« 表示問題 | Home | 台北経由東京行き-フィギュア四大陸選手権- »
2011/02/27
往生際がもの凄く悪い男。フィルコです。こんにちわ。
卒業とか往生とかほんと苦手です。長生きすると思います。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」
とは、あまりにも有名な安西先生のお言葉。バスケ馬鹿の類ではなくても、この言葉に勇気付けられた人が、たぶん世界中で22億人ぐらいいるはずです。(フィルコ総研調べ)
大体にしてプロアスリートになろうなんて考える輩は、もともと諦めが悪いに相場が決まってるわけですが、我らが東京アパッチもにひとり阿羅漢クラスで諦めない男がいます。
#00 バイロン・イートン
通称:肉団子 B-ton(ビートン)
1986年 クリスマスイブ生まれの25歳 やぎ座
photo by 東京アパッチ公式HP
****
2月22日(火):東京アパッチホームゲーム at 代々木第二体育館
東京アパッチ(東3位)VS 大阪エヴェッサ(西1位)
この組み合わせは、アパッチブースターに「伝説の試合」を思い起こさせる。
2008年11月20日。代々木第二体育館。残り1分で10点をつけられながら、驚異的な粘りで追いつき、残り0.5秒、青木康平が奇跡の大逆転シュートを決めた、あの試合を。あれはホントにね。凄かった。
今回の対戦も、そんな胸騒ぎの中で行われました。
■前半はがっぷり四つだったけど
伝説の試合を意識してかどうかはしらないが、出だしはやや固めの展開。しかしパスが回り始めると、両チームとも速い展開から点の奪い合いになるという、バスケ馬鹿的には美味しい展開に。
東京は好調のケンスケ、康平、スイフトが引っ張る。ビートンはまだいまいちピリッとしてない。大阪はリン、田村、ブラックレッジが速い展開に持ち込み前半は一進一退の見ごたえのあるゲームだった。
しかし第3Qに入ると徐々にリン・ワシントンにボールが集まり、アパッチディフェンス陣は彼のパワープレーに苦戦。NBAクラスの選手にも全く負けてない本当に凄い選手です。ガード陣にもターンノーバーから失点するなどで、東京アパッチは9点差のビハインドを背負って最終第4Qに望んだ。
第1Q 東京 20-18 大阪
第2Q 東京 39-38 大阪
第2Q 東京 39-38 大阪
第3Q 東京 53-62 大阪
■諦めない男
で、こっからが面白い。
これ以上は絶対に離されたくないアパッチ、前線からプレスディフェンスを仕掛けてボールを奪いにいく。しかし敵も西の1位。簡単には流れを渡してくれない。プレスディフェンスは諸刃の剣で、どうしてもゴール下が薄くなる。前線が破られてしまうと1パス2パスで得点されてしまい、ナイト、田村、ブラックレッジにサクサク点を取られてしまう。
アパッチブースターにとってはフラストレーションが溜まる展開で、残り5分で【東京58VS78大阪】と、19点まで点差が開いてしまった。あの「伝説の試合」だって、ここは9点差ぐらいで折り返しましたからね。普通は諦めが入ってしまう点差です。
しかし、我らがアパッチとHCヒル爺は全く諦めてませんでしたね。タイムアウトをとったヒル爺はディフェンスをもう一度確認。気合を入れます。安西先生のように「君達は強い」とか言ったのかね(笑)
ここにきてやっと集中してきたのがビートン君。どうも試合の序盤には割と迂闊なプレーが出るビートン君ですが、シーズン中盤以降、第4Qの男として、実はここまで3試合ほどチームの窮地を土壇場で救っています。ん?「割と迂闊なプレー」「土壇場でチームの窮地を救う」。どっかで聞いたフレーズ。。ま。いいか。
アパッチはプレスディフェンスの陣形をさらに前線に上げ、ガンガン攻めるように守ります。それにしても、ここからの康平、ケンスケ、ビートンの気迫は凄かった。3人合わせて7つのスティールを積み上げ、たった3分半後には、ケンスケが相手のスローインをかっさらってそのまま押し込みカウントワンスロー!
残49秒:【東京 81 VS 81 大阪】 ついに同点!!!
なんという爆発力!!客入りの寂しい代々木第二体育館だが、そんなことお構いなしに爆発する歓声。ビートンはこの3分半で4スティール12得点。「諦めないスイッチ」が入った彼の集中力は常軌を逸しているにも程があるわ(笑)。
しかし敵はあくまであの大阪エヴェッサ。そのまま終わるわけが無い。速攻崩れから#10ケビン・タイナーが決めてくる。諦めないアパッチ。ビートン得意の無理やりカットインで返しファールを貰いフリースロー。
1本目、成功。みんな祈る。2本目、落ちた!
もう残るはファールゲームしか道はない。わざとファールをして時間をとめ、相手がフリースローを落として自分達がリバウンドを取ることに期待する、ギャンブルにかけるほか無い。
こんなとき一番怖いもの。地震?火事?いや、西の将軍様「リン・ワシントン」に決まってる。こんな展開になると、リードしている方にももの凄いプレッシャーがかかる。フリースローはプレッシャーとの戦いだ。リンは、誰よりもそのプレッシャーに強い。だから「将軍」なのだ。
大阪は、そのリンワシントンにボールを集める。アパッチはしかたなくリンにファール。リンのフリースローだ。
怒号のようなブーイングが響くなか1本目。決めた。
そして2本目。
・・・外れた!!!
残2秒:【東京 82 VS 84 大阪】
リバウンドはスイフト。すかさずビートンにパス。会場の誰もが、bjtvのカメラマンさえもが諦めていた中、ビートンだけは全く諦めていなかった。センターラインの手前、極限まで集中した「第4Qの男」がゴールに向けてボールを放つ。直後、試合終了のブザーが鳴る。
時間が、長い。
誰の目もボールを追う。諦め。期待。
凝縮した感情に引き伸ばされただけ時間をかけて、ボールは空中を静かにすべる。
ザグン!!
諦めない男の諦めない魂は、ネットに深々と突き刺さった。
Photo by 東京アパッチ公式HP
正真正銘、奇跡の大・大・大逆転ブザービート(ブザービーター)!!!!
会場は総立ち!!優勝したかの大騒ぎ!!!
この興奮、感情の爆発。
これがバスケットだ!!
その夜はネット上でこの試合の奇跡についての感想が踊った。中でも沢山の賛同を集めていたのが、あまりの諦めの悪さに、名物アパッチブースター・ガンマ氏がビートンにつけた名前。
「ブザー・ビートン」
なんて、ぴったりすぎる(笑)
おーい!!座布団5億枚持ってきてー!!
今季、随分変わってしまった東京アパッチだけど、こういう時間を一緒に過ごして徐々にファミリーになっていくんだよねぇ。コレがあるから、いくつになってもバスケ馬鹿はやめられねぇ。
やっぱ会場で見てーーーーー!!!!!
さあ、東カンファレンス2位が見えてきた!!シーズンはこれから中盤から終盤に突入、プレーオフ争いが本格化してきます。
ますます熱くなるバスケに要注目だぬ!
4月3日(日)の東京ホームゲーム(対仙台89ERS戦)。
本コラム主催で読者さんと行く観戦企画などをやろうかなっ、なんて考えてますが、
いかがでしょ。
奇跡のブザービートンが見れるかもよ(笑)
2011/02/27 10:56 | filco | No Comments