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肌を追う。 肌色。人を描く上で誰もが一度は考える問題。
方法論は様々あるが、要するに複雑で、オイソレとは成しえない。
自分はというと、おおまかに2~3色で面による色味の変化を意識しつつ絵具を薄く敷き、
その絵具が完全に乾燥する前に、ベースになる色を重ねます。
ここまではわりとお決まりの作業。 (制作手記2、制作手記12の画像参照)
あとはモデルになっていただいている人の印象次第で、
豚毛などの腰の強い硬毛で、最終層まで不透明の絵具をしっかりと置いていくこともあれば、
極細の軟毛を使い、筆跡が残らないように努めることもしばしば。
今回のモデルのIちゃんは、サラッとしていて中性的な若者だ。
筆跡はある程度利用して男性の骨格を表現しつつ、透明感のある女性的な肌質にしたい。
(あらま。言葉にすると安易で陳腐すぎる。要はIちゃん的な肌にしたいのです。)
使用可能な有彩色3色を使い、黄みを帯びたおつゆ(絵具を溶き油で薄く延ばしたもの)を作り、
グレーズした。(透明色を画面に薄くかけること)
不安定に流動するおつゆを画面を振ったり、筆で撫でたり、またはウェスで拭き取ったりして、
イイ感じのニュアンスを感じたところで落ち着かせる。
人物以外の部分(仮に背景とする)で、おつゆがかかった部分は、
拭き取った後さらになにもない感じを意識して、 慎重に何でもない感じの色(白色寄り)を塗る。
肌。グレーズしたことで、彩度も明度も落ち込んでいる。
ここに、明部を中心とした白色の線を重ね、カタチを起こしていく。
全体が白っちゃけた。 白に近い淡いグレーは、細部の描き起こしには適していると思うし、
そこにマチエールでも絡めば、かなりの密度感が期待できる。
この白っちゃけた状態は、正直嫌いではない。
しかし、もう少し、若干、締まった感じが欲しい。
で、髪の毛だ。 写す意識で描いたら相当黒っぽい色。
それもいいかなと思って、黒っぽい色をベタっと置いてみようとして、 やっぱりやめた。
そうしたくなったら、その作業はいつでもできる。
とりあえず描いてから決めようと思って、黒っぽい色を3色ほど作り、 部分で変えながら、髪の毛を描く。
頭を描くというより、髪の毛を描く。
今日はここまでです。