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よくよく考えてみたら、ぼくがトランペットを始めるに至った経緯について、詳しく書いたことがないような気がします。
それを読まされたからといって、面白いかは疑問に思いつつですが…。
始めます。
ぼくは、小学校4年生の時にトランペットを始めました。
鼓笛隊に入ったことがきっかけです。
なぜ鼓笛隊に入ったのかといいますと…。
4年生になると、週に1時間だけ、クラブ活動みたいな時間があったんですね。
今にして思えば、まあ、レクリエーションみたいなものです。将棋部とか、サッカー部とか運動部もあったんでしょうかね。
週に1度、1時間だけ4年生から6年生までが1つの教室(グラウンド)で同じようなことをする、というような時間だったと思います。
部活動というより、単なる週に1時間のお楽しみ授業。そんなイメージです。
そのクラブのラインナップに、鼓笛隊も含まれていました。
しかし、鼓笛隊は他のクラブ活動とはちょっと趣きが違っていました。
鼓笛隊は運動会の前とかは毎日練習があったりしましたし、本物のクラブ活動的な感じでした。
さて。
4年生になって最初のクラブの時間が訪れました。
多分、その時に入りたいクラブを決めて、それぞれの教室に散らばって行ったように思います。一応クラスの中で希望が確認され人数調整されてからそれぞれのクラブの部屋に行く、というような感じだったと思います。
ぼくはまったくノープランで…。どれにすればいいのか、すべてに決め手がなく…。
そうしたらたまたま後の席に座っていたMくんが、「祥ちゃん、鼓笛隊に入ろうよ」と誘ってきたのです。
鼓笛隊はどちらかというと女子率が高く、そしてレクリエーション指数も引くそうで、もっとも選ぶべきではないクラブに思えたのですが、とにかくMくんが執拗に誘います。
他に入りたいクラブが思いつかなかったのは事実で、そして、もっとも妙なクラブだったわけで、その妙さにもちょっと惹かれ始め…。
かくして、ぼくとMくんは、そのまま音楽室へと向かい、鼓笛隊に入部することになったのでした…。
なんてことはなく、Mくんはかつてお父さんがトランペットを吹いていたことがあったようで、家に楽器があったのでした。
4年生になったらトランペットを始めようと、前々から思っていたのだと思います(後から分かったことですが)。
その思いを成就させるために、たまたま前の席に座っていたぼくを道連れにしただけのことでした…。
道連れというと、言葉は悪いですね…。
いざ行ってみると、4年生にはいきなりトランペットは吹かせてくれなかったんですけど。
鼓笛隊は、5年生、6年生が主体で、その2学年はまさに本当の部活動として行われていて、4年生はいわゆる「みそっかす」みたいな存在だったのです。
ぼくらがトランペットを吹かせてもらえるようになったのは、夏を過ぎたころだったような気がします。
ぼくは学校の楽器を使わせてもらいました。
いざ始めてみると、結構面白く感じたような気がします。
そして5年生になり。
ここから同級性の鼓笛隊部員も増えてきて、ぼくらも本格的なメンバーになったのでした。
ぼくとMくんには、5年生になってから鼓笛隊に入った同級生と比べ、半年以上のアドバンテージがあります。
一応、簡単な曲なら吹ける、くらいにはなっていたと思います。
ぼくはピアノもやっていませんでしたし音楽の素養はなかったのですが、半年以上のアドバンテージが生き、トランペットは得意だ、という自負が心に芽生えてきました。
なので、5年生のお正月には、それまでずっと貯めてあったお年玉を使わせてもらって、5万円くらいのトランペットを買わせてもらったり。
マイ楽器を欲しいと思うほど、トランペットに思い入れを持っていたんだと思います。
きっかけは、ごくごく偶然的なものだったわけですが。
人生って、面白いですよね。
で、ぼくは、中学と高校ではトランペットをほとんど吹いていません。
中学には吹奏楽部がなく、高校にはあったのですが、そしてちょっと入ろうかとも思ったんですが、結局入らず…。
中・高で吹いていなかったことを悔やむ気持ちも、正直ちょっとはあります。
でも逆に、中・高で吹いていなかかったからこそ、今も続けているという部分もあります。
いざ大学に入ってから再開してみると、中・高とやっていた人との差は歴然、というより、豚と真珠くらいありました。
ぼくはぶっちゃけ、ほぼ初心者に戻ってしまっていましたから(一応なんとか音は出せる、程度の実力でした…)。
このビハインドを埋めたくて埋めたくて、せめてもうちょっと上手くなりたくてなりたくて、そしてなかなか上手くならず…。
そうこうしているうちに46歳になってしまった、というわけです。
壮大な話でもあります。
高校で吹奏楽部に入ることを踏みとどまった理由や、大学で始めようと思った理由については、また改めて書かせていただきたいと思います。
しかしどうでしたでしょうね。高校でやっていて、案外そこで挫折して、早々に見切りを付けていたかもしれませんし。
まあ、とにかく、これからもちょっとずつでも上手くなっていこうとする旅は続いていきます。
(そろそろ、時間に限りがあるような気もし始めているのですが…)。
押忍