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2018/11/23

今年のJJFがあまりにも楽しかったので久々にブログを書きます。

去年JJFは福岡開催、
しかも同時に京都でうちに居候しているドラゴンが出演ということで、
昨年のJJFはパスをしたので2年ぶりの参戦です。

東京オリンピックの開催の影響で使える体育館が少し狭くなり、
その影響でイベントにフルで参加できる人数が限定されてしまいました。

僕は運よくキャンセルで空いた枠に滑り込むことができましたが、
最初の予約戦争に敗れたときに「んー、もうJJFはいいかなー」と思っていた自分に
金ダライを落としたい気持ちでいっぱいです。

色々あったようですが、開催までこぎつけたスタッフの皆様にまず感謝したい。

こうしてブログを書こうと思ったのも
他でもなくJJFが楽しかったからであり、できれば2回に渡って感想を書きたいと思います。

今回の記事ではチャンピオンシップの感想を書きます。

チャンピオンシップはJJFのメインともいえるイベントです。

ここ最近は各地で色々な大会が開催されるようになりました。
学生限定であったり、地区大会を歌った大会であったり、道具別の大会が多いでしょうか。

しかし、JJFのチャンピオンシップはやはり格が違います。
各大会の覇者や過去のJJFの入賞者でさえも予選を通ることすら厳しい大会です。
ファイナリストとして舞台に立てるだけでも名誉あることです。

今年は、特に男子個人でJJFの過去の優勝者が3人。
IJA(国際大会)の優勝者、高校生大会の優勝者、そして、プロもいます。
「オールスター・オブ・オールスター」という言葉がふさわしい戦いなのではないでしょうか。

かつてやっていたように、一人ひとりの演技について感想を書いていきたいと思います。

1. 山本睦 (ボール)
まずは、女性で、しかもトスジャグリングという難しいジャンルで挑戦したことに賞賛を送りたいと思います。
一番手、会場もまだ空気ができていない中の演技ということでやりづらかったでしょうね。
そんな中でも、序盤からの7ボールを決める等、多くの大技を決めていましたね。
相当緊張したと思いますが、そんな中でも決められる技を決めていったことについてはきっと今後の自信につながるでしょう。
何しろ、ジャグリングにおいてこれ以上緊張する舞台は無いと思います。他にもいろいろな大会を経験した上で
またJJFに挑戦してみていただきたいです。

2. 間所萌 (シガーボックス)
今回全部門を通じての唯一のシガーボックスプレイヤーでした。
他の道具でも同じですが、シガーボックスは一番広い面で向かい合ったとき、
体と平行に回すか、地面と平行に回すか、体とも地面とも垂直に回すかのどれかが回転を制御しやすいです。
これを2つ以上の軸で回転させることを僕は「ムーンサルト回転」と呼びますが、
最序盤で決めた2ボックスのムーンサルト回転からのバランスをはじめ、
(というか、一番緊張しているはずのこのタイミングでこの技を決めること自体がすごい!)
多くのムーンサルト回転を含んだ技を決めていましたね!
勿論それだけでなく、5ボックスのダイヤモンド等、男性シガー使い顔負けの技をガンガンに決めていました。
しかも、ドロップしたのは最後1回だけ、しかも、2回目の挑戦で成功させていました。
世界観も出来上がっており、単に技をガンガン決めるだけではなく、緩急のついたすばらしい演技だったと思います。

3. 須田恵梨華(ディアボロ)
女性のディアボロ使いといえばこの人、須田さんを差し置くわけにはいきません。
最近はプロとして各地でパフォーマンスをしており、舞台上の動きもかつてと比べてはるかに洗練された印象を受けました。
動きが綺麗。動作の一つ一つが体の使い方が綺麗だったと思います。
技で魅せていくというよりは、ディアボロまでも表現の一部として綺麗に舞台の上を「舞って」いたと感じました。
それだけに、ドロップが演技の流れを切ってしまい、その度はっと我に帰ってしまいまして「惜しい」と言わざるを得ません。
こうコメントしておいてなんですが、ドロップ数は3回であって、男女関係なく全体で見た場合でも少ない方です。
さらに、動きの洗練されていることを考えたら、完成度の評価は相当高かったのではないかと思います。
完成度が高かったからこそドロップが目立ったということを言いたいのです。
ドロップも予定調和として演技の流れに組み込めるような魅せ方ができるようになると更にいいものができると感じます。
技術は当然国内最高クラスであって敢えて触れるまでもないでしょう。

4. 土居千夏(リング)
女性ジャグラー界隈でも一際存在感のある土井さんのパフォーマンス。僕は初めて見たと思います。
完成されているキャラクターがいいですね。女性だってこれだけ元気のあるキャラクターがいたっていいと思うのです。
笑顔が素敵でしたね。
動きがすばしっこくて、とにかく元気にステージ上を走り回っていた印象です。
リングを体に沿わせて体の正面から後ろに転がす動き、いわゆる「肩パタ」を武器として、その技を中心とした構成でした。
日本の、いや、ジャグラーの好む演技であったといえます。(無論、他の技もありましたが。)
あまり見たことのない技が多く、演技への工夫、挑戦が感じられました。

女性部門は4名の出場でした。
例によって、部門ごとの感想を書きます。

まず、女性部門一つとってみても例年以上のハイレベルな戦いだったのではと思います。
4人を比べたとき、
ドロップの少なさ、決めた技のレベルの高さから間所さんの優勝は堅いと思いましたが、
一方で2位3位は予想しづらかった。
完成度は須田さん、エンターテイメント性は土井さんに軍配が上がっていたと感じましたが、
それ以外の部分はほぼ同率だったと思います。ほとんどの審査員がこの二人を2位3位とつけていたのではないでしょうか。
たとえJJFでも、出場が常態化して常連になってくると見る目が厳しくなってきます。
そういう意味で、須田さんが割を食っているのではないかと考え、同率なら須田さんだろうと考え、
僕の予想では1位間所さん、2位須田さん、3位土居さんという順位でした。
実際は2位3位が入れ替わった順位。後述するつもりですがきっと2位3位は僅差だったと思っています。

続いてチーム部門。
5. KK Staff(スタッフ)
チームでのスタッフというのは珍しいですね。他の大会でも見たことがありません。
一人が元気のいいキャラクターで目立っていました。もう一人まで対比となるキャラクターだったらもっと面白かったと。
(例えば比較的冷静で相手の目立ち方を冷ややかに見ているとか、目立とうとするもう一方をたしなめる役とか)
演技内容も揃うところは揃い、分かれるところは分かれ、ソロのパートもある等、
大変エンターテイメント性のある演技だったと思います。
そもそもスタッフの演技というものが珍しいから、全ての技が目新しく見えるのも上手く使っていたと思いますね。
ドロップもほとんどなかったという記憶です

6. MaKUMA(ボール、矢印の書かれた板)
中部地区を代表するジャグラー、コータローさんと、我らサークル、じゃぐなぎの誇るマルチジャグラー、じゃぐたくさんのコンビ。
練習会で熱心に練習していたことも知っているので、彼らが舞台に立ったときは正直ぐっと来ました。
誰かに聞いたような気がしますが、矢印というのは舞台上においてとても強いモチーフです。
動きを表すし、向きを表すし、注目したいものを指します。
そんな矢印の板を使いながら、ボールが消える、どこかに移動する、現れるなど、マジック的演出を取り入れながら、観客を魅了しました。
全てルーチンが計算尽くされており、隙の無いパフォーマンスだったと思います。1回ドロップがあったくらい。
完成されており、どこへ出しても絶賛されそうな演技。ここで終わるのはもったいないんじゃないですかね。

チーム部門は2組。
順位は1位MaKUMA 2位KK Staff予想で、この通りでした。
自分の身内だからと多少贔屓の目があると差し引いたとしてもMaKUMAが良く、強いて言うと「難易度」が高いパートが無かったくらい。
KK Staffもすばらしかったとは思いますが、チーム部門には「チームであることを有効に利用している」というテーマがあるように思いますから、
終始「二人であること」に意味のあったMaKUMAがこの面でも上回っていたように思います。
どちらのチームも所属するサークルとしては別々のサークル、いやむしろ、別の県の出身者のペアだったとか。
それは本当に素晴らしいことと思います。いいですね、そうやって仲間が増えていくのはうらやましい。

ここからは男子個人部門です。演技順をメモって無かったので出てきた順が違うかもしれません。
7. 市川卓(ボール)
社会人ジャグリング仲間であるタカシさん。パパになってもプロや学生に混じっての出場は本当にすばらしい!
ロシアンボールを体の上に乗っけてバランスをしたり、手を使わずにそのボールの位置をずらすなど、
「この人に重力は働いているのか?」と思わせるパフォーマンスでした。
技→それを利用した大技→更なる大技→更なる大技→……
というパートがルーチン中いくつも散りばめられており、観客としては叫び続けて声が枯れるかと思った。
ジャグラーは手のひらを使わずとも観客をここまで魅了できるのかと。
表情も常にクールで統一されていてあまり観客のほうを見ない(いわゆる「第四の壁を越えない」)スタイルで統一されていました。
いやー、えぐかった。
観客としてはいきなりこれかよと。 いやでもこの後の出場者に期待してしまう演技でしたね。

8. 工藤正景(ディアボロ)
昨年JJFチャンピオン。正確無比なディアボロが持ち味です。
序盤~中盤に差し掛かるあたりで多くの上級ディアボロ使いたちが「トリ」の技に使う4ディアボロが出てくるなど、
「このあとどんな技が飛び出してくるのか!?」という期待を持たせる演技でした。
ディアボロの縦まわし(バータックス)からのトリプルピルエットなど豪快な技。そして、綺麗な姿勢。
最後までディアボロを一回も床に落とすことなくルーチンを終えました。
彼はとにかく演技中の姿勢が綺麗でキレがありますね。
身長の高さもあって全部の技が豪快に見えます。

9. 粕谷匠(フラワースティック)
IJAチャンピオンシップジュニア部門で優勝してきたばかりのフラワースティック使いです。
当たり前のように3本のフラワースティックを操っていましたね(しかもその時間がとても長い!)
2フラワーのところとかあったのですが、ピルエットやボディーロールが駆使されており、
とにかく観客が盛り上がっていました。
多少のミスも何のその(リカバリーも早い!)ひたすらノーガードで強いストレートを打ってくるタイプの演技です。
「火力型」とでもいいましょうか。
とにかく打ってくる一つ一つの技が重く、それが「決まる」ので観客のボルテージもどんどん上がりますね!

10.谷岡海人(クラブ)
ケントカイトの弟、カイトの登場です。
彼は小学校時代からやっていて、今は高校生でしょうか。そうなってくると高校生と言っても経験年数は長く、
しかも練習時間も長いですから、その技術は推察できると思います。
まず、過去の彼に比べて「うまくなったな」と。それは、技の難易度も勿論なのですが、
ジャグラーのつぼを的確についてくる、つまり、観客にあわせた演技ができるようになってきたということです。
フラットスピンやショルダースロー、リバースショルダーを武器として大技を繰り出してくるスタイルで、
しかも、演技の密度が濃かったですね。
ほとんどドロップらしいドロップはなく、そして最後は7クラブ!これは一発で決まる!
クラブの演技でドロップが少ないことがどれだけ偉大か!
構成ではまだまだ伸び代を感じますから、きっともっと上手くなるんじゃないかと思います。

11. 武倖平(ボール)
彼もJJFチャンピオンです。様々なプロの舞台に立つことで、さらに動きが洗練されてきました。
近いうちに色々な舞台で彼の名前を見ることになるでしょう。
相変わらずの技術レベルの高さに、洗練された動きも加わってますますパワーアップした印象があります。
勿論技術面でもため息のでるようなすごい技をバシバシ決めていました。
床に多くのボールを置いておいたのはどこにこぼしてもすぐに演技に戻れる配慮ですかね。
そんなところも、技術だけではなく演出面が強化され、多くの場所で経験をした結果なのでしょう。
おそらくですが、JJFの先に見据えたものもあるように思います。自分のスタイルを是非とも貫き通してください。

12. 矢口純(デビルスティック)
3人目のJJFチャンピオン。デビルスティックの使い手です。
まず、デビルスティックを当たり前のように2本回しますが、本来なら2本回すことがすごい。
それをキープしつつそこにさらなる技を加えることができるのは練習に練習を重ねた人だけです。
彼の場合は特に、1本を回しながら、もう1本の回転速度や向きを完全にコントロールできていいます。
2ルーチン目はすごいロングスパンで2デビルを回し続けながら1つ1つ技を決めてどやがおをする、というスタイルは
矢口君ならではのものだし、そう簡単に他のジャグラーが真似できるものではない、彼の到達したスタイルなんだと思います。
ミスの少なさもあるのですが、彼の場合、技をやっている間に一歩も動かない、
つまり、「おっとっと!」ということさえ無いことがすごい事です。どんだけの安定感なんだよと。
最後は1本のセンタースティックを顔でバランスしながらのデュアルデビルスティック。
手元で操る3デビルスティックが見られる日も近いかもしれません。

13. 吉川健斗(デカボール)
サーカス出身のプロパフォーマー。ちなみに僕は彼のファンです。
まず高い一輪車に乗っての始まり、そしてポールをバランスして……いきなりの5ボール!!!
そのボールもただのボールではなく通常の状態でも扱いに苦慮する大きなステージボールです。
そしてボールを3つにしてルーチンをするわけですが……
いやぁ、なんかもう感想を書くのがおこがましい。ショーの最中ずっと眩しかったです。
会場中が彼の虜になるのがよくわかりました。
特に観客をあおるわけでもないのに手拍子まで起こる!!
2008年の僕以来ではないでしょうかw(しかし手拍子が起こった状況は僕はキャラ的なものもありましたがそれとはまったく違う状況です)
吉川さんの演技を以前見ている僕からすると、多分今回の吉川さんは本調子じゃなかったと思います。
ただ、ドロップをした時もただでは起きないんですね。必ず「おいてあるボールを拾う」
ことを技としてやるんです。そこがもう、流石であると。僕もこういうところは見習っていきたいです。
正直、彼の実力は6分間では語りきれないので、彼に魅了された人は是非彼の生パフォーマンスを行ってください
もっと虜になると思います。

14. 中西隼斗(コンタクトポイ)
正直この後はつらいだろうな……と思った吉川さんの後で、どうどうとしたポイの演技を見せてくれました。
最近のポイはジャグリング的なリスクのある(つまり、落としたりすることもある)技も多く、
特に彼の操るコンタクトポイについてはその傾向が強いものです。
通常ならポイの演技というのは開始すると演技が終わるまで拍手が起こらないものなのですが、
彼の場合途中で「おお!」とざわついたり、拍手が起こったりと、難易度的にもすごい演技なんだぞということが伝わってきました。
あとはやはり動きが美しいですね。
当然のようにノードロップでしたが、リスクのある技をあれだけこなしてノードロップというのは素晴らしいです。

15. 鈴木拓弥(クラブ)
このメンバーの中オオトリというのは結構きつかったんじゃないかと思います。
まず、最後と言うのは本当にメンタルがしんどいんですよね。ほかの人の演技を全部見ての自分ですから。
(僕の持論ですが、会場があったまっていないことを除けば最初が一番気が楽でいいです。)
火力と珍しさのバランスの取れたルーチンでした。特になかなかクラブでほかの人と技の差異を出してくるというのは
なかなか難しいものがあるのですが、その部分でも妥協せず、技術面でも妥協をしない演技と言うのは
なかなかできるものではありません。
変にキャラクターを演じるのではなく、淡々と技をこなしていて、大技も多く成功させていたし、
強烈なライバルたちに隠れがちではありましたが、観客を魅了していたと思います。
最後は7クラブまで決めましたし、素晴らしいスキルを発揮していたと感じます。

男子個人部門は、今年はまた「史上最高」の戦いが繰り広げられました。
何故このすごい舞台を生で、ごく一部のジャグラーしか見ることができないのでしょう。
正直全ジャグラーに生で見てほしいし、なんなら一般客も入れてこの戦いを見てほしいです。

とあるジャグラーが、演技を見た結果「全員優勝でいい」といいました。
僕もまったく同じ感想ではありますが、日本のジャグリングがここまで発達したのも、「順位をつけてきたから」という思いもあります。
つまり、競い合うことでお互いに切磋琢磨をしてその結果毎年審査員を悩ませることに繋がっているんだと。

僕が見た直後の感想では
1位 市川さん 2位 谷岡さん 3位 粕屋さん
でした。

市川さんと粕谷さんは観客席がすごく盛り上がっていた。
カイトは単純に決めた技のレベルの高さです。

ただ、ノードロップだった工藤さん、次いで完成度の高かった矢口さんあたりは入ってもおかしくないんじゃないかと。
周囲の評判では吉川さんを推す声が多かったですが、この時の僕は「本調子じゃなかったなぁ」という印象が勝っていたので入らないのでは?と思っていました。
まあ、審査は本来ステージ上で行われたことがすべてですから、調子の良しあしなんて関係ないんですけれど。

結果は
1位 谷岡さん 2位 吉川さん 3位 矢口さん
でして。

このとき思ったのが
「まあ、今回は誰が優勝してもおかしくない大会だったから、
 ルール通り審査員個人個人のつけた順位を単純に足して出た結果がこれなんだろう」
と。

後から冷静になってこの順位を分析してみると、
まず、谷岡さんの演技はほぼドロップの無い完成度の高い演技と、あとはやはり決めた技の難易度の高さがずば抜けて高かったこと。
吉川さんは観客をとりこにしたエンターテイメント性や構成力。
そして一輪車やデカボールといったこれまでJJFでジャグラーが使ってこなかった道具を使っていたという希少性が評価されているでしょう。
矢口さんはドロップがほぼなかっただけでなく、技を決めたときにほぼ動かないという意味でのとても高いレベルの完成度。その上で彼が出す独特の雰囲気はエンターテイメント性が高かったと言えます。無論、決めた技の難易度も高い。

他のかたがたもすばらしい演技だったことに間違いないのですが、
入賞したかたがたは各審査のポイントにおいて、「2つ、3つ以上のアツアツポイントがあった」ということが言えるんじゃないかと思います。
例えば市川さんなら希少性、工藤さんなら完成度など、
入賞者と競える、あるいは上回る評点もあったと思いますが、上位に進出するには一つだけでは届かないということなのではないでしょうか。

いや、しかし正直

こんな分析は後づけのこじつけにすぎません。

このハイレベルなJJFに出場してみたい人。まず、ルーチンを作りましょう。
「このルーチンは妥協をしていない俺の演技だ」と。
そういえるものを作ってみてください。
そして、その演技を撮影して自分で振り返って見ましょう。
全ての動き・技に意味はありますか?(良い構成ですか?)
観客を意識していますか? あるいは、観客をまったく意識しないのならそれでもいいです。
それが中途半端になってはいけない。
観客にアピールするならする、しないで自分の世界に閉じこもるなら閉じこもるを徹底していますか。
全国の腕利きのジャグラーが見て驚愕する技が随所に入っていますか。
それを通して何度かの練習の中でノードロップで演じきることができますか。
そして、これが一番ハードルが高いですが今年の入賞者よりすごいと思える演技ができていますか。

厳しいですが
「予選突破を目指す人」は多分予選に落ちます。何故なら同じように予選突破を目指す人が多いからです。
入賞、優勝を目指している人にこそ予選突破の報が訪れるのではないかなと思っております。

さて。
今回の話はもう少し続きます。

チャンピオンシップの翌日ですが、
JJF内のイベントでワークショップが開催されまして、「模擬審査を実際にやってみよう」というものがありました。
個人個人に審査員が使った採点表を模したシートが配られ、実際に得点をつけてみるというものです。

これがまた、審査表を前にすると順位が変わるもので、
1位が 市川さん、谷岡さん、吉川さんが同点。
次いで4位が矢口さんと粕谷さんが同点。その次が工藤さん。という順位付けになりました。
(審査は6位まで順位をつけます。)
昨日の順位付けは何だったんだよと。吉川さん入って無かったじゃんと。

まったく、その場の感情や個人的な思い入れで順位を言うもんじゃありませんね。

流石に同点で1位はまずいので、
一応あとは好みの順ということで、1位 市川さん、2位 谷岡さん、3位 吉川さんという順位に。
そして、僕はAグループの審査委員長を務めたのですが、
全員の分を集計してみるとあらびっくり。
1位 谷岡さん、2位 吉川さん、3位 矢口さんという、
前日に審査員が出した結果とまったく一緒の結果になったのでした。

ちなみに、チーム部門と女性部門も審査しましたが、
女性部門の2位と3位が逆転したところのみ違い、あとは一緒という結果になりました。

ちなみに、模擬審査はもう一つ班があり、Bグループでも審査結果を出しましたが、
そちらもAグループとまったく同じ順位となりました。

これは、僕にとっては目から鱗でした。

何が言いたいかというと、
観客席にいるみんなが、自分の思いで(しかし、公平に)ルールに従って得点をつけ、
順位をつけると、実際に審査員がつけた順位と同じになるのではないかということ。

「私はディアボロに詳しくないからしっかり評価できるかわからない」
「ポイは専門外なので」
という人の意見もひっくるめて、得点をつけてみると結果が似たものになる、
今回サンプル人数がそこまで多いとは言い切れないですが、
実際にこうも似た順位が出てしまうと、「きっとそうなる」と思わざるを得ません。

強いて言うと女子部門の2位3位が逆転しているくらいで、
上で書いたとおり、観客の立場からしても僅差だったと言えるので、
ここはしっかりと「僅差であった」ということが数字で出てきたのではないかと思います。

そういうことが発見できただけでも、
模擬審査と言うのはやってよかったと思います。
強いて言うとすれば審査が不慣れな人たちが多かったと思うので、
少し時間は多めにとっておいた方がよかったと思いますが。

2018/11/23 10:31 | ryuhan | No Comments