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2か月遅れとなってしまいました。
この間熊本大地震など、いろいろな出来事がありましたが、
まずはこちらを書かなければならないので取り急ぎ。
的を射ているアドバイスができていない部分もあるかもしれません。
今年はビギナー部門の感想も一緒にアップしてみました。
B1 カイン
今のシガーボックス使いを象徴する、
高さもある難易度の高いシガーボックスの技の応酬の鹿児島産シガーボックス使い。
技の難易度の高さは他のシガーボックス使いに比べても引けを取らず、
シガーボックスの大会でいい成績を残せる力は充分あると思います。
<アドバイス>
現状曲に合わせてできる技を並べただけになっており、
このままではもったいない。技を生かせる演技構成を考えてみよう。
「小技」を活かせるようになると強くなると思います。
B2 ぐっち
女性シェーカーカップ使い、まだ10カ月という短い歴でステージに立とうとする姿勢をまず評価したい。
大会では衣装も普段通りだったりする人もいますが、きちんとした格好であったのは好感が高いです。
まず、シェーカーカップと言う道具はなかなか見ることができないので、
かなり独学で頑張らないとならない道具であり、少し他の人よりハードルが高いんですよね。
ちゃんとルーチンができていることだけでも素晴らしいと思います。
<アドバイス>
今は技のバラエティをそろえていくことが大事ではないかと思います。
ただ単に難易度の高い技を成功させることを目標にするのではなく、
いかに多くの技を覚えておくか。
ぱっと見なるべく「どう違うのか」が伝わるような技を中心に覚えておくといいでしょう。
これは、大技に限らず、小技も多く。
ルーチン作りをするとき、多くの技の中から今回見せたい技を厳選できるよう、
技のバラエティは豊富にとっておくにこしたことがありません。
B3 パニーニ
ぐっちさん同様10カ月でステージに立つという姿勢を評価したい、女性ディアボロ使い。
しかも、彼女は10カ月とは思えないくらいルーチンにドロップが少なく、
また、演技の内容も周囲を見ているからか、よくできていたと思います。
<アドバイス>
どこが悪いということは無いので、全体的に強化をしていくのがいいと思います。
例えば難しい技をできるようになること。
ステージのたち振る舞いを覚えていくこと。でしょうか。
多くの演技を見て、幅広くジャグリングの見せ方を取り込んでいきましょう。
B4 サンサン
エキスパート部門で出ていたとある人が別の道具(けん玉)でビギナー部門に挑戦。
勿論ルール上は問題ありません。
流石にステージ上の動きはビギナーとは言えないくらいこなれていたか。
<アドバイス>
残念ながら、「けん玉」をジャグリングのレベルとして昇華させるには技のレベルが足りないと考えます。
ところどころ「おおっ!」という技はあったのは事実ですが、まだ技の数/難易度共に物足りない。
とはいえ、盛り上げてくれるつもりで参加していただいたのでしょうから、
そんなアドバイスを送るのも無粋かもしれませんけどね……w
B5 ヤリザP
昨年に引き続き参加してもらった沖縄県からやってきたシガーボックス使い。
ノリノリの音楽で演技してくれました。演出も努力しているなと言う印象は受けました。
それから、なかなか面白い技を多く持っていて将来性を感じます。
<アドバイス>
ルーチンの作り方について、音楽とポーズは面白かったと思います。
ただ、「できる技を並べて、ちょっとおもしろいポーズをとってみた」だけであると伝わってしまっていてもったいないです。
ルーチンを自己満足で終わらせず、お客さんの目で見てみましょう。
どうしたら観客に面白くキャラクターが伝わるか、技をやったときに拍手をもらえるかの観点で
ルーチンの構成を考えてみてください。
B6 aki
何故彼がビギナー部門なのかと、誰もが思ったであろう超絶デビルスティック使い。
審査員が全員全項目に「A」をつけているのが何よりもの証拠。
ただ、主催者の意図としては彼のような人が出たとしても他の人の審査に影響がないという目論見があったので
勿論こういう形のエントリーも歓迎です。
特にアドバイスはありませんw
安定感/技のレベルなどは間違いなく日本でもトップクラスのデビルスティック使いで、
構成も申し分ありません。
大技の練習もされているようで、その安定感が上がれば一気に今年の日本人ジャグラーの
台風の中心に来そうなくらいの実力があります。
E1 スミス
ホーム静岡県立大学ジャグリングクラブ五臓六腑のシガーボックス使い。眼鏡のスミス。
