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『なんでこんな事もできないの?』
…というような怒られ方を先輩的立場の人からされた方も多くいらっしゃる事でしょう。
怒る側とすれば、教えなくても普通の人間だったらわかるでしょう的な感覚で怒るのでしょうが、怒られる側としては…
『教えてもらわなきゃわからないですよ』
と、思う後輩的立場の人も多いのではないでしょうか。
怒る側の人が『出来て当たり前』と思っている事が、怒られる側の人にとっては『当たり前ではない』という事でしょうかね。
声優の世界にも当然そんなような事があり、僕も色々な人に怒られながら育ちました。育っている最中です。
プロの声優になる前に養成所という所で色々叩き込まれるのですが、そこで実践的な教えを叩き込まれるかというと…そうではなく、やはり発声的な事だとか、芝居がどーだとか、そういう部分を学ぶ事が多いように感じます。
発声が上手くなった 芝居が上手くなった
残念ながらこんなスキルだけでは、現場で仕事をこなせるレベルには達しません。アテレコならばアテレコのルール(?)みたいなのがありますし、ナレーションにもナレーションのルールのようなモノがあるからです。それは一朝一夕で身につくような事ではありません。一生をかけて身につけていくモノだと思います。
なので養成所から上がってきた精鋭くん達はここからもがき苦しむ事になるのでしょうが 覚える事が膨大すぎて何から覚えたらいいのかわからないかもしれませんね。
そうです。発声や芝居が多少できるようになったからといって現場でちゃんと仕事ができるというわけではないのです。
アテレコという仕事は特に覚える事が多いので予備知識無しで現場に行くととんでもない目にあいます。仕事になりませんし周りに迷惑をかけてしまいます。
なので今は各事務所が新人にアテレコなどの現場に対応できるようなレッスンをやっているような所も多いと思いますので現場経験の少ないような新人声優でもそれなりに対応できる子が多いなと感じます。
『アテレコの現場、初めてなんです!!』
なんていう新人の子でも、ちゃんとやれてる子は物凄く多いですし『ほほほほほほほ本当に初めてなのか~い!?うううううまいじゃないか!!』みたいな子も本当に多いです。
そういう子を見ると、事務所の教育がちゃんとできてるんだろうなぁ。なんて思います。
僕はそういう新人を目の当たりにした時に何を思うかというと、アテレコの仕事に対する勉強をちゃんとしているなと感じられるか感じられないかが重要であって、芝居が上手くなかったりするのは別にどうでもいいんです。新人なんですから下手で当たり前な所はありますしね。まぁ、制作さん側からしたらどう思うかはわかりませんけども(笑)。
アテレコの仕事に対する勉強などと言いましたが、それは教える側も教わる側もしっかりしていないといけませんよね。
冒頭に記した…
『そんなのできて当たり前だろ!』
…と、怒る先輩も
『教えてもらってないからしらねーっすよ』
…的に思ってしまう後輩も
どちらの気持ちもわかるような気がしますが、きっとどちらも不正解なのではないかなと僕は思います。
例えば『教える』という任務を与えられた先輩なのであれば、できて当たり前の事すらも教えきれていないのかと反省して欲しいですし『教える』という任務を全うできていないわけですから、自分が出来て当たり前だと思っているような事でもちゃんと後輩の視点まで目線を下げてどこから教えなきゃいけないのかを考えるべきなのではないでしょうか。
『教えてもらってないから知らないよー』的な後輩も、いつまでも人に教わろうという受動的な感覚でいてしまっているのではないかと反省する必要があるように思います。特に声優みたいな職業の場合だと、いつまでも誰かに教わろうなんて受動的な考え方の人は、見るもの聞くもの全て盗んでやろうと思っている能動的な人にどんどん追い抜かれてしまいますからね。
教える人も教わる人もソレに対して意識を高く持たないとただ両者の関係が悪くなるだけになりそうな気がしている今日この頃の僕ちゃんでした。