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今回は中橋とレイラさん(仮名・26歳)の対談です。
中「レイラさんのセクシャリティは、トランスジェンダーということで間違いないですか?」
レ「はい。以前は、体は男で、心は女の子でした。今は、身も心も女の子です。戸籍上の性別も変更したので」
中「どう見ても女性にしか見えませんね。失礼な発言かもしれないですけど、顔の整形はしてる?」
レ「ちょっとイジってます。でも、プチ整形レベルですよ。目を少しね。あとは化粧です(笑)」
中「戸籍も女性になって、今は完全に女性としての人生を歩んでおられると思いますが、これからの人生の抱負は何でしょう?」
レ「う~ん、難しい質問ですね。私は、10代の初めの頃から、女の子になるのが夢でした。だから、その夢が実現した今としては、この先の事は未知数ですね。毎日がワクワクです」
中「ということは、女性としての幸せを追求して、結婚ですか?」
レ「私は結婚しても子供は産めませんからね。結婚が幸せとは、あまり思えないです。もちろん、こんな私でも結婚したいと思ってくれるような男性が現れたら、話は別でしょうけど、結婚はハードル高いですし、正直、避けて通りたいかもしれません」
中「そうですね。結婚が女性にとっての幸せとは限りませんね。すいません。子供が産めないという言葉、とても重い言葉ですね」
レ「はい。戸籍上は女性になったと言っても、生物学的には、完全な女じゃないんですよ。わかってますけど、やはり虚しさはあります。子供が産める女性は、母性を持ってるじゃないですか。私なんか、見た目だけの女で、やはりニセモノなのかなぁと」
中「女性の本質とは何か?という問題にも聞こえますね。ただ、子供を産む事が女性であるための条件だとは思いませんよ。確かに妊娠や出産といった過程は、女性をダイナミックに母親に変身させる、ある意味、神秘的な変化だと思いますが、そういう事を望まないからといって女性でないわけではありません」
レ「自分は母性を持つことには興味はなくて、女としての性に執着があります。結局それが仕事になっちゃってるわけですが…」
中「レイラさんが、風俗業で働いているのは、女としての性に執着した結果ということ?」
レ「かっこよく言い過ぎですかね。もちろん、ニューハーフが普通の仕事に就くのは難しいという理由で、楽な業界に流れてしまったということもありますけど、でも、女としての性を、自分の女としての価値を常に試してみたいという気持ちで、風俗で働き始めたことは間違いありません」
中「つまり、男性に女性として、性的な視線で見られたいということですか?」
レ「はい。それが自分の価値のように思えるんです」
中「そもそもの疑問ですが、レイラさんは、勤務先でお客さんにニューハーフであることは秘密にしてるのですか?」
レ「秘密にしてないですよ。そもそも、ニューハーフだけの風俗店ですから」
中「えっ、それだと、女性としての価値を試すことにはならないのでは?ニューハーフとしての価値は試すことはできるのかもしれませんが」
レ「それでもいいんです。だって、ニューハーフは、天然の女性とはどうしても違うものだから、真っ向から競うのはちょっと変でしょ」
中「でも、風俗嬢としての人気が高まったからといって、女性の価値が高まったとは思いませんよ。あるいは、ニューハーフとしての価値が高まっているとも思いません。セクシャリティとセックス自体は区別して考えるべきです」
レ「私の心が病んでるのかもしれませんが、自分への風俗嬢としての評価が高まれば高まるほど、心が満たされるんです」
中「もし、その評価が低下していったらどうします?」
レ「それ、ヤバイですね。整形しまくるかも(爆)」
中「人は歳をとります。いつまでも若くて綺麗でいられるはずはありません。整形したとしても、いずれ限界は来ますよ。今の考え方では、将来、精神的に追い詰められてしまいませんか?」
レ「自堕落で、その場限りな思考回路は、LGBTにありがちなものですよ。将来をハッピーに描けない事情が我々にはあるんです。宿命みたいなものですよ」
中「LGBTの皆さんが、生きづらさを感じているのは理解できますが、だからといって将来を悲観したり、自堕落に生きることを肯定することにはならないですよ。それぞれの努力で自分の人生を切り開いていくのは、セクシャリティを問わず、人としての宿命です。セクシャリティのせいにして逃げているだけではないですか?」
レ「そうですねぇ。逃げ、かもしれないですね。将来を考えるのがただ怖いだけかもしれません。でも、今で精一杯なんですよ」
中「レイラさんには、もっと自分を大切にしてほしいです。風俗の仕事を否定するわけではありませんが、そこで人気が出たとしても、それはあなたの本当の価値を高めるものではありません。あなたのことを本当に大切に思う人に早く出会って欲しいです」
レ「性転換した事や風俗という仕事で女を前面に出していることが、自分にとって全部仮面であるような気はしていました。本当の自分は、もっと別の所にあるのではないかって」
中「レイラさんの心の闇は、とても深いようですね。でも、それを少しずつでも直視して、極端な方法で葬り去ってしまうような行動は控えた方がいいでしょう。自分を傷つけ続けてしまうことになるような気がして心配です」
レ「ありがとうございます。こういう生き方しかできないのが自分の悪いところだとはわかