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2013/07/20
標高2000m
大雪山の広い稜線にはまるで北米のアルパインツンドラのような景色が広がる。
そして大地には雪解け後のわずかな期間に無数の高山植物達が彩る。
まさに一面が花の世界だ。
今年もその景色がひと目見たくて大雪山の奥深くへ出かけた。
寒さや強風の中でも順応して生きていけるよう、地を這うように咲く姿は独特で、
しゃがみ込んで地平線を眺めると鮮やかな絨毯のように見える。
大雪山は人気の山であるが、中央部を離れて南東部へ向かうとアプローチが長い
こともあってめっきりと人影が減る。
広い景色の中で自分だけが望む景色は格別であり、気持ちも高揚してくるものだ。
大雪山には数々の山の景色や花のスポットがある。大きな山をバックにした景色も
確かに美しいのだが、なんとなく僕は広くて奥行きがあり、原始的な景色に惹かれる。
なんでもないこんな景色の中で静かに佇むのが最高だ。
今年から写真を本業として、なかなか忙しくて長旅もできていないが、この景色を
見るとやはり「ほっ」とする。
2013/07/20 04:59 | yamada | No Comments