« 風俗嬢の持ちもの講座 | Home | ☆2013/8/10,11【カリブ・ラテン・アメリカ・ストリート】代々木公園 »
今回は、中橋とゲイのお子さんをお持ちの花田さん(仮名)との対談です。
中「息子さんからゲイであるとカミングアウトされた時の心境をお聞かせ下さい」
花「息子の成人式の日の朝でしてね。最初は冗談かと思って、夫と軽く笑い飛ばしてみたのですが、息子は大まじめに告白していたんですね。それで、よくよく話を聞くと、本人は前々からこの日に告白しようと心に決めていたようで、その真剣さに安易な返事が出来なくなって私たち親としては黙り込んでしまいました。当の本人は、告白するとスッキリしたようで、その日は成人式の後にお友達と遊びに行って帰りは遅かったですね」
中「ご両親としては、直ちに現実に直面するのは難しかったわけですね?」
花「それが現実かどうかも分からないというか、そもそも同性を好きになるってどういうことかと理解ができませんでした」
中「ご両親はその後にどう対処しましたか?」
花「夫婦で話し合ったのは、とにかく息子は息子であって、彼の人生が幸せであることを願う気持ちに違いはなく、まだ若いことですし、あまり深刻に考えるのは止めようと決めました」
中「深刻というのはつまり、息子さんがゲイであること自体が深刻な事態であるということですか?」
花「はい。息子の人生にとってプラスになることだとは思いませんでしたから、当時は」
中「つまり、ご両親の間で、息子さんがゲイであると受け入れることに大きな抵抗感があったわけですね」
花「そうですね。息子自身にもまだ決めつけて欲しくない気持ちがありました。う~ん、今でもあるかもしれないです」
中「カミングアウトをされてから、息子さんに対する接し方が何か変わりましたか?」
花「変わらないように努めました。でも、息子から見ると無理していたように見えていたようですね」
中「そう息子さんに言われた?」
花「はい(苦笑) 息子は同性愛を告白してからは、私たち親を気遣いながら、無理しなくていいから、本当はどういう息子であって欲しかったとか、そういうことをぶつけてくれていいと言うんです。でも、そんな風に息子に接することは私たち夫婦にはできませんでした」
中「優しい親御さんですね。でも、そのフラストレーションはなかったのですか?つまり、息子さんがゲイでなければよかったのにとか、そういう願いを思うことは?」
花「それは思いますよ。今でも。でも、息子も、好きでそういう道を選んでいるわけじゃなくて、自然な感情がそういう方向に行くのであれば、もう仕方が無いと思うしかなくて」
中「とても理解があるご夫婦に思えますが、ゲイやLGBTについて何か学ばれたのですか?」
花「息子に告白されたから、図書館やインターネットで夫婦で調べてました」
中「勉強熱心ですね。素晴らしい」
花「いえいえ、とんでもない。最初は、息子の同性愛を何とか治すことができないかと思って調べていたのですよ」
中「治すことができそうですか?」
花「できないんですね。そう、病気じゃないし、そもそも治すという考え方自体が間違っていたのですね。そういうことに気付いてから、ようやく息子と真剣に向き合えるようになったのかもしれません。ケンカとか一方的な押し付けじゃなくて、親としては親としての人生論というか指導的な物言いではあるけれども、息子とたくさん議論をしました。今でもそうです」
中「親として苦しんだのですね」
花「本人に比べたら大したことないと思います。本人はこれからの人生の中で、苦しいことも沢山あると思います」
中「今、息子さんとの関係はどうですか?」
花「普段は特に何も変わりません。でも、息子の将来の話とか、息子と同世代の親戚が結婚するとかいう話になると、ちょっと未だに息子に対する遠慮の様な気持が起りますね」
中「息子さんに結婚話を聞かせるのは悪いと思うからですか?」
花「私たち親が息子の結婚を望んでいると思われると、彼にとってストレスなんじゃないかと…」
中「結婚を望んでいるの?」
花「正直、息子がある日を境に同性愛を止めてくれて、女性と結婚して家庭を築くと言ってくれたら、嬉しいと思います」
中「親としてはそれが本心でしょうね」
花「はい。でも、無理なのはわかっています。息子が彼の生き方で幸せになれるように願っています」
中「息子さんが彼氏をご実家に連れてきたそうですね?」
花「はい(笑) もう一人息子が出来たような気分でいます。いい子だったので、その点はホッとしていますが、彼らの世界のことは彼らにしか分からないことがたくさんあって、そこは親としても立ち入らないようにしています。息子ももう大人ですから、自分の責任で自分の人生を切り開いていって欲しいと願うだけです」
中「今回、ご希望により詳細な家族構成は伏せていますが、他のご家族はご両親と同じような理解のされ方をしているのですか?」
花「今ではもう家族全員が事情を知っていますが、未だに理解が悪いというか受け入れられない者もいます。でも、受け入れること強要すべきではないとも思いますから、家族内不統一も仕方が無いと思います」
中「また、数年したらお話しをお聞きしたいですね。ご家族のお幸せを心からお祈り致します」
花「ありがとうございます。機会がありましたらまた」