)
・関東と関西で1回以上の出演の機会をつくる →達成
・新しい演目を1つ以上作る →一応達成
ありがたいことに清水みなと大道芸とか大道芸ワールドカップin静岡は出場できました。
しかし、ヘブンアーティストにビデオ審査落選。
実はすでに3年連続で出場していた「うつのみや大道芸」への落選もあったりして、
最初は「物珍しさ」で呼ばれていましたが、
もう実力勝負で他のパフォーマーと勝負していかなくてはならないことを痛感しています。
関西と関東では機会を頂けまして、それぞれ1回と言わず2回はやったはずです。
新しい演目は一つできましたが定着しなかった。
定着しなかった……というかまあ、可能性だけは感じるのですが「完成しなかった」かなぁ。
もうちょっとすごい!と思われるか、抱腹絶倒なやつでないとちょっとなぁ。
逆に、一番ベースにしていたやつのリビルドを
もう一度やりたいと思います。
2017年の目標は……
・清水みなと大道芸に出場
・大道芸ワールドカップin静岡のオン部門かフリンジ部門に出場
・ヘブンアーティストの資格を取得
・関東と関西で1回以上の出演の機会を作る
・行ったことのないフェスティバルへの出場
・今の演目の見直し。新しい流れを作りたい。
すっかりと「ヒョウガ」の活動がメインになりました。
今年も何卒よろしくお願いいたします。
頑張りたいと思います。
2か月遅れとなってしまいました。
この間熊本大地震など、いろいろな出来事がありましたが、
まずはこちらを書かなければならないので取り急ぎ。
的を射ているアドバイスができていない部分もあるかもしれません。
今年はビギナー部門の感想も一緒にアップしてみました。
B1 カイン
今のシガーボックス使いを象徴する、
高さもある難易度の高いシガーボックスの技の応酬の鹿児島産シガーボックス使い。
技の難易度の高さは他のシガーボックス使いに比べても引けを取らず、
シガーボックスの大会でいい成績を残せる力は充分あると思います。
<アドバイス>
現状曲に合わせてできる技を並べただけになっており、
このままではもったいない。技を生かせる演技構成を考えてみよう。
「小技」を活かせるようになると強くなると思います。
B2 ぐっち
女性シェーカーカップ使い、まだ10カ月という短い歴でステージに立とうとする姿勢をまず評価したい。
大会では衣装も普段通りだったりする人もいますが、きちんとした格好であったのは好感が高いです。
まず、シェーカーカップと言う道具はなかなか見ることができないので、
かなり独学で頑張らないとならない道具であり、少し他の人よりハードルが高いんですよね。
ちゃんとルーチンができていることだけでも素晴らしいと思います。
<アドバイス>
今は技のバラエティをそろえていくことが大事ではないかと思います。
ただ単に難易度の高い技を成功させることを目標にするのではなく、
いかに多くの技を覚えておくか。
ぱっと見なるべく「どう違うのか」が伝わるような技を中心に覚えておくといいでしょう。
これは、大技に限らず、小技も多く。
ルーチン作りをするとき、多くの技の中から今回見せたい技を厳選できるよう、
技のバラエティは豊富にとっておくにこしたことがありません。
B3 パニーニ
ぐっちさん同様10カ月でステージに立つという姿勢を評価したい、女性ディアボロ使い。
しかも、彼女は10カ月とは思えないくらいルーチンにドロップが少なく、
また、演技の内容も周囲を見ているからか、よくできていたと思います。
<アドバイス>
どこが悪いということは無いので、全体的に強化をしていくのがいいと思います。
例えば難しい技をできるようになること。
ステージのたち振る舞いを覚えていくこと。でしょうか。
多くの演技を見て、幅広くジャグリングの見せ方を取り込んでいきましょう。
B4 サンサン
エキスパート部門で出ていたとある人が別の道具(けん玉)でビギナー部門に挑戦。
勿論ルール上は問題ありません。
流石にステージ上の動きはビギナーとは言えないくらいこなれていたか。
<アドバイス>
残念ながら、「けん玉」をジャグリングのレベルとして昇華させるには技のレベルが足りないと考えます。
ところどころ「おおっ!」という技はあったのは事実ですが、まだ技の数/難易度共に物足りない。
とはいえ、盛り上げてくれるつもりで参加していただいたのでしょうから、
そんなアドバイスを送るのも無粋かもしれませんけどね……w
B5 ヤリザP
昨年に引き続き参加してもらった沖縄県からやってきたシガーボックス使い。
ノリノリの音楽で演技してくれました。演出も努力しているなと言う印象は受けました。
それから、なかなか面白い技を多く持っていて将来性を感じます。
<アドバイス>
ルーチンの作り方について、音楽とポーズは面白かったと思います。
ただ、「できる技を並べて、ちょっとおもしろいポーズをとってみた」だけであると伝わってしまっていてもったいないです。
ルーチンを自己満足で終わらせず、お客さんの目で見てみましょう。
どうしたら観客に面白くキャラクターが伝わるか、技をやったときに拍手をもらえるかの観点で
ルーチンの構成を考えてみてください。
B6 aki
何故彼がビギナー部門なのかと、誰もが思ったであろう超絶デビルスティック使い。
審査員が全員全項目に「A」をつけているのが何よりもの証拠。
ただ、主催者の意図としては彼のような人が出たとしても他の人の審査に影響がないという目論見があったので
勿論こういう形のエントリーも歓迎です。
特にアドバイスはありませんw
安定感/技のレベルなどは間違いなく日本でもトップクラスのデビルスティック使いで、
構成も申し分ありません。
大技の練習もされているようで、その安定感が上がれば一気に今年の日本人ジャグラーの
台風の中心に来そうなくらいの実力があります。
E1 スミス
ホーム静岡県立大学ジャグリングクラブ五臓六腑のシガーボックス使い。眼鏡のスミス。
投げたシガーボックスをだるま落としの逆のような感じで間にシガーボックスをはさみこんでバランスを取るなど、
あまり見たことのない技が多く、もう少しすると日本のシガーボックスのトップクラスに次ぐくらいのレベルには
なりそうな気配もします。
<アドバイス>
本人も自覚しているようですが、立ち上がりのミスの多さが目に付いてしまいました。
(むしろ、後半立ち直ったことに関しては逆にとても凄いと思います。……僕は前半で崩れると後半もぐだぐだになるため。)
ルーチンの前半から飛ばしていくという方針でもいいっちゃいいのですが、
まずは観客と自分との間の緊張を取り除いていくところから。つまりはもっと確実性の高い技から
初めていくのが良いのではないでしょうか。
E2 ひろた
ご存知ひろたくんは今回ハットという新しい道具をひっさげ、ボール&ハットの二種目で挑戦。
IJAチャンプとなりながら、さらに上を目指す姿、見習わなくてはなりません。
相変わらず演出の「濃さ」は健在で、彼の場合はちゃんと曲のテーマに合わせてネタ(まさにネタ)を
仕組んでくるところが、いわゆる「大道芸」にも通じるところがあり、大変好感が持てます。
彼が本気になったら20分くらいのショーも一人でこなせるようになってしまうのではないでしょうか。
<アドバイス>
今回彼にしては珍しくドロップが目立ち、それは二番手で会場がまだ温まりきっていない中
観客の声援が少し少なくて調子を崩してしまったのか、照明が良くなかったのか、色々な要因があると思うのですが、
ただ、「目立った」と言ってもリカバリーが早いので、実はそこまで気にならなかったのです。
ドロップしても何かそのドロップを利用した一ネタがあったりすると余裕が生まれると思いますので、
決められたルーチンではなく、ときには大胆なアドリブを入れることができるなど、
精神的余裕があるとまた変わってくるのではないでしょうか。
E3 かとけい
珍しいスタッフ使い。ダイナミックな演技を見せてくれました。
スタッフという特殊な道具の面白さがよく伝わっていて面白い演技だったと思います。
特に、3本使った技は演技としても大きく見え、ジャグリング的にも面白く、迫力がありました。
<アドバイス>
スイング系の道具をジャグリングの観点から評価するのは難しいのですが、
同じ速度で回転させているとメリハリがきいていないように見える傾向にあると思います。
時にはゆっくり、ときにはスピードをつけて回転させるなど、演技の中に起伏をつけると変化を感じます。
勿論、スタッフを早く回転させるためにはかなりの筋力がいるはずですから、
逆に通常の速度をもう少し落とし目にするなどという工夫が必要になります。
特に2曲使っているわけですから、1曲目と2曲目では対照的な雰囲気でやってみるなど、まだ改良できる点は多いと思います。
やっているときの表情まで意識して演技に取り組んでみてください。
E4 とり☆めし
男女二人組のデビルスティッカー。終始笑顔を忘れていない演技が印象に残っています。
二人ともかわいらしいキャラクターでよかったですね。
演目内容にもとても工夫がみられ、なんとか独創性を出そうという気持ちを感じました。
<アドバイス>
舞台の上でやるというのは緊張が付き物で、やはり慣れていないとドロップがあることでしょう。
特に二人組以上の場合は、落としたときにどこからスタートするかを迷いがちで、
