売れっ子声優ともなると物理的に忙しくなるわけですが…
あまりにも派手に忙しそうな人を見ると…
この人はいつ台本のチェックをしているのだろう?
なんて疑問が湧いてきたりします。
特にアテレコ系のお仕事がパンパンに詰まっている人っていうのは、家でリハV(リハーサル用の映像)と台本をチェックしなくてはいけませんので休まる暇が無いのではないか…なんて思ってしまいます。
しかも売れっ子っていう事は当然、沢山台詞があるような役ばかりだと思われますのでVチェックもかなり大変な筈なのです。
ところが…
そういう人に限って意外とケロっとしているというか何というか…もうそんな生活にも慣れたのかもしれませんがどこか余裕があるようなオーラを出していたりする人も多いような気がします。
主役をやって、次の日も主役なのに収録が終わったらみんなと飲みに行っちゃったりするような人もいたりして、大変な筈なのにドコからこんな余裕が生まれるのかしら~…なんて思った事もありました。
僕がアテレコをやり始めの頃などは、一週間位前にリハVと台本を貰って自分の台詞なんて一行、二行しか無いのに、その一週間毎日死ぬ気でVをチェックして自分なりに万全の状態を作って現場に行ったにも関わらず、そのたったその一行二行でもリテイクを出すなんてヘッポコな事をやっていた記憶もあります。
たった一行二行の台詞を一週間みっちり稽古できる時間があるにも関わらずミスをする。
かたや売れっ子さんは…
今日も主役、明日も主役~…みたいに他にも沢山仕事を抱えていて時間も無い&当然台詞量も多いにも関わらず素晴らしい芝居をミスも少なく提供できる。
もっと言えば、飲みに行く余裕もあったり下手したら遊ぶ暇だって作っちゃえる人だっていたりします。
この違いは何だろう
なんて思って色々悩んだ時期もありました。
経験の差
なんてありきたりな言葉ですが、大雑把に言えばそんなような事なんだと思います。
時間がある人っていうのは(上記したような昔の僕ですね)時間があるからってドコか甘ったれたチェックの仕方をしているんですよね。
売れっ子さんのように時間が無い人というのは、短時間で物凄く濃厚なチェックの仕方をしているんですよ。
短時間でチェックを終わらせなきゃいけない、しかも台詞が沢山ある、主役だ…などという色々なプレッシャーの中でするチェックと…
時間もある、台詞も少ない、あまりプレッシャーが無い…といった状況のチェックの仕方というのでは…
雲泥の差が生まれると思います。
当時の僕も、時間があるからと言って決して甘えたつもりは無いのですが、今思い返してみると非常に甘ったれたチェックの仕方をしていたと思います。
売れっ子さんは当然、時間が無いので物凄い集中力でVをチェックしていると思います。
その集中力は…
自分がそういう立場になってみないと身につかないものなのでしょう。
そういう諸々のプレッシャーを乗り越え…
それが自信となり…
そのプレッシャーの中で時間をやりくりできるスキルが身につくからこそ…
時間を有効に使える
…という事ではないかなと思います。
忙しい、忙しいと忙しぶっているようなのであればそれはまだ二流なのかもしれません。
自分がいかに忙しいと思っていたとしても…
僕よりもっともっと忙しい人がちゃんと素晴らしい仕事をなさっている現実があるわけですから…
『忙しい』という言葉は人前ではあまり使いたくないなと僕は思います。
え?お前はただ物理的に暇なんだろう?ですって!?
おほほほほーん(泣)!
今に見てろー!30年後にブレイクしてやるー!その時のワイは秒刻みのスケジュールやでー!それまでワイの存在を覚えていられるか勝負じゃー!むはははー!!
ヽ(*´∀`)ノ ナガイキシテネ
『忙しい』
という台詞を吐いても納得して頂けるような立場になれるように頑張りたいと思います☆彡