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2013/10/24

唐突ですが、こちらを読んでくださっている女性の方へ質問です。
あなたの一人称はなんですか?

 

突然こんなことを聴きたくなったのは、壇蜜さんのエッセイ「エロスのお作法」を読んだからなんですが、彼女の一人称は「蜜」なんです。それで、一人称ってすごく面白いなあと思ったのでした。
ちなみにエッセイ自体も学ぶところが多くて面白かったです。

 

壇さんといえば言わずと知れた昭和エロスの伝道者で、「綺麗だけどどこにでもいそうな、手が届きそうなお姉様」の代表者。女優さん達が「高嶺の花」の高級クラブホステスだとしたら、檀さんは場末のスナックのチーママ。高嶺の花には言えないようなちょっとエッチな冗談も優しく包み込んでくれそうな包容力が魅力のタレントさんです。

そんな方の一人称が、「蜜」。
男性の前では、きっととろーんとした声で「蜜はね…」なんて囁くのだろう(と推測する)。それはおそらくわたしでも喜んで財布の紐を緩めそう、っていうかその前にデレデレになりそうなほどの可愛らしさであろうと想像できる。

 

でも、なかなか自分の名前を自分で呼べる勇気ある女性は少ないのではないでしょうか。
自分の名前を自分で呼ぶと、なにかそこには過剰なほどの甘ったるさが入り込む気がする。「かわいいわたし」「わたしはかわいい」となにか連呼しているみたいな気分になる。
そういう女性も多い…んじゃないかと思います。

わたしもそうです。
一時期キャラ替えを目論んでお店では「ちかはねー」とか言うように試みてみましたが、自分の名前を自分で呼ぶ恥ずかしさに憤死しそうになり挫折。当然キャラ替えもできず今に至ります。

 

でも、フラットに自分の名前を呼ぶことのできる女性は存在する。
そういう方々は概して甘え上手な気がするのです。「○○(←自分の名前)、あれほしいのー」とか言ってもぜんぜん不自然でなく、恋人とか夫に「もう○○はしょうがないなー」とか言われてバックとか靴とか買ってもらってそう。そして誕生日だのクリスマスだのにはその可愛さを全開にして甘えまくり、彼氏デレデレみたいな、そんな日々を過ごしていそう。

あくまでもイメージですが、そんな彼女たちはみんな、どこかヌケ感があるような気がする。
なんというか、下品な言葉で言うとヤレそうな感じ。例えば銀座のお姉さんではなく、歌舞伎町のキャバクラにいるバイトの女の子のようなタイプがこれをしているところはすごく容易に想像できます。

 

そして実際、キャバクラにはこのタイプが多かった。
わたしはキャバ嬢時代にブリッ子してキャラ作りをしていたのですが、そんなわたしの目から見ても「お主出来るな」と思うブリッ子のプロはいたのです。名前呼びも板につき、「えー○○ブリッ子なんてしてないよぉ」とか隣に座っているのに上目遣いで言われる強烈な「わたしかわいい」アピールの威力は凄まじいものがありました。当然、お客様方もメロメロ。「いやー俺はああいうタイプちょっと」とかおっしゃるお客様もいましたけれど、刺さる方にはものっすごく刺さる、そんな感じ。

甘え上手でかわいらしい女子になるためには、名前呼びも辞さない覚悟が必要なのかもしれません。
いつか自然に自分のことを名前で呼べるようになりたい……わけでもないですけど、この姿勢は学びたいなあと思った壇蜜さんの本でした。

2013/10/24 07:56 | chica | No Comments