« | Home | »

2013/10/30

肌を追う。 肌色。人を描く上で誰もが一度は考える問題。

方法論は様々あるが、要するに複雑で、オイソレとは成しえない。

自分はというと、おおまかに2~3色で面による色味の変化を意識しつつ絵具を薄く敷き、

その絵具が完全に乾燥する前に、ベースになる色を重ねます。

ここまではわりとお決まりの作業。 (制作手記2、制作手記12の画像参照)

あとはモデルになっていただいている人の印象次第で、

豚毛などの腰の強い硬毛で、最終層まで不透明の絵具をしっかりと置いていくこともあれば、

極細の軟毛を使い、筆跡が残らないように努めることもしばしば。

 

今回のモデルのIちゃんは、サラッとしていて中性的な若者だ。

筆跡はある程度利用して男性の骨格を表現しつつ、透明感のある女性的な肌質にしたい。

(あらま。言葉にすると安易で陳腐すぎる。要はIちゃん的な肌にしたいのです。)

 

使用可能な有彩色3色を使い、黄みを帯びたおつゆ(絵具を溶き油で薄く延ばしたもの)を作り、

グレーズした。(透明色を画面に薄くかけること)

不安定に流動するおつゆを画面を振ったり、筆で撫でたり、またはウェスで拭き取ったりして、

イイ感じのニュアンスを感じたところで落ち着かせる。

人物以外の部分(仮に背景とする)で、おつゆがかかった部分は、

拭き取った後さらになにもない感じを意識して、 慎重に何でもない感じの色(白色寄り)を塗る。

 

肌。グレーズしたことで、彩度も明度も落ち込んでいる。

ここに、明部を中心とした白色の線を重ね、カタチを起こしていく。

全体が白っちゃけた。 白に近い淡いグレーは、細部の描き起こしには適していると思うし、

そこにマチエールでも絡めば、かなりの密度感が期待できる。

この白っちゃけた状態は、正直嫌いではない。

しかし、もう少し、若干、締まった感じが欲しい。

 

で、髪の毛だ。 写す意識で描いたら相当黒っぽい色。

それもいいかなと思って、黒っぽい色をベタっと置いてみようとして、 やっぱりやめた。

そうしたくなったら、その作業はいつでもできる。

とりあえず描いてから決めようと思って、黒っぽい色を3色ほど作り、 部分で変えながら、髪の毛を描く。

頭を描くというより、髪の毛を描く。

 

今日はここまでです。

isiz.6

 

2013/10/30 01:02 | fukui | No Comments