二人の意気を合わせるのがとても大切です。
ルーチンを「通して練習する」というのが大事で、ミスをした時のリカバリーを
ちゃんと身につけておくと精神的に余裕が生まれるのではないかと思います。
E5 おーや
静岡のディアボロ使い。この大会では、オール1ディアボロで挑戦。
まず、演技中の姿勢がきれい。さすが数々の大会をこなしてきただけのことはあります。
ステージ上でもとても余裕がうかがえ、あまり緊張せずにパフォーマンスできていたと思われます。
普段と変わらないでできたのか、ドロップが少なかった印象があります。
<アドバイス>
ディアボロ単一の大会ではなく、ジャグリングの大会で求められるのは
ジャグリング的な難易度、技の派手さなのではないかなというのが僕の意見です。
インテグラル系などの技の面白さは感じるところではあるのですが、
飛びぬけて「この人馬鹿だなぁ!!」と思わせるような技の存在があるとさらに高得点を得られるのではないでしょうか。
E6 金令木
バトントワリングの技をベースとした技が組み込まれたクラブジャグラー。
クラブを空中で跳ねさせたり地面と平行なスピンで投げるなどは普通のクラブ使いではなかなかできない技。
高度な技が光った内容と思います。
途中、髪を縛るという演出は舞台下の需要をよくわかってらっしゃると感じました(笑)
<アドバイス>
演出で髪を縛る箇所がありました。それだけだと唐突な感じがするので、もう少し面白い演出が多くても良かったと思います。
例えば、最初はスーツ+メガネとかで、スーツ脱いで演技開始→途中で眼鏡置く→途中で髪縛る
など、ストーリー性が感じられるだけでぐっとおもしろくなるのではないかと。
技の難易度は十分のものを持っていると思いますので、
あとは、こういう舞台の上でもできる機会がたくさん持てるといいなぁと感じました。
E7 井本賢
最終的に6つまでのハットを使ったハットジャグラー。
前半はほとんどミスがなく、スピーディーでかっこいい、正統派ハットの演技を披露してくれました。
演技中の姿勢がきれいで、ダイナミックに見えましたね。ステージ映えもしていました。
最後、アドリブで技を決めたところにはショーマンシップを感じました。
<アドバイス>
2曲目の演目が少し背伸びし過ぎた感があります。
それぞれがかなりの大技で、決まれば凄かったのですが、やはり決まらないことには評価ができません。
練習では決まっていたかもしれませんが、やはり、照明・当日の精神状態・体調等、
事前にはわからない情報もたくさんあるでしょうから、
「決まれば凄い」技と言うのは入れすぎないのがいいのではないかと思います。
E8 沓間 弘樹
東北からやってきた正統派トスボールジャグラー。
やった技もまさに正統派。実にスマートな演技だったと思います。
演技中の姿勢がいいのも奇術研究会の方ならではという感じがします。
舞台の使い方もうまかったですね。
<アドバイス>
照明が厳しかったでしょうか。
今回のステージ、ステージ上のありとあらゆるところから照明が来ていたため、
割と逃げ場がなくてつらかったのがあるかもしれません。
ただ、ジャグラーが舞台に立つと概して照明にやられるものです。
こういう状況で平常な演技ができるようになるためには、人前に立つ経験がとても必要。
特に、コンテストの場合、「いつもは拍手がもらえるタイミングで来ない」ということも往々にしてあります。
多くの経験を積んでくださいね。
E9 hanehituji
沖縄産の活きのいいシガーボックス使い。
まず、大技中心の構成で攻め込んでくるところが、現在でもシガーボックス界のトップクラスを走る
稲葉君のインスパイアなんだろうなと好感が持てますね。
失敗こそ確かにあったのですが、しっかりと大技を決めていました。
シガーボックスの技とは思えない高さのある技で、迫力も満点でしたね。
<アドバイス>
hanehitujiくんのシガーボックスには、2つの将来があると思います。
ルーチンとして完成度を高くしていくか、それとも難易度をさらに難しくした上で精度を上げていくかです。
ルーチンとして完成度を上げていくのだとしたら、もっと音楽を意識した作りをするといいでしょう。
ジャグリングだけでなく、音楽やダンスのことを少しかじってみても損は無いのではないでしょうか。
一方で、もし難易度をさらに難しくして精度を上げていく、いわゆる「技の暴力」を目指すのであれば、
選曲した音楽が主張しすぎです。歌詞のない曲、さらに起承転結のない曲でもいいと思います。
昨年JJF優勝のなごつき君の演技など参考になると思います。
E10 小辻太一(優勝)
現在静岡にお住まいのコツジさん。表情・動作、どれをとっても完璧なキャラクターで、
さすが多くの舞台を経験しているだけはあるなと思いました。
勿論それだけではなく、技のレベルも高く、またドロップも少なく、完成された演技。
JJF等、技術よりの大会では評価されにくいのかなと思いましたが、
じゃぐなぎ杯では審査員からも高評価を得られ、よかったです。
<アドバイス>
強いて言うとしたら、スタート30秒間くらい無音のところがありました。
これはもちろん音楽にそう入っていて、「ん?」と観客にも思わせる演出の一つだと思いますが、
流石に長すぎで音響担当も不安だったのではないでしょうかw
もう少し舞台スタッフにやさしい配慮をしていただけると主催側としては助かりますw
それ以外に何をアドバイスしろというのでしょう。
今度どこかで一緒に舞台企画してくださいw
E11 じゃぐたくさん
じゃぐなぎきってのジェネラリストであるじゃぐたくさんが今回は自分のメイン道具であるディアボロで挑戦。
1ディアメインでの出場とのことでしたが、技のバラエティの豊かさが素晴らしい。
要所要所で「おおっ」と盛り上げる演出を入れるなど、以前よりはるかに成長していて嬉しく思います。
<アドバイス>
やや安定志向が強かったと思います。リスク承知の技が1~2あっても良かったと思います。
単純にハイトスして4回縄跳びをしてキャッチとか。
ディアボロの大会ではなくジャグリングの大会であり、単純な技でもりスキーなら拍手をもらえるはずです。
概してジャグリングの大会は派手な技が多いのが好まれますから、技の独創性と合わせ、
そういう「単純に難しい」技があっても盛り上がると思います。
E12 ほーしん
中部のジャグリング公演IaK0T仲間であるほーしんさんの出場。
デュアルデビルを回しながら平気でトリックを出してしまうところあたりにレベルの高さを感じます。
キャラクターも中立を保っており、ベテランの貫録を感じました。
今後のほーしんさんの目指す道にもよるのですが、実力者だけに、是非とも注目を集めてほしいところです。
<アドバイス>
奇を衒った演出はしなくても充分技だけで色々な大会に挑んでいける実力を感じました。
が、最近のデビルスティックの技のレベルのインフレーションの中において、
大会で何かしらのインパクトを残すためにはさらなるえぐめの技か、ハイレベルな完成度が必要と感じました。
いわゆる「綺麗になりすぎない」というやつで、一発で観客の全員を「うお!」と言わせられるようなドギツイ技があるといいですね。
E13 かまなる
同じく中部ジャグリング公演IaK0T仲間であり、かなり初期のじゃぐなぎでも3位以内入賞を果たしたことのある
かまなる氏の参戦です。
コンセプトはいわゆる「ショーンスタイル」の3ボールとそれより多い数のミドルナンバーズの演技。
(※ミドルナンバーズとは僕が勝手に読んでいる言葉であり、一般的ではないと思います)
マルチで正統派なボールジャグラーを目指している姿、素晴らしいと思います。
正統派ジャグラーはどんな大会に出ても強いと思います。ぶれないで続けてほしい。
<アドバイス>
今回ややルーチンが崩れ気味だったのは「照明のせい」だと言いきってしまっていいと思います。
(それは、本当に照明がジャグリングの邪魔をしてミスをするというのも含みますが、
照明がある舞台に慣れていないという意味でもあります。)
それよりは、序盤で失敗した後の立て直し方を脳に覚えさせておいたほうがいいのかなと。
ミスが続いた場合の精神の持ち方。通常ではなかなか難しいところですが、
練習を繰り返していると、調子が悪い時にミスが出続けるということはあると思います。
そういうときこそがチャンスであり、そういう時に精神を立て直す練習をしておくとよいと思います。
E14 ハヤト
かの有名なナランハジャグリング部ハヤトさんの参戦。昨年JJFに出場し、その勢いのままじゃぐなぎ杯にも出場していただきました。
技のレベルも、演技の内容も隙がなく、語彙が少なくて申し訳ないですが「上手い。」
ドロップも少なく、ディアボロ勢が大会に慣れていることを象徴しているかのような演技だったと思います。
<アドバイス>
今回は3位入賞という結果でしたが、
さらなる上位の大会で上位の成績を目指すのであれば、さらにここから発展させていかなくてはならないと思います。
それは、技のレベルであったり、演出の派手さであったり、とにかく全体的にです。
完成しているものがあり、さらにそれを上回るものを作っていくのはとてもハードで、
特にハヤトさんのような名前が知れてしまっている人になると、本当に厳しいものです。
