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2013/12/11

大きな東京の真ん中にぽっかりと下町が映る

寒空の下で透き通った空を見上げながら

ひとつの路地を見つけた

なにがあるのかなと覗いたら 一匹の猫がこちらを見ていた。

路地をぐんぐん歩いていくと

ぽっかりとした広場に出た

ここと ここが 繋がって

そこと あそこが繋がっていて

ここに出てくるんだとわかったら

なんだ

いつも遠回りをしていたんだと気付いた

幼いころ いっぽんの細い路地が気になって

あの奥はどうなっているんだろうと いつも

想像していた

セーラー服を着た私が その路地を通ったのは

中2のとき。

好きな先輩のあとをそぉっと着いていった

気付かれないように そぉっと

そぉっと行ったのに 先輩は振り向いた

どきっ として 知らないふりをした

先輩が卒業するその日

あの細い路地のずっと奥の真ん中で

第2ボタンをもらい 先輩を後にした

細い路地を走って走って気付いたら

広場にいた

今日みた 寒空の夕日

あの日の 路地。

2013/12/11 10:55 | shiho | No Comments