投げたシガーボックスをだるま落としの逆のような感じで間にシガーボックスをはさみこんでバランスを取るなど、
あまり見たことのない技が多く、もう少しすると日本のシガーボックスのトップクラスに次ぐくらいのレベルには
なりそうな気配もします。
<アドバイス>
本人も自覚しているようですが、立ち上がりのミスの多さが目に付いてしまいました。
(むしろ、後半立ち直ったことに関しては逆にとても凄いと思います。……僕は前半で崩れると後半もぐだぐだになるため。)
ルーチンの前半から飛ばしていくという方針でもいいっちゃいいのですが、
まずは観客と自分との間の緊張を取り除いていくところから。つまりはもっと確実性の高い技から
初めていくのが良いのではないでしょうか。
E2 ひろた
ご存知ひろたくんは今回ハットという新しい道具をひっさげ、ボール&ハットの二種目で挑戦。
IJAチャンプとなりながら、さらに上を目指す姿、見習わなくてはなりません。
相変わらず演出の「濃さ」は健在で、彼の場合はちゃんと曲のテーマに合わせてネタ(まさにネタ)を
仕組んでくるところが、いわゆる「大道芸」にも通じるところがあり、大変好感が持てます。
彼が本気になったら20分くらいのショーも一人でこなせるようになってしまうのではないでしょうか。
<アドバイス>
今回彼にしては珍しくドロップが目立ち、それは二番手で会場がまだ温まりきっていない中
観客の声援が少し少なくて調子を崩してしまったのか、照明が良くなかったのか、色々な要因があると思うのですが、
ただ、「目立った」と言ってもリカバリーが早いので、実はそこまで気にならなかったのです。
ドロップしても何かそのドロップを利用した一ネタがあったりすると余裕が生まれると思いますので、
決められたルーチンではなく、ときには大胆なアドリブを入れることができるなど、
精神的余裕があるとまた変わってくるのではないでしょうか。
E3 かとけい
珍しいスタッフ使い。ダイナミックな演技を見せてくれました。
スタッフという特殊な道具の面白さがよく伝わっていて面白い演技だったと思います。
特に、3本使った技は演技としても大きく見え、ジャグリング的にも面白く、迫力がありました。
<アドバイス>
スイング系の道具をジャグリングの観点から評価するのは難しいのですが、
同じ速度で回転させているとメリハリがきいていないように見える傾向にあると思います。
時にはゆっくり、ときにはスピードをつけて回転させるなど、演技の中に起伏をつけると変化を感じます。
勿論、スタッフを早く回転させるためにはかなりの筋力がいるはずですから、
逆に通常の速度をもう少し落とし目にするなどという工夫が必要になります。
特に2曲使っているわけですから、1曲目と2曲目では対照的な雰囲気でやってみるなど、まだ改良できる点は多いと思います。
やっているときの表情まで意識して演技に取り組んでみてください。
E4 とり☆めし
男女二人組のデビルスティッカー。終始笑顔を忘れていない演技が印象に残っています。
二人ともかわいらしいキャラクターでよかったですね。
演目内容にもとても工夫がみられ、なんとか独創性を出そうという気持ちを感じました。
<アドバイス>
舞台の上でやるというのは緊張が付き物で、やはり慣れていないとドロップがあることでしょう。
特に二人組以上の場合は、落としたときにどこからスタートするかを迷いがちで、
二人の意気を合わせるのがとても大切です。
ルーチンを「通して練習する」というのが大事で、ミスをした時のリカバリーを
ちゃんと身につけておくと精神的に余裕が生まれるのではないかと思います。
E5 おーや
静岡のディアボロ使い。この大会では、オール1ディアボロで挑戦。
まず、演技中の姿勢がきれい。さすが数々の大会をこなしてきただけのことはあります。
ステージ上でもとても余裕がうかがえ、あまり緊張せずにパフォーマンスできていたと思われます。
普段と変わらないでできたのか、ドロップが少なかった印象があります。
<アドバイス>
ディアボロ単一の大会ではなく、ジャグリングの大会で求められるのは
ジャグリング的な難易度、技の派手さなのではないかなというのが僕の意見です。
インテグラル系などの技の面白さは感じるところではあるのですが、
飛びぬけて「この人馬鹿だなぁ!!」と思わせるような技の存在があるとさらに高得点を得られるのではないでしょうか。
E6 金令木
バトントワリングの技をベースとした技が組み込まれたクラブジャグラー。
クラブを空中で跳ねさせたり地面と平行なスピンで投げるなどは普通のクラブ使いではなかなかできない技。
高度な技が光った内容と思います。
途中、髪を縛るという演出は舞台下の需要をよくわかってらっしゃると感じました(笑)
<アドバイス>
演出で髪を縛る箇所がありました。それだけだと唐突な感じがするので、もう少し面白い演出が多くても良かったと思います。
例えば、最初はスーツ+メガネとかで、スーツ脱いで演技開始→途中で眼鏡置く→途中で髪縛る
など、ストーリー性が感じられるだけでぐっとおもしろくなるのではないかと。
技の難易度は十分のものを持っていると思いますので、
あとは、こういう舞台の上でもできる機会がたくさん持てるといいなぁと感じました。
E7 井本賢
最終的に6つまでのハットを使ったハットジャグラー。
前半はほとんどミスがなく、スピーディーでかっこいい、正統派ハットの演技を披露してくれました。
演技中の姿勢がきれいで、ダイナミックに見えましたね。ステージ映えもしていました。
最後、アドリブで技を決めたところにはショーマンシップを感じました。
<アドバイス>
2曲目の演目が少し背伸びし過ぎた感があります。
それぞれがかなりの大技で、決まれば凄かったのですが、やはり決まらないことには評価ができません。
練習では決まっていたかもしれませんが、やはり、照明・当日の精神状態・体調等、
事前にはわからない情報もたくさんあるでしょうから、
「決まれば凄い」技と言うのは入れすぎないのがいいのではないかと思います。
E8 沓間 弘樹
東北からやってきた正統派トスボールジャグラー。
やった技もまさに正統派。実にスマートな演技だったと思います。
演技中の姿勢がいいのも奇術研究会の方ならではという感じがします。
舞台の使い方もうまかったですね。
<アドバイス>
照明が厳しかったでしょうか。
今回のステージ、ステージ上のありとあらゆるところから照明が来ていたため、
割と逃げ場がなくてつらかったのがあるかもしれません。
ただ、ジャグラーが舞台に立つと概して照明にやられるものです。
こういう状況で平常な演技ができるようになるためには、人前に立つ経験がとても必要。
特に、コンテストの場合、「いつもは拍手がもらえるタイミングで来ない」ということも往々にしてあります。
多くの経験を積んでくださいね。
E9 hanehituji
沖縄産の活きのいいシガーボックス使い。
まず、大技中心の構成で攻め込んでくるところが、現在でもシガーボックス界のトップクラスを走る
稲葉君のインスパイアなんだろうなと好感が持てますね。
失敗こそ確かにあったのですが、しっかりと大技を決めていました。
シガーボックスの技とは思えない高さのある技で、迫力も満点でしたね。
<アドバイス>
hanehitujiくんのシガーボックスには、2つの将来があると思います。
ルーチンとして完成度を高くしていくか、それとも難易度をさらに難しくした上で精度を上げていくかです。
ルーチンとして完成度を上げていくのだとしたら、もっと音楽を意識した作りをするといいでしょう。
ジャグリングだけでなく、音楽やダンスのことを少しかじってみても損は無いのではないでしょうか。
一方で、もし難易度をさらに難しくして精度を上げていく、いわゆる「技の暴力」を目指すのであれば、
選曲した音楽が主張しすぎです。歌詞のない曲、さらに起承転結のない曲でもいいと思います。
昨年JJF優勝のなごつき君の演技など参考になると思います。
E10 小辻太一(優勝)
現在静岡にお住まいのコツジさん。表情・動作、どれをとっても完璧なキャラクターで、
さすが多くの舞台を経験しているだけはあるなと思いました。
勿論それだけではなく、技のレベルも高く、またドロップも少なく、完成された演技。
JJF等、技術よりの大会では評価されにくいのかなと思いましたが、
じゃぐなぎ杯では審査員からも高評価を得られ、よかったです。
<アドバイス>
強いて言うとしたら、スタート30秒間くらい無音のところがありました。
これはもちろん音楽にそう入っていて、「ん?」と観客にも思わせる演出の一つだと思いますが、
流石に長すぎで音響担当も不安だったのではないでしょうかw
もう少し舞台スタッフにやさしい配慮をしていただけると主催側としては助かりますw
それ以外に何をアドバイスしろというのでしょう。
今度どこかで一緒に舞台企画してくださいw
E11 じゃぐたくさん
じゃぐなぎきってのジェネラリストであるじゃぐたくさんが今回は自分のメイン道具であるディアボロで挑戦。
1ディアメインでの出場とのことでしたが、技のバラエティの豊かさが素晴らしい。
要所要所で「おおっ」と盛り上げる演出を入れるなど、以前よりはるかに成長していて嬉しく思います。
<アドバイス>
やや安定志向が強かったと思います。リスク承知の技が1~2あっても良かったと思います。
単純にハイトスして4回縄跳びをしてキャッチとか。
ディアボロの大会ではなくジャグリングの大会であり、単純な技でもりスキーなら拍手をもらえるはずです。
概してジャグリングの大会は派手な技が多いのが好まれますから、技の独創性と合わせ、
そういう「単純に難しい」技があっても盛り上がると思います。
E12 ほーしん
中部のジャグリング公演IaK0T仲間であるほーしんさんの出場。
デュアルデビルを回しながら平気でトリックを出してしまうところあたりにレベルの高さを感じます。
キャラクターも中立を保っており、ベテランの貫録を感じました。
今後のほーしんさんの目指す道にもよるのですが、実力者だけに、是非とも注目を集めてほしいところです。
<アドバイス>
奇を衒った演出はしなくても充分技だけで色々な大会に挑んでいける実力を感じました。
が、最近のデビルスティックの技のレベルのインフレーションの中において、
大会で何かしらのインパクトを残すためにはさらなるえぐめの技か、ハイレベルな完成度が必要と感じました。
いわゆる「綺麗になりすぎない」というやつで、一発で観客の全員を「うお!」と言わせられるようなドギツイ技があるといいですね。
E13 かまなる
同じく中部ジャグリング公演IaK0T仲間であり、かなり初期のじゃぐなぎでも3位以内入賞を果たしたことのある
かまなる氏の参戦です。
コンセプトはいわゆる「ショーンスタイル」の3ボールとそれより多い数のミドルナンバーズの演技。
(※ミドルナンバーズとは僕が勝手に読んでいる言葉であり、一般的ではないと思います)
マルチで正統派なボールジャグラーを目指している姿、素晴らしいと思います。
正統派ジャグラーはどんな大会に出ても強いと思います。ぶれないで続けてほしい。
<アドバイス>
今回ややルーチンが崩れ気味だったのは「照明のせい」だと言いきってしまっていいと思います。
(それは、本当に照明がジャグリングの邪魔をしてミスをするというのも含みますが、
照明がある舞台に慣れていないという意味でもあります。)
それよりは、序盤で失敗した後の立て直し方を脳に覚えさせておいたほうがいいのかなと。
ミスが続いた場合の精神の持ち方。通常ではなかなか難しいところですが、
練習を繰り返していると、調子が悪い時にミスが出続けるということはあると思います。
そういうときこそがチャンスであり、そういう時に精神を立て直す練習をしておくとよいと思います。
E14 ハヤト
かの有名なナランハジャグリング部ハヤトさんの参戦。昨年JJFに出場し、その勢いのままじゃぐなぎ杯にも出場していただきました。
技のレベルも、演技の内容も隙がなく、語彙が少なくて申し訳ないですが「上手い。」
ドロップも少なく、ディアボロ勢が大会に慣れていることを象徴しているかのような演技だったと思います。
<アドバイス>
今回は3位入賞という結果でしたが、
さらなる上位の大会で上位の成績を目指すのであれば、さらにここから発展させていかなくてはならないと思います。
それは、技のレベルであったり、演出の派手さであったり、とにかく全体的にです。
完成しているものがあり、さらにそれを上回るものを作っていくのはとてもハードで、
特にハヤトさんのような名前が知れてしまっている人になると、本当に厳しいものです。
ですが、それがないと成長しませんよね。
(そして、これは僕も同じで、多くのジャグラーが感じていることでしょう。)
E15 丸山修平
予選ビデオを見たときに、「今年彼を色々な大会で目にすることになるだろう」と直感した人。
何年か前にじゃぐなぎ杯に出場していただいたのですが、その頃からさらに輪をかけて上手くなっていると思いました。
まずは技のレベルの高さ。
そして、技と技のつなぎのクラブの動き、一つ一つが「難易度の高い動き」をしていて
圧倒的なパフォーマンスだったと思います。
<アドバイス>
あまり多くのアドバイスはいらないなと思いますが、
強いてのアドバイスをするとしたら、ルーチン練習はビデオで撮影しておいて後でちゃんと見返し、
反省点等を都度挙げておくことかなと思います。
既に技のレベルも演技のレベルもジャグリングの大会の上位に入れる実力があると感じましたが、
ビデオで自分の演技を見返してみて、細かいところを修正していくことでまだ演技が磨けるのではないかと。
E16 八巻奈央
えぐい技を多数持つフラワースティック使い。
スティック系はこうでなくてはというくらいレベルの高い技の応酬で、見たいものを見せてくれたなと思います。
隙なく続く大技の連発が素晴らしかった。
演技にも貫禄があって、ミスをしてもあまり動じずに立て直せるメンタルの強さも素晴らしいなと思います。
<アドバイス>
奈央君の場合、アドバイスするとしたら演技の完成度に尽きると思います。
ドロップしたときにあっさり拾ってしまうので、ほとんど演技に影響はしていないと思うのですが、
(つまり、ドロップしたことに対してあまりダメージが大きくない)
やはりドロップは少ないに越したことは無いですから。
大技はとても素晴らしいので、小技のコンビネーションの練習を強化するのもいいと思います。
<総括>
優勝は3ボールの小辻太一さん、
じゃぐなぎ杯は、「キャラクターを持っていたり、独特の世界観を持っている人が強い」
という分析があるようですが、まさにその分析通りの演技が優勝しましたね。
2位の丸山さんもそうです。
ただ、この二人に関して言えば、キャラクターや世界観はもちろんのこと、完成度も高かったことが評価につながったと考えます。
今回は「ステージの上」という、これまでのじゃぐなぎ杯とは違った状態での開催となりました。
じゃぐなぎ杯という大会は、元々JJFやIJAに向けた下準備のために腕試しとして使ってほしいという理由で主催し始めた大会ですから、
この大会を経て「ステージに立つということがどういうことか」ということを
初めてステージに立つ人は実感できただろうし、
何度もステージ立っている人でも経験をさらに積めたのではないでしょうか。
(僕も、いまだにステージ上の演技と言うのはテンパります。)
<今後のじゃぐなぎ杯について思うこと>
この後はじゃぐなぎ杯の今後についての話。
じゃぐなぎ杯は審査方法と言うのは実はなんやかんやで毎回見直しをしていまして、
例えば前回まで「技術点」「演出点」「完成度」の3つそれぞれに各審査員ごとの偏差値をつけ、その偏差値を合計したものを点数とする
(つまり、平均点は150点となる)
……という方式でしたが、今回は、
「技術点」「演出点」「完成度」の3つの合計の偏差値を点数としました。(つまり平均点は50点になる)
このやり方はまあよしとして、
各カテゴリの点数の付け方について少し。
「完成度」は言わずもがな演技の「デキ」であって、この項目がない場合、できもしない技をガンガンにやり続けて
技が決まろうが決まらなかろうが「盛り上げたもん勝ち」にしないための配慮。
(実際盛り上げたもん勝ちというところは無いこともないが。)
この項目があるからこそ「リスクの大きい技を取るか」それとも「無難に決めていくか」という葛藤が生まれるわけです。
なので、この項目は外すつもりは無いです。
一方で、「技術点」「演出点」について。
舞台上でのジャグリングを競技としてみなしたとき、例えば、すべての競技者が自分がやりたい通り完璧な演技ができた
(つまり、(演出としてのドロップを除いた)ドロップが無く、姿勢のふらつきも無かった)場合、
それ以外で評価される点は2つあると思っています。
それが、「決めた技の難易度(=当然技の数が多ければ多いほど評価は高くすべき)」と、「ルーチンのセンスの良さ」の2つです。
例えば、極端な話ですが、
「ただその場に突っ立って3ボールカスケードを行うだけの演技」より、
「ただその場に突っ立って5ボールカスケードを行うだけの演技(=決めた技の難易度が高い)」や、
「最初にトランクからボールを出すところを見せて3ボールカスケードを行ってフィニッシュでポーズを決めた演技
(=ルーチンのセンスの良さが高い)」の方が評価されるべきです。
僕は前者を「技術点」として、後者を「演出点」と呼ぶことにしていましたが、
これら二つの項目は、ジャグリングが多様であることと同様に
人(審査員)の感じ方と言うのもさまざま。
とても抽象的な評価ポイントである「演出点」は勿論ですが、
「技術点」も、例えば人によって「3ボールカスケード」と「シガーボックスの中抜き」ではどちらが難しいかわからないように、
多くの技について、絶対的に評価できる人がいるとは思えません。
だからこそ、審査員と言うのは「観客の代表」であり、
本来なら観客として見に来た人から無作為に指名してその人に評価させるというのが正しいのかもしれません。
が、例えば、
「5ボールカスケードはできるけれどシガーボックスはできないから、5ボールの方がシガーボックスの中抜きより簡単!」
……というような評価をする人がいないように、
「ジャグリングの経験は豊富」で「公平な審査をしてくれそう」な人に審査員をお願いすることになります。
「技術点」と「演出点」について、
なるべく意図したとおりに評価してもらえるよう、来年から
「技術点」「演出点」という名前で無く、「技点」「ルーチン点」のような呼び方にしようかなと考え中。