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2013/09/04

おはようございます、酒井孝祥です。

小屋入り…もとい神社入り稽古二日目が終了し、三日目に突入しようとしております。

毎年そうではありますが、本番を迎える2週間ほど前までの段階では、本当に作品完成が本番までに間に合うのかと不安な気持ちになります。

いくら、本番の10日前より朝から晩まで連日稽古になるとはいっても、衣装や小道具の作成も並行して行わなければなりませんし、なにより、野外の何もない場所に舞台を作るので、その労力は尋常ではありません。

稽古出来る時間は本当に僅かです。

しかし、神社入りして2日目となり、稽古はかなり急速なペースで進みます。

このペースで最初から稽古していたら、もうとっくに完成しているのではないか…?とも思いますが、それも違うと思います。

やはり長期にわたって、探り探りではありながらも、作品の輪郭作りに勉めてきたからこそ、ガッツリと演出をつけることが出来、これまでのラフスケッチの様な作品にどんどん色がついていきます。

そういえば、歌舞伎の一公演の稽古は、3日程度しか行われないと聞きます。

1つの公演の度に、1~2ヶ月は稽古している我々からは信じられないことですが、でも、この今昔舞踊劇のラスト集中稽古に参加していると、歌舞伎が3日で出来るのが分かる気もします。

つまりは、基礎固めが確実に出来ていれば、作品を肉付けする作業は短期で十分なのだと思うのです。

我々は、古典芸能の家に生まれたわけでもなく、歌舞伎などよりは遥かに時間がかかってしまいますが、我々にしか出来ない作品を完成させるために、残された時間を大切に使います。

作品が急速に出来あがっていく感覚を、ある種の快感のように思い、それを動力にさらに加速させていきたいものです。

2013/09/04 09:35 | sakai | No Comments