ですが、それがないと成長しませんよね。
(そして、これは僕も同じで、多くのジャグラーが感じていることでしょう。)
E15 丸山修平
予選ビデオを見たときに、「今年彼を色々な大会で目にすることになるだろう」と直感した人。
何年か前にじゃぐなぎ杯に出場していただいたのですが、その頃からさらに輪をかけて上手くなっていると思いました。
まずは技のレベルの高さ。
そして、技と技のつなぎのクラブの動き、一つ一つが「難易度の高い動き」をしていて
圧倒的なパフォーマンスだったと思います。
<アドバイス>
あまり多くのアドバイスはいらないなと思いますが、
強いてのアドバイスをするとしたら、ルーチン練習はビデオで撮影しておいて後でちゃんと見返し、
反省点等を都度挙げておくことかなと思います。
既に技のレベルも演技のレベルもジャグリングの大会の上位に入れる実力があると感じましたが、
ビデオで自分の演技を見返してみて、細かいところを修正していくことでまだ演技が磨けるのではないかと。
E16 八巻奈央
えぐい技を多数持つフラワースティック使い。
スティック系はこうでなくてはというくらいレベルの高い技の応酬で、見たいものを見せてくれたなと思います。
隙なく続く大技の連発が素晴らしかった。
演技にも貫禄があって、ミスをしてもあまり動じずに立て直せるメンタルの強さも素晴らしいなと思います。
<アドバイス>
奈央君の場合、アドバイスするとしたら演技の完成度に尽きると思います。
ドロップしたときにあっさり拾ってしまうので、ほとんど演技に影響はしていないと思うのですが、
(つまり、ドロップしたことに対してあまりダメージが大きくない)
やはりドロップは少ないに越したことは無いですから。
大技はとても素晴らしいので、小技のコンビネーションの練習を強化するのもいいと思います。
<総括>
優勝は3ボールの小辻太一さん、
じゃぐなぎ杯は、「キャラクターを持っていたり、独特の世界観を持っている人が強い」
という分析があるようですが、まさにその分析通りの演技が優勝しましたね。
2位の丸山さんもそうです。
ただ、この二人に関して言えば、キャラクターや世界観はもちろんのこと、完成度も高かったことが評価につながったと考えます。
今回は「ステージの上」という、これまでのじゃぐなぎ杯とは違った状態での開催となりました。
じゃぐなぎ杯という大会は、元々JJFやIJAに向けた下準備のために腕試しとして使ってほしいという理由で主催し始めた大会ですから、
この大会を経て「ステージに立つということがどういうことか」ということを
初めてステージに立つ人は実感できただろうし、
何度もステージ立っている人でも経験をさらに積めたのではないでしょうか。
(僕も、いまだにステージ上の演技と言うのはテンパります。)
<今後のじゃぐなぎ杯について思うこと>
この後はじゃぐなぎ杯の今後についての話。
じゃぐなぎ杯は審査方法と言うのは実はなんやかんやで毎回見直しをしていまして、
例えば前回まで「技術点」「演出点」「完成度」の3つそれぞれに各審査員ごとの偏差値をつけ、その偏差値を合計したものを点数とする
(つまり、平均点は150点となる)
……という方式でしたが、今回は、
「技術点」「演出点」「完成度」の3つの合計の偏差値を点数としました。(つまり平均点は50点になる)
このやり方はまあよしとして、
各カテゴリの点数の付け方について少し。
「完成度」は言わずもがな演技の「デキ」であって、この項目がない場合、できもしない技をガンガンにやり続けて
技が決まろうが決まらなかろうが「盛り上げたもん勝ち」にしないための配慮。
(実際盛り上げたもん勝ちというところは無いこともないが。)
この項目があるからこそ「リスクの大きい技を取るか」それとも「無難に決めていくか」という葛藤が生まれるわけです。
なので、この項目は外すつもりは無いです。
一方で、「技術点」「演出点」について。
舞台上でのジャグリングを競技としてみなしたとき、例えば、すべての競技者が自分がやりたい通り完璧な演技ができた
(つまり、(演出としてのドロップを除いた)ドロップが無く、姿勢のふらつきも無かった)場合、
それ以外で評価される点は2つあると思っています。
それが、「決めた技の難易度(=当然技の数が多ければ多いほど評価は高くすべき)」と、「ルーチンのセンスの良さ」の2つです。
例えば、極端な話ですが、
「ただその場に突っ立って3ボールカスケードを行うだけの演技」より、
「ただその場に突っ立って5ボールカスケードを行うだけの演技(=決めた技の難易度が高い)」や、
「最初にトランクからボールを出すところを見せて3ボールカスケードを行ってフィニッシュでポーズを決めた演技
(=ルーチンのセンスの良さが高い)」の方が評価されるべきです。
僕は前者を「技術点」として、後者を「演出点」と呼ぶことにしていましたが、
これら二つの項目は、ジャグリングが多様であることと同様に
人(審査員)の感じ方と言うのもさまざま。
とても抽象的な評価ポイントである「演出点」は勿論ですが、
「技術点」も、例えば人によって「3ボールカスケード」と「シガーボックスの中抜き」ではどちらが難しいかわからないように、
多くの技について、絶対的に評価できる人がいるとは思えません。
だからこそ、審査員と言うのは「観客の代表」であり、
本来なら観客として見に来た人から無作為に指名してその人に評価させるというのが正しいのかもしれません。
が、例えば、
「5ボールカスケードはできるけれどシガーボックスはできないから、5ボールの方がシガーボックスの中抜きより簡単!」
……というような評価をする人がいないように、
「ジャグリングの経験は豊富」で「公平な審査をしてくれそう」な人に審査員をお願いすることになります。
「技術点」と「演出点」について、
なるべく意図したとおりに評価してもらえるよう、来年から
「技術点」「演出点」という名前で無く、「技点」「ルーチン点」のような呼び方にしようかなと考え中。
3か月遅れのあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
この記事を読んでくださる皆様もいらっしゃるのでしょうか。
改めましてジャグラーの竜半です。
最近はディアボロの練習に力を入れております。
昨年7月にIJAという大変大きな大会に出てからというもの、
完全燃焼と言うやつで、もはやほとんど練習をしなくなってしまいました。
多分、練習時間よりも今はゲームをやっている時間の方が長いだろうなぁ。
まあ、目標を達成すると、その後1年くらいは充電期間と言うか、
ジャグリング的には新しいことをする気がありません。
とはいえ、今そこそこディアボロの練習が面白かったりするので、
これはしばらく続けようと思っております。
もはや4月に入ってしまい、この記事が「今年一発目」というのも情けない話ではありますが、
本来であれば1月にすべき「去年の目標の振り返り」と「今年の目標について」を
書かせていただこうと思います。
ご存じのとおり、僕は「ジャグリングドラゴンヒョウガ」のマネージャーもしているものですから
(ツッコミ無用)
毎年、「ヒョウガ」と僕「竜半」自身の2つの目標を立てることにしています。
まずは、去年の目標の振り返りから。
<ヒョウガ>
・清水みなと大道芸出場。 →達成
・大道芸ワールドカップin静岡、オン部門に申し込む。出場する(オン・オフ問わず) →達成(オフ出場)
・関東と関西で出演の機会を1回ずつ作る →達成(東京で2回。宇都宮で1回。京都で1回。)
・「浜松」「大道芸」で検索をかけた時にヒョウガ君のページが上位に表示されるようにする →多分達成
・小道具(おもにキャリー系)を強化し、運搬をもっとスムーズに行えるようにする →少し達成
清水みなと大道芸と大道芸ワールドカップin静岡には無事出場しました。
これも連続出場すればするほど狭き門になる印象があります。
「通って当然」なんてことはけしてないです。
関東も関西も運よく出場機会がありました。
特に、関西方面は、毎年とても苦戦するのですが、京都のマジックショーの中で出演させていただき、無事達成。
有名になっていけばハードルも下がると思うのですが、まだそこまでの知名度は無いですね。
ページが上位になることについては、けっこう頑張ってまめに更新したのが功を奏してか、
割と上位に表示されるようになったと思います。
おかげさまで、体感ではありますが前年比2件くらい依頼が増えたのではないかと。
キャリー系の強化は、一応キャリーを2台体制にして、アシスタントがいるときに負担がなくなったのですが、
まだまだ改良の余地はありそうです。
<竜半>
・IJA出場 →達成
目標はこれのみで、これを達成したので大変良い1年だったと胸を張って言えます。
以下今年の目標。
今年の目標については、実は立ててはいたのですが記事を書くこと自体を忘れてしまっていたので、既に達成した目標もあります。
<ヒョウガ>
・清水みなと大道芸に出場。(既に達成見込み)
・大道芸ワールドカップin静岡のオン部門かフリンジ部門に出場
・ヘブンアーティスト資格を取得
・関東と関西で1回以上の出演の機会をつくる(関東のみ既に達成)
・新しい演目を1つ以上作る
今年は「ヘブンアーティスト取得」を新しく目標に入れました。
ヘブンアーティストとは、東京都の公認資格です。正直言うと、取得よりも維持の方が大変と思いますが、
この資格を持っていると、ぐっと出演できるフェスティバルが増えるはず。
頑張って狙っていきたいと思います。
それでも一番難しいのは関西の出演だろうなぁ。
<竜半>
・7ボール70キャッチ
・3ディアボロを目指す
・11月くらいに開催されるであろう社会人大会に出場を目指す
また無謀な目標だな、これ……w
なぜかこの大みそかというとても重大なイベントの時に
今年の10月に開催されてた日本最大のジャグリングの大会、JJFのチャンピオンシップの感想を書きたいと思います。
チャンピオンシップ感想
1:チーム元IJAチャンプとRefleXの常識人
リング&ボール&ハットというあまり見たことのない組み合わせの3人組。
チームの名前が示すように、昨年IJAチャンプであるひろた君と、RefleXの常識人である2人の組み合わせ。
ひろたくんの安定感はチームになっても健在で、その好調さが他の二人にも良く影響しているように見えました。
チームというのは、人数が多ければ多いほど練習の機会というのはあまり多くなくなるのですが、
それを感じさせないくらい安定感と練られたオリジナリティあふれるトリックが良かったですね。
音楽もとても楽しげで、一番手としてふさわしい演目だったと思います。
2:こーのCLUB
正統派クラブパサーの2人、前回出場時は優勝しましたが、再度優勝を狙っての出場。
彼らは技術的に大変うまくなったと感じました。
「フラットスピン」と「トレブラー」という、ただでさえ難易度の高い大技をルーチンの核として持ってきて、
数が上がったときにその技が入るのが強烈で、「ジャグラーだけ」という観客の心をつかむ術を良くご存じと感じました。
そして、正面同士のパスからダイレクトにバック・トゥ・バック(背中あわせ)につなぐなど、
クラブパスのテクニカル的な部分も見せつけましたね。
チーム部門総括
残念ながら出場者の組数は2組と極端に少ない大会となってしまいましたが、
出場していた両者は拮抗していたと思いました。
僕の意見では優勝が「チーム元IJAチャンプとRefleXの常識人」だったのですが、
実際の優勝はこーのCLUBでした。
2組の場合はシルバーメダルにふさわしいかどうかの競技が審査員内で行われるということで、
準優勝はチーム元IJAチャンプとRefleXの常識人に。
チーム元IJAチャンプとRefleXの常識人(以下、長いのでTICRJと省略)は、
オリジナリティ(いわゆる希少性)、完成度、エンターテイメント性などの要素でこーのCLUBを
上回っていたと感じたのですが、こーのCLUBの技術力(難易度というカテゴリ)が圧倒的だったのでしょうか。
パフォーマンス終了後に別の人と話していて
「ただ、こーのCLUBは『チームとしての演技ができていた』」という言葉をいただきました。
「おおなるほど」と思ってしまい、納得してしまいました。
(その結果「そういう意見で簡単に自分の意見を覆すようでは審査員には向いていない」と言われましたw)
TICRJが「チームとしての演技ができて」いなかった、とは言えません。
3人がシンクロして別の道具を使った同じ動きをするパートなどは、チームならではの演出と思いますし、
むしろ、三人組であることを生かしたとても楽しい演技だったと思います。
ただ、こーのCLUBは全編通じて2人組の技のみで通されているんですね。
これは、今回のチーム2組には該当しませんが、
「コンテストのチーム部門」に、ソロの演技は必要ないと考えます。
オーケストラなどのコンサートと同じように、多くのチームメンバーがいる中でのソロのパフォーマンスというのは
とてもかっこいいのですが、それは、コンテストではない公演でのみにしておいたほうがいいと思います。
説明するまでもないかとは思いますが、
ソロの演技は個人部門でやればいいわけで、コンテストにおけるチーム部門では、
「チームとしての難易度」「チームとしての完成度」「チームとしてのエンターテイメント性」
「チームとしての構成力」「チームとしての希少性」で評価をされるのではないでしょうか。
つまり、ソロで演技をしているパートは、これら評価に該当しないと考えてもいいかもしれません。
無論、演出上どうしても必要な場合もあるでしょうし、「勝ちに行く」ことがすべてではないですけれどね。
「ソロ」を「チーム部門でやる」「意義」がそこにあれば話は別、ということです。
そう考えた場合、今回の二組において、全編通してずっと二人の間でクラブが飛び交っていた
こーのクラブの演技を評価すべきでしょう。
TICRJも三人組を生かした技も多くありましたが、主に難易度の面で「チームとしての難易度」が高い技が少なく、
評価につながっていなかったとも考えられます。
こういう「大会としてのジャグリングのあり方」を考える必要があるくらい
近頃のジャグリングの大会というのはレベルが高く、
以前のように明確な「こちらの方が良かった」と圧勝というケースがなくなってきたような気がします。
審査員泣かせな状況ではありますが、日本のジャグリングの成長のためには現在の状況の方がいいですね。
続いて、女性部門。
3 今井 緑(デビルスティック)
動きに切れがあり、アピールがうまかったことが印象に残っています。
ステージの使い方、ルーチンの構成はこういった協議会初挑戦とは思えないくらいしっかりできていました。
技の難易度も申し分なかったのですが、大技がクリーンに決まらず、特に序盤で流れを作れなかったことを
後半に引きずってしまったのではないでしょうか。
「最初の大技」というのが、観客と自分との間にリラックスした雰囲気を作るために必要なものです。
ここの集中力は最も入れ、後の方に流れをつなげるようにしておくとよいですね。
しかし、その失敗を引きずった場合、演技が全体的に崩れそうなところなのですが、最後まで笑顔を忘れず、
全体が崩れることなくルーチンを終えることができたのはなかなか初挑戦ではできない芸当と思います。
4 田崎 杏(ボール)
3度目の挑戦とのことですが、相変わらず、演出については申し分ありません。
序盤の安定感は以前と比べてはるかな成長をしていたと思っています。
ミスが重なってしまい、崩れたところもありましたが、6ボール、7ボールまで挑戦できる
女性ジャグラーは、日本人ではとても貴重だと思います。
トスのできる女性ジャグラーとしては、間違いなく日本でもトップクラスと思いますので、
是非今後もこういった大会にどんどん挑戦して言っていただきたいと思います。
5 森 香凪恵(フラワースティック)
とにかく力技で勝負したフラワースティック。
多くのジャグラーが演出面も考える中、逆に、ひたすら高度な技をやるこういう演目があるのはとても良いと思います。
ただ、これが可能なのは、演出なくとも観客を興奮させられる技術力の高さ、
そして、技をどういう順番でやるか、直観的な構成のセンスでしょうね。
だからと言って演出面が悪かったかというとそういうわけではなく、
例えばステージを歩むときのスピードがゆっくりに統一されているとか、
技を決めたときのポーズの綺麗さとか、ステージ上で一点でやらずに動いて技をやるところであるとか、
良い演技を根幹から支えていたと思います。
6 須田 恵梨華(ディアボロ)
ディアボロを使って素晴らしい演技をする人というのは、
体の使い方とか持っている雰囲気とか、
ジャグラーの中でも突出していなければ評価をされにくい現状ですが、
須田さんはその領域に確実に近付いている印象がありました。
男性でこの領域に達している人は何人かいるのですが、女性では日本においては彼女だけなのではないでしょうか。
ステージに立ち、演技をするだけで会場の雰囲気を変えてしまう実力の持ち主で、
行う技の難易度、そして表現面では他の女性ジャグラーの出場者から比べて上手いと感じました。
女性部門ですが、
今回は4名も決勝に進出しており、それぞれが高いレベルの技を引っ提げての出場でしたね。
僕の予想では
1位 森さん、2位 須田さん、3位 田崎さん。
会場でちょこちょこ他の人の意見を聞いてみましたが、1位 森さん、2位 須田さんは
少数2人が入れ替わることもあったもののほぼ鉄板の順位。
3位はボールとデビルが半々くらいでした。
順位は、僕が予想した通りでして、
1位 森さん
2位 須田さん
3位 田崎さん
でした。
フラワーは技術力だけではなく、終始安定した演技だったのが良かった。
ディアボロは他の面ではほぼ上回っていたけれど、完成度の観点で評価を下げてフラワーに及ばなかったか。
ボールとデビルでは、ほぼ互角だったように見えましたが、6ボールや7ボールまで挑戦したボールが評価をされたという結果でしょう。
7 滝渕 亮太 (ボール)
首の後ろを中心とした技の数々を繰り出した正統派トスジャグラー。技はとてもマニアックでした。
首の後ろ技を中心とした構成というと、数年前に3位入賞をした加藤さんが思い浮かびますが、
その加藤さんに劣らないバリエーション豊かな技の数々を見せていました。
トスジャグラーで、この難易度で、この安定感が出せるのはすごいですよ!
男性部門しょっぱなから衝撃的なルーチンが見られたおかげで、会場は幾分かざわついていましたね。
何かしらのキャラクターを前面に押し出した感じの演技ではなかったのですが、
終始にこやかに演技をしていて、とても好感が持てました。
8 世良 京太 (デビルスティック)
僕の卒業したジャグリングサークルPatioの後輩。久々のPatioからの決勝進出者ですね。
後輩ですし、じゃぐなぎ杯にも出ていますし、個人的にも応援していました。
まず決めポーズが良くて、笑顔も良かったですし、舞台の上だからと言って縮こまらずに
のびのびと演技ができていたと思います。
おそらく舞台で行われるのは世界初となる3デビルが、一周とは言え見られたのは
大きかったと思います。観客の思いとしてはもう少し続けてほしかったというのが本音でしょうけれど。
それを含めても安定感があり、全パフォーマーの中で群を抜いて失敗が少なかった印象があります。
凄く反復練習したんだろうなと感じました。
9 秋田 誠博 (シガーボックス)
早稲田大学infinityのシガー3兄弟の一人。
日本のシガーボックスはJJFにおいては現在とても厳しい状態になっていると思います。
2年前、JIN君が決勝に進出してからというもの、色々な大会で5箱のダイヤモンドなどの
「大技構成」で挑む人が多くなっています。
「技」で挑むのは、僕も潔くて好きではあるのですが、別の方向からの可能性を模索できる人がいないのかと思っていました。
まさに彼がその答えを持ってきたという感じで、
僕はどうしてもシガーボックスに対しては厳しめに見てしまうのですが
その僕をもってしても、「完璧な構成を持ってきた」と言える、大変素晴らしい演技でした。
まず、曲・衣装・キャラクターのマッチングは他の出場者に比べて群を抜いてよく、
ところどころに挟むえぐい技、しかもあまり見たことがない技を良く取り入れていて、
「シガーボックスはダイヤモンドやレインボーだけではないぞ」というところをよくぞ見せつけてくれたと思います。
シガーボックス使いで居酒屋に行った時秋田君がそばに座ったので言ったのですが、
このルーチンは是非とも今後も練習をして、さらに完成度を高めてほしいです。
JJFだけで終わるのはもったいなく、最近とても多いジャグリング系の公演で使ってほしい。
10 渡辺 隼人 (ディアボロ)
「怖さがテーマである」というナレーションで始まったディアボロの演技。
緊張で固さもあったと思うのですが、その中で着実に技を決めていくのはさすがベテランの渡辺さんと言ったところでしょうか。
キャラクターは看板に偽りなしと言った感じ。もう少し極端に演出が入っても良かったかもしれませんが、
演出を入れすぎると逆にコミカルになってしまうこともあるのであの程度が適切かもしれません。
2ディアボロのよくぞあれが絡まないなという技を中心に、魅了できる技もたくさん。
やや全体的にドロップが多かった印象のある今大会の中では、完成度も高めだったと感じています。
ピルエットやハイトスなどの派手目の技に頼らずにルーチンを組んでいるところも職人気質を感じました。
11 KOMEI (クラブ)
KOMEI君と言えば、ダンス+ジャグリングをあわせたダグルという新ジャンルの開拓者。
何度かJJFでは「ゲスト」としてステージに立ったこともあるような人ですが、
そのKOMEI君が、満を持してJJFのチャンピオンシップに戻ってきました。
大方の予想では使うのはボールだろうと思われていたのですが、何と使った道具はクラブ。
クラブを持って舞台そでから出てきたとき、若干のざわつきがありましたね。
当然5つのクラブも安定して投げることができる彼ですが、そんな「普通の技」は彼の演技ではおまけ程度、
やはり、他の出場者と比べて動きや技の独創性が飛びぬけていたと思います。
数多くの舞台を乗り越えてきた貫禄と言いましょうか。
正直、人前でやる回数が増えれば増えるほど、演技の内容は無難になり、安定感を追い求めるため、
チャンピオンシップという舞台からは精神的に遠ざかってしまうのですが、
KOMEIくんをはじめ、昨年の深川晃くんや、その前の宮野玲くんなど、一線で活躍しているようなジャグラーが、
こうやってチャンピオンシップにもう一度挑戦してくれるような状況はとても素晴らしいと思います。
12 矢口 純 (デビルスティック)
今年じゃぐなぎ杯にも出場してくれたデビルスティッカー。僕も審査員をした中部学生大会では男子個人2位でしたか。
じゃぐなぎ杯で彼の予選のビデオを見たときから、「これは今年来るな」と思い、
じゃぐなぎ杯ではトリにさせてもらったものです。その僕の予感は正しかったと言えましょう(自慢)
1デビルが若干ドロップが多かった印象があったのですが、
その印象を打ち消すくらいの2デビルの技の応酬。
これでもかと言わんばかりに高度な技を連発し続け、しかも、その技の決まること決まること。
「技」だけで他を圧倒するパフォーマンスであったと言えます。
過剰な演出はなかったのですが、技の応酬こそ最大のエンターテイメント。
ジャグリングの大会はこうあるべきという姿を見た気がします。
彼の姿がとても舞台上で大きく見えたのですが、きっとジャグリング中の姿勢の良さもあったのではないかと思います。
13 Ike(コンタクトポイ)
こちらもじゃぐなぎ杯に出場してもらったことのあるコンタクトポイ使いのIkeくん。
コンタクトポイという道具はジャグリングの大会として出場する場合、
ポイとして綺麗な軌道を描きつつ、
コンタクトジャグリングや、リリースしてキャッチするなどのトスジャグリングの要素も入れる必要があり、
そもそも道具としての難易度が高い道具であると考えています。
そういう道具の性質をうまく利用しているルーチンで、
ポイの要素も、トスの要素も、勿論コンタクトの要素もふんだんに取り入れた演技でした。
特に、2つのポイを使った手から離れるポイの技を入れているところはとてもリスキーで、
コンタクトポイならではの演技だったのではないでしょうか。
14 亀井 大輝(ディアボロ)
昨年2位の「団長」こと亀井君がさらに上の順位を目指しての挑戦。
彼はとにかく会場を盛り上げるのがうまく、特に、バータックス系と呼ばれる、
ディアボロを縦まわしに回転させてそれを飛ばしつつ、カウボーイの縄のように飛んでいるディアボロをひっかける
系の技が始まると、どんな大会でも全力で盛り上がります。
そして、技のバラエティの多さ、決める技の数、技のスピード感、体の動かし方の切れの良さ、
ディアボロ使いの中でも群を抜いて高いと思います。
今回は、新規開拓の技が残念ながら上手くいかなかったのですが、
開拓されつくされたと思われているディアボロの世界を、これでもかと探求していく姿にとても好感が持てます。
来年のIJAチャンピオンシップにほいっと出たら、あっさりと優勝をかっさらってしまうくらいの実力があると思うのですが、
いかがでしょうか? 賞金額も高いですよ(笑)
男性部門はとても審査が難しかったと思います。
僕の予想では、1位滝渕、2位矢口、3位世良という予想。
1位・2位は迷いましたが、
滝渕君にした理由は、トップバッターでの演技は最終的に薄れがちになるのにも関わらず、
演技が最後まで頭に残っていたこと。
しかも、トスジャグラーでここまで印象が残るのはとてもレアです。
ただ、矢口くんも暴力的な技の応酬は一番会場を盛り上げていましたし、
この1位2位の順位は逆になるかもという思いはありました。
3位はとても迷いました。
世良くんではなく、Komei君か、秋田君が入ってもおかしくないというもの。
Komei君は演出+他に真似をできないことをやっていたという意味で、大いに入賞はありうると思いましたし、
心情的には秋田君の今インフレがすさまじいシガーボックスの世界に一石を投じたという点で押したかったです。
Komei君や世良君がもう少し単発で派手な技を決めていれば、秋田くんがもう少しドロップが少なければ
すっと3位は決まっていたかもしれませんが、無難に安定感のあった世良くんだろうと。
ただ、この3人は僕の中ではとても拮抗していました。
会場でそれとなく観客に順位予想を聞いてみましたが、
1位矢口君、2位滝渕君はほぼ全員がそう予想しており、(つまり、僕とは1位2位が逆です。)
3位は僕の言った3人の他に、渡辺隼人さんという声もちらほらありました。
結果は1位 矢口君、2位 滝渕君、3位秋田君。
1位2位はある意味予想通り。(順位は逆でしたが。)
3位に秋田君が入ったのは審査員のジャッジをとても賞賛したい。
秋田君は正直ドロップが多かった。ドロップが多かったが、間違いなくシガーボックスの世界に一石を投じた。
審査員の意図としてはそういうことなのではないのかもしれないけれど、
そんな彼の演技が評価されたのはシガーボックス使いとしてとてもうれしいです。
総評。
相変わらずレベルの高い大会でした。
ただ、今年はトス成分が少なく、ジャグリングファンとしてはちょっと寂しいですね。
それでもこれだけのハイレベルな戦いがくりひろげられるのはすごい。
予選の突破でさえ難しい今日この頃なんですが、
本当に予選一発で決まっちゃうのもったいないよなぁと思います。
3か月前の今頃は、毎日家に帰ったら
まず飯を食って、少しだけ休憩した後に練習を始めていたものですが、
ここのところ毎日、帰ってだらだらと飯を食べたら、
その後はぼんやりとtwitterを眺めていたり、ゲームをやったりなど、
お世辞でも充実をした毎日とは言えない毎日を送っております。
まあ、当然と言っちゃ当然なんですが、
3か月前はIJAなる大きな大会を目指していたのですから、それに向けて準備をしていた、
そして今は目指すものが何もないのでゲームしかやることがないのです。
いや、本当はやることはいっぱいあるはず。
なんですが、どうもやる気がわかない。
ジャグリングの練習会に行けばそれなりに練習するのですが、
前ほど力を入れた練習はしていない。
何か目標を決めないとなぁ。
今度のシルバーウィークは、ジャグリングの社会人合宿なるものがあり、
久しぶりに「何も考えずにジャグリングができる」イベントなので、
今から結構楽しみにしています。
ヒョウガ君周りで出演するイベントも何個かあったりするのですが、
その練習はちょっとおろそかになりがちですw
あ、まあ練習するのは僕じゃなくてヒョウガ君なんですが。
僕そのものがゆるキャラじゃないかと考えることもありますが、
今日は相方である「ジャグリングドラゴンヒョウガ」の話です。
http://www.yurugp.jp/vote/detail.php?id=00002576
↑投票ページはこちら。もし興味のある方は是非とも投票していただければと。
普段の僕ならこういうことにパワーは割かないのですが、
今年はファイナルが浜松ということで、少し気が向いてエントリーしてみました。
意外にも健闘していまして、
すでに得票数は1000票を超え、全体ではぱっとしない順位ではありますが、
「企業・その他」の部門では頑張れば100位まで入るかもしれないくらいの順位になっています。
最終的には11月に結果が出ますから、かなりの長丁場ですね。
そこまで積極的になろうとは思っていなかったのですが、
いつの間にやらたくさんの方々が「投票したよ!」「投票したよ!」と言ってくれているため、
ヒョウガ君のマネージャーである僕が頑張らないわけにはいかなくなってしまいました。
ところで、
参加してみると、想像以上に「へー、なるほどねぇ……」と思うことがあり、
同じくゆるキャラ関係のことに携わっている知り合いが、このイベントに対してあまりよい意見を持っていないのも
少しうなずけるなぁと思っています。
今さすがに参加している身なのでいろいろ言うのは自重しますが(笑)
もし興味のある方は直接どうぞ。
カナダはケベックシティで開催された、
国際的に大変権威のある大会、IJA Summer Festivalにおいて、チャンピオンシップに出場してきました!!
今年開催されたIJAの個人部門、
決勝進出者はなんと6人全員日本人。予選には他の国の方も出場していたとのことですが、
流石に決勝進出者の名前を見た時にはうろたえました。
最近は、大会のレベル的にはJJF(日本最大のジャグリングのイベント)のチャンピオンシップの方が高い、
等ということが言われているのですが、
未だにトスジャグリング(ボール、クラブなどを投げるジャグリング)では海外の方がハイレベルです。
(そのトスジャグリングでもようやく日本人も追い付いてきたのかな感がありますが、まだまだ海外の方が上だと思います)
それに、日本では「何かしらにとがっている演技」というのが評価されるなど、少し評価に偏りがあるような気もしなくはないし、そういうフィルタ無しで挑める、というのがIJAに挑戦する一つの意義だと考えています。
それと、やはり僕がまだジャグリングを始めた頃は、IJAに出場できるという人は神様ばかりで、
そんな人たちと同じステージに立つことができるというのはやはり僕の中では重要なイベント。
やはり競技会のジャグリングというのは普段の人前でやるのとまったく空気が違う。
控室は緊張感で張り詰めているし、リハーサルや打ち合わせも普通のイベントよりもはるかに入念に行います。
流石に日本人が多いだけあって、控室は知った顔ばかりで、前のIJAよりはリラックスした雰囲気だったかもしれません。
それでも幕の後ろに立てば緊張感が増します。
僕は一番手。
客席もまだ温まっていない状況と推測します。
ステージの上には僕一人。
幕があくまでの間が一番孤独で緊張する瞬間です。
そんな僕の緊張した顔が見られる、撮れたてほやほやの僕の動画の紹介です。
幕が開いた瞬間は本当に死にそうな顔してますねw
でも、一礼し終わった時に観客の歓声を浴びた時に作った笑いはまだ緊張感があります。
本当に「入る」ことができたのは、
最初のブロックを置き、次のL字型のブロックを下ろしてきたところ。
観客の笑い声が聞こえて、(本当はここは無表情でやらないといけないパートなのですが)
思わずニヤッとしてしまっています。
「ああ、いかんいかん。無表情でやらねば」と、
気を取り戻してちゃんと演技に入れたのがよかった。
最初の音楽のパートはノードロップ、ノーミスで通過しています。
2曲目。
序盤に落としてしまっているのですが、この後1つだけ技が飛び、頭が真っ白になりかけたのですが、
これをちゃんとこらえたのがやはり成長したなと思います。
その後は予定通り進み、もう一回落としていますが、これは練習で何回も落としたパート。
冷静に対処していて、ここのメンタルのダメージはほとんどありません。
4ボックスが一回も落としていないのは自分でもよくやったと思います。
特に最後の「画キャッチ」(技を決めた瞬間に漢字の「画」と同じ形になることから)は
練習でも50%強の成功率の技。特に大会直前に調子を落としていまして、
でも絶対に決めたい技だったやつです。
これが一発で決まった時は気持ち良かったですね。
最後、「消した」後に本当は普通に横に移動して一礼、だったのですが、
あまりにもお客さんの歓声が気持よくて、思わずお客さんのほうに歩いて行って歓声を受けています。
照明が中途半端に消えてしまったのはそのせい。(本来落としたらすぐに横移動して礼→暗転だった)
演技が終わった後、嬉しさのあまり幕裏で「おっしゃああ!!!!」と大声をあげていたのに
気がついたのは多分片づけを手伝ってくれた方だけと思いますw
こういう大会だと、僕は本当にメンタルが弱くて、
序盤のミスを引きずって最後まで行くということが多いのですが、
今回は本当に安定した演技ができていましたね。
成長したのでしょう……。
演技終了時には入賞を確信していたのですが
そこは流石は天下のIJA。結果は4位でした。
1位の望月ゆうさくさんは共演者の立場からしてもパーフェクトすぎて揺るがない順位。
2位のうぶかたさんもほぼノードロップに近い出来でスタンディングオベーションを起こし、
3位の高校生ケント君も超高度な大技7クラブを舞台上で決めるなど、
まさに強豪ぞろいの舞台でした。
入賞を逃した加藤さん、土屋さんオリジナリティあふれ、観客を魅了する演技でして、
日本人全員、「国際大会に恥じない」演技ができたものと、確信しております。
前回2010年に出場した時は6位だったので、それより順位は上がっています。
正直悔しいですが、完全燃焼したので悔いは残ってない。
本当に今年は、機会がありましたら、是非とも今年の日本人のパフォーマンスを見て欲しいですね。
最近は練習から解放されて、スプラトゥーンをやる毎日を過ごしています。
皆様お久しぶりです。
昨年より目標としてきました大会、IJA(国際ジャグリング協会)主催、
サマーフェスティバルの「チャンピオンシップ」「インディビジュアル部門」
のビデオオーディションをクリア、ファイナルに進出しました。
5年ぶり、2回目の挑戦となります。
日本人の皆様には色々なところでお見せしていますが、
今回は「ドラゴンボックス」または「竜半ボックス」と僕が呼んでいる道具を利用しての
出演です。
正直IJAからの「おめでとう、出演できます」メールを見るまでは
びくびくしていましたが、
無事出演することがかなってよかった。
ただ、昨日出演者一覧が送られてきて、正直ショックを受けたのですが、
よくこの中で僕予選通過したな……と思いますw
とにかく、泣いても笑っても後4週間程度しか時間が残されていません。
今のうちからメンタルなトレーニング、フィジカルなトレーニング、しておきたいと思います。
それとは別個に、5連休カナダ旅行できるわけですから、
そちらはそれで楽しみにしております。
観光する精神的な余裕があればいいですがw
Junk Stageの記事もなかなか着手できずすみません。
最近ゲームが面白いのと、練習もしなきゃで、
なかなか記事を書いている時間がとれませんね……
実は、これ以外にもう一個記事を書いたのですが、
投稿するのを忘れていました。
近日中に公開します。
今さらではありますが、
2月末~3月最初に開催された「じゃぐなぎ杯」エキスパート部門の感想を。
前に書いた通り、
僕自身今じゃぐなぎ杯の存在意義について考えるところがあったりとか、
そんなに開催のモチベーションが高くなかったりするわけですが、
ひとつのじゃぐなぎ杯の特徴として、
「審査員が演者にアドバイスを送ることを推奨している」というものがあります。
2か月遅れになってしまい、若干記憶がおぼろげになっているところもあり、
コメントはちょっと簡単ではありますが、
参考にしてもらえるのであれば主催者冥利に尽きます。
1:やましょー(シガーボックス)
<良かったところ>
技のバラエティの豊かさ、特に、バランス系の技というのは
他のシガーボックス使いとの違いを出そうとしているのが伝わりました。
また、ステージ上の動き、ポーズの取り方、舞台の広く使い方などは
基本を押さえている感じでルーチンを作ったことのない人にお手本にしてほしいくらいです。
<アドバイス>
一番最初の演技順ということで、
お客さんもあったまっていなくて大変だったと思います。
今回の演技順は僕が意図して決めたものですが、
「序盤は観客に拍手をしてもらうように演技を作る」ことを意識するといいでしょう。
(こういう、序盤に観客と自分のプレッシャーを和らげるテクニックをメルティングというそうです)
今回、「トップバッター」という
特殊な状況に慣れていなかったものもあり、思うように演技できなかったと思いますが、
いかなる状況にも立ち向かえるような経験を積んでいくときっと安定感が上がると思います。
2:Dee(ハット)
<良かったところ>
技のバラエティの豊かさ、ハットという道具はなかなかスポットライトが当たりませんから、
技の全てが観客に新鮮に伝わったのではないかと思います。
舞台の使い方はベテランの貫録と言ったところなのではないでしょうか。
ドロップにあまり動じないメンタルの高さもあったと思います。
<アドバイス>
彼は同じサークルなので知っているのですが、
練習時間があまりとれていなかったんだろうなぁという感じです。
(その中でも果敢にじゃぐなぎ杯に挑んでくれて感謝したいです)
普段人前でやってないルーチンとは思うのですが、
やっぱり日ごろからある程度(いつふっと振られても良いように)
練習しておくのがいいのかなぁと思いますw
(まあ、その「振る」のが自分だったりするわけですが……w)
3:清水公太(ディアボロ)
<良かったところ>
他の出場者に比べ、特に安定感が高かったところが印象的です。
勿論、技の難易度もビンビンに伝わってくる内容で、
ディアボロの大会等で第一線で戦っているだけのことはあると感じました。
競技がどういうものかということがわかっていて挑んでいるので、
こういう大会では強いですね。
<アドバイス>
演技時間が6分と長いので、もう少し「遊び」の時間があっても良いのではと思います。
音楽で言うと、「間奏」的な部分で、
例えば、ディアボロの個数を増やす時などに、
直前の技を終える→拍手をもらう→観客席を一望→ディアボロのあるところまで歩いていく
→ディアボロをとる→もう一度舞台中央まで戻ってくる→2個目のディアボロを見せる→演技再開
など、時間を使える部分はたくさんあります。
安定感があるだけに、こういうゆとりが持てれば、その分ルーチンの密度が濃くなるのではないでしょうか。
演出の種類にも依存しますが、ご参考まで。
4:70322(コンタクトジャグリング)
<良かったところ>
クリスタルボールという、重い素材を使ったアクティブなコンタクトジャグリング
(※マイム的な要素メインではなく、高いリスクのあるボディーロールという意味)
は斬新に感じました。こういったコンタクトジャグリングは一般的にはステージボールが使われますよね。
あまり見たことのない技も多く、観客席からのどよめきが聞こえていましたね。
曲の変化に合わせてルーチンのメリハリを効かせていたのも良かったと思います。
<アドバイス>
演技全体の「完成度」をもっと高めてほしいです。
それは、単にドロップを少なくすべしという意味ではなく、
動作の綺麗さ(ここで足を動かす、何歩動く、指先は曲げるのかどうなのか)
まで意識して完成度を高めていってください。
勿論ドロップしないことも重要ですが。
今後の伸びに大変期待できる内容でした。
5:クロ助(シガーボックス)
<良かったところ>
技のオリジナリティ。そして、こだわり。
クロ助さんの特徴である「あの技」を徹底的にこだわっているのが素晴らしいです。
日本人ジャグラーが好みそうな演技ですね。
キャラクターもあり、構成も良かったと思います。
「じゃぐなぎ杯」としての感想で無くなってしまうのですが、これまで
昨年7月のシガーボックス大会、11月の社会人大会と
今回のじゃぐなぎ杯、全てルーチンを変えているところが素晴らしい。
つまり、それはまだルーチンを伸ばせるモチベーションが高いということです。
さらに良い演技を期待したいです。
<アドバイス>
クロ助さんの「あの技」は、我々は知っているからいいとして、
演目を作るにはやはり「初見」を意識して作るべきというのが僕の意見です。
つまり、「あの技」に入る伏線をちゃんと用意しておく構成の方が
僕としては好みです。
6:村木慎也(オフストリングスヨーヨー)
<良かったところ>
ヨーヨーの世界からまず殴りこみをかけてきたというチャレンジ精神ですね。
「ジャグリングの世界でも評価されるものを作りたい」という目的を達したのは
審査員の高評価を見ればわかるのではないでしょうか。
ジャグリングの観点から見ても、技一つ一つのスピード感が素晴らしかった。
ドロップが少なかったところもヨーヨーの厳しい世界を戦い抜いている猛者の証明ですね。
<アドバイス>
ジャグリングのショーとしての観点から言いますと、
まだヨーヨーの世界から抜けきっていないと感じました。
例えば「最終的に手元に戻ってくるもの」などのヨーヨーのルールから抜け切れていないということです。
ピルエットなど、「ヨーヨーの世界では評価につながらない」技も
ジャグリングの世界では評価の対象となります。
むしろ、そういうジャンルを開拓するのが
ジャグリングの世界でも戦うことのできる肝となってきそうな気がします。
7:らっせ~ら世良(デビルスティック)
<良かったところ>
完成度の高さと、演出の良さが目立ちました。
特に、技と技の間の間の取り方がメリハリがあって好印象。
舞台を動く動き方も洗練されており、とにかく演技が綺麗に見えました。
客目線の演技ができていた、ということですね。
<アドバイス>
構成は素晴らしいし、このままショーになってしまうと思うのですが、
コンテストとして見た場合、技術レベルにもう少し比重を置きたいと感じます。
現時点でもよい技はあるのですが、大きなどよめきになる技が欲しい。
「火力の高い技」と一般的に言われますが、
例えば、凄く長い連続技を止めずにやりきるというのも一つの方法。
確かに技を止めて拍手をもらうのは大切なのですが、
時に、技をしている間に拍手が自然とわき起こるようなテクニカルな部分も必要です。
8:かんば(ボール)
<良かったところ>
独自の世界観をもった演技でしたね。
4ボール中心の1ルーチン目から、体の動きの綺麗さを重視した2ルーチン目
と、曲が変わった後の変化が大きかったのが個人的には印象深かったです。
(1曲目と2曲目とあまり変化が無いな……という人も多いですからね。)
体の動かし方もなめらかで洗練されていました。
<アドバイス>
かんばさんのスタンスのルーチンはコンテストとして見ずに
普通のジャグリングのショーとして見た場合はとてもいいムードを持っていると思いますが、
コンテストになると、どうしても印象が薄くなりがちです。
全員の演技が終わった後に、インパクトに残っている、というのは
(例えコンテストとしてルーチンを組んでも)難しいんですが、
例えば(本当に思いつきで言いますが)とてもゆっくりやるとか、何かストーリー見たいのを作ってしまうとか、
そのくらいのレベルのことをやらないと厳しい、今の日本のジャグリングのレベルは
それほどまでに上がっています。
いいアドバイスをあげることができないのがもどかしいですが、
かんばさんのようなスタイルを持つ人全体の課題なのではないかと思います。
9:いづた(シガーボックス)
<良かったところ>
動きのダイナミックさ。
彼ほどの動きのダイナミックさが出せるシガーボックス使いはなかなかいないと思います。
シガーボックスというのは概して高さに弱い道具ですが、
それを克服できている、
というより、むしろ高さが出ているのが普通の用にやってしまっているところが素晴らしい。
超時間連続で技をやり続けるパートがある等、技術的にも爆発力を持っていました。
<アドバイス>
やはり大会ともなると練習と感触が違うんだと思いますが、
ドロップが多くなってしまったのはやはり大会ならでは、なのではないのでしょうか。
そもそも予選で送られてきたビデオを見ると、アウトドアで撮影されていますし、
大分甲斐性も感じたのですが、やはり本番は何が起こるかわからないもの。
前半でミスをして崩れないように、メンタルにも負荷がかかる練習ができればいいのですが。
「ルーチンを人に見てもらう」ことも練習の一つと思いますので、
チャンスを見て積極的に人前でルーチンをするなどしてみてはどうでしょうか?
10:高森啓史(ディアボロ)
<良かったところ>
しょっぱなからガンガンにストレートを打つような、気持ちのいい始まり方でした。
とてもロングスパン(=途中で技を止めずに連続して技を決める)パートが多く、
ミスせず続いたところは確実に拍手をとっていました。
高度なことに挑戦していたと思います。
決めた技も、僕には目新しく感じました。
<アドバイス>
構成の意識を高めるのがいいと思います。
現状、音楽は「かけっぱなし」の状態で技を次々とやっている状態に近い印象で、
もっと有効に活かせると思います。
やっている技は凄いので、そういう(音楽を無視した)スタンスもありだとは思うのですが、
だとしたら歌詞が無い曲の方が適していると考えます。
人の受け売りですが、
「自分がもう一つの楽器を演奏している」ようにやるのがよいのではないでしょうか。
11:しゅわっち(ボール)
<良かったところ>
ルーチンの雰囲気を的確にとらえた音楽を選べていたと思います。
この意識があるだけでルーチンとしてはぐっと良いものになっていると思います。
2つのボールがくっついて移動するのが技の肝になっていたのですが、
その音楽がこの技の不思議さを一層際立てていて良かったですね。
また、曲の雰囲気に合わせ、
あまり表情を出さないキャラクターというのも雰囲気作りにプラスになっていました。
<アドバイス>
オリジナルの技中心の構成、特に「核」となる部分がある演技については、
その「核」をどう料理できるかが勝負だと思います。
そういう意味で、もっとえぐめの技があっても良かったのではないかと。
雰囲気がまた独自だったので、そことバッティングしてしまうかもしれませんが、
ピルエットやボディースローなど、派手目の技とあわせてみると良いのではないでしょうか。
雰囲気を活かすとしたら、もう少し構成を練るのがいいですね。
「二つくっついているのが不思議でしょう?」ということを、
もっと序盤でアピールできたら良かったと思います。
12:aki(デビルスティック)
<良かったところ>
ルーチンの大部分をデュアルデビルで通したというのが
まず「攻めているなあ!!」という感じで前衛的ですね。
ルーチン全体として見た場合、とんでもない難易度だと言えます。
この難易度にもかかわらず、目立ったドロップもないところもまたすごい。
これで高校生だというのですからたまりませんね……
<アドバイス>
演出面から。舞台を広く使えているという感じはしたのですが、
なんとなく動いてしまっているような気がします。
動く時はメリハリをつけて移動する。
つまり、移動するときは「技をちゃんとし終わって、アイドリング状態
(技の「アイドリング」ではなく、何も技をしていない状態のこと。
デュアルプロペラを続けているだけの状態、など。)
で動き、足を止めてから次の技をやる。
ということの意識をしっかり持っておくと技が綺麗に見えるようになるでしょう。
技術レベルは高度なものを持っていますから、ルーチンの作り方をもっとこだわってみてください。
13:hanehitsuji(シガーボックス)
<良かったところ>
まずは、去年の彼の演技から見て、大変な成長を感じました。
「気迫」という言葉が適切と思いますが、それを感じる演技でした。
観客へのアピールの仕方、舞台っを広く使い方など、
去年甘いと感じた部分が全て克服されていましたし、
技も高度な技をガンガン決め、さらに多少の軌道の乱れを拾える甲斐性もありましたね。
技術力はもはや第一線で活躍するシガーボックス使いと比較しても
そん色のないレベルなのではないでしょうか。
<アドバイス>
技術はとてもよかったですが、演出/構成はまだ良くなると思います。
特に、音楽への意識がもう少し高くてもいいのではないかなと。
シガーボックス使いだけではなく、他のジャグラーの動画も、
音楽をどう上手く利用しているかを研究しながら見てみてください。
音楽に合わせて技をやりながら、自分が気持よくなるように演技できたらそれが一番なのですが。
14:工藤正景(ディアボロ)
<良かったところ>
彼もまた、去年と比べて成長を感じた一人です。
体の使い方も良く、体のキレもよくてダイナミックな演技ができていたと思います。
また、自分独自の世界観を出そうとしている努力を感じました。
そもそも、体を動かしながら技をするということ自体難しいですから、
それができるというのが彼の強力な武器であると考えます。
<アドバイス>
曲、特に2曲目が、ループする曲(ゲーム曲に多い)だったため、
ルーチンの緩急が無く、惜しいことをしていると思いました。
無論、ループする曲を選ぶというのもありなのですが、
せっかく演出の上手さを感じるので、
いわゆるAメロBメロでは流れるように演技をし、
サビの部分で大技を連続で決める、などの演出のできる
起承転結のある曲をチョイスするのが有利と思います。
15:ひろた(ボール)
<良かったところ>
清水君と並んで完成度が高い演技でした。
さらにその上でキャラクターもできているわ、技も高度だわ、
演技の間の「遊び」も面白いわ、曲も活かせているわ、
たった数分でギャラリーをグッと引き寄せることができる稀有な存在と思います。
<アドバイス>
ありません(笑)
……というと冷たいように聞こえるかもですが、
そのまま突き進んでほしいというのが感想で、
下手なアドバイスはいらないんじゃないかなぁ。
強いて言えば、似たような技がルーチン中何回か出てきたりして、
そこに変化をつけてもいいんじゃないのかなぁと思うのですが、
その「同じような技が出てきた」という印象に残っていないので
(そのアドバイスを)口にするのすら無粋な気がします。
16:稲葉悠介(シガーボックス)
<良かったところ>
演技を見ていたとある人物によれば「舞台に立った瞬間入賞するのがわかった」
くらいの気迫があったそうで、
流石に僕はそれは極端だろうと思いますが、その気迫が本当であることを証明しました。
技術レベル、間違いなく今の日本のシガーボックス界でトップ中のトップクラスの実力を身につけましたね。
演出、文句ありません。
ダイナミックで、観客へのアピールもかっこよく、
スピード感、危機迫る表情、舞台の使い方、全て素晴らしかった。
<アドバイス>
もはや残されているのは完成度だけでしょう。
充分完成度も高かったのですが、ドロップがあったのも事実。
このレベルのルーチンが、高次元の完成度を持っていたら
どれほど観客席が盛り上がるのか、今から楽しみです。
通常の練習で足りなければ、がっつりと人に見てもらうのも練習の一環です。
幸いにもすんでいるところにはサークルがたくさんあるでしょうから、
色々なところに足を運び、
「ルーチンを見てもらう」(生で)ということをしてみてください。
17:矢口純(デビルスティック)
<良かったところ>
技術レベルの高さ。こちらもほぼルーチン通してデュアルデビルという
驚異的なルーチン。(何故こんなことができる人が1つの大会に2人もいるのか。)
しかも、決めた時に「うおおおーっ!!」というどよめきを起こせるポテンシャルがありました。
抜群な舞台の使い方の上手さもありましたね。
左右に「ただ動く」のではなく、技を止めながら走る、技をやりながら動く、メリハリが効いていました。
<アドバイス>
やはり完成度、というか、この後の大会でじゃぐなぎ杯より
完成度が高いレベルで挑んだ大会があり入賞しているわけですが、
まあ、このレベルの演技であればもはや完成度で入賞が決まると言って
過言ではないのではないでしょうか。
別の人へのアドバイスと重複しないようにすると、
本番の舞台で自分がパフォーマンスしているところの
イメージトレーニングなんかも有効です。
僕が良く言うのが、舞台袖でコールっを受けるところからのイメージトレーニング。
その時に、緊張することができたら良いイメージトレーニングができている証拠です。
総括です。
最近のジャグリングコンテストのレベルの上昇を象徴するように、
じゃぐなぎ杯もまたレベルが上がっていたと思います。
昨年までだったら予選通過しているようなレベルの人も、
予選時点でやむなく落選をさせなくてはいけないということも
今後多くなってくるでしょう。
最近ちょっと
自分のアドバイスも古い価値観になってないか大変心配ではありますので、
本当に↑の感想はご参考までにしていただきたいです。
毎年出場していただける皆様に感謝いたします。