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古賀英樹写真展「深入り」告知ポスター
厚手マットコート・A2判
8月も半ばを過ぎて2013年の夏も後半…
福岡はちょっとおかしいくらいの暑さが続いています.
9月の僕の写真展もほとんどの準備を終えて
細々とした制作物や案内の発送などの段階に入りました.
今、このコラムを書いている最中ですが、同時に会場で販売する
図録も制作するという、無謀なことをしているところです.
今回は先日公開した、個展のポスターとかの話のつもりですが
逸れるかもしれませんがご容赦ください.
ブログなどでは先に書きましたが、これはギャラリーで
貼り出してもらう為に作ったものです.
実は以前の個展でも、同じように会場入り口にポスター的なものを
貼ったりはしたのですが、それはやっぱり急場しのぎなものでした.
だからあえて直接的なものにならざるを得なかったのですが
今回はしっかりと意味と役割を与えるようにと制作しました.
見た通り作りとしてはモノクロ2点に黒と赤しか
使っていないシンプルなものです.
かつてはなんていうか、全てを叩き付けてくように
写真も言葉も出るがまま、浮かんだ先から…という感じで
ほとんど全てを体当たりでやってるようなとこがありました.
今回の写真展では、展示を構成する作品だけでなく
ポストカード、フライヤー、図録からブログ
そしてこのコラムと、そのひとつひとつを機能させながら
それぞれに役割や意味を持たせることで、大枠での「写真展」という
状況そのものを創出していくような狙い..というか仕掛け..
みたいなものをイメージしています.
例えばポストカードやフライヤーに頂く感想や評価
「設置したポストカードがすぐ無くなりましたよ!」という言葉…
それはもちろんすごく嬉しいことではあるけれども
そのことのみに一喜一憂しないというか
そこでのポストカードの役割は充分に果たしてくれたんだな…と.
実際手に取ってもらえたポストカードから受けてもらえたイメージが
それだけで完結するのではなくて、写真展本体へ繋がっていくこと.
そうして会場へ足を運んでもらえたときに、そのポストカードを
手に取った時の想像通りだったのか、以上だったのか、落胆だったか.
同じポストカードを会場にも置いてある、けれどもそこで
初めに感じてもらえた印象とどう違うのか…
また今回の写真展ではあまり今までのような「言葉で語る」
ということを意図的に遮断するようにしています.
「どんな写真なのですか」と聞かれるときも、なんかもっともらしい
解ったような言葉を出来る限り使いたくないと…
説明や語りを入れることで作品はきっとそれらしいものに
なるのはなるのだろうけど、それは観てもらう側にも
解ったような気にさせてしまいそうで怖いというか…
上っ面で「うんうん、なるほどー」とさせたくない.
特に言葉に関しては、ブログでもあれこれと好きなこと書いてますが
観る者、読み手というものを意識して言葉数や作りを意図して
書いているのはこのコラムだけ…と明快に割り切っています.
コラムへいただく感想やブログのアクセス数
前述したポストカードへの反応…
そのこと自体は一つの「状況」に過ぎなくて
以前はその自分が産み出したつもりのそんな「状況」に対して
舞い上がったり、いちいち不機嫌になったりとしていたけれども
そういうことではなくて、制作物やオンライン上でのものが
それぞれ相互に働き合って創り出すその状況というものを
自分自身の意識下でしっかりコントロールすること…
僕が思い描くものの想定を越えるようなものは
9.11からの写真展が始まってから味わえれば良いかなと.
今は予告編や前日談として各地で機能している
ポストカードたちの、大なり小なりの反応と自由勝手な想像たち
それぞれが産み出してくれる「状況」を、その場の感情に流されることなく
しっかりと把握しながら、きっちり初日まで持って行けるか…
本心ではむしろ楽しむくらいでいたいと思っています.
こんな「状況」の中にある夏は、そうそうあるものではないと思うから.
ホントはポスターのこと、書こうと思ってたのですがやっぱり逸れました
メディアやネット、またリアルでこの写真展を知ってもらって
このポスターの前までたどり着いていただければ
僕の仕掛けはまず半分、成功かなと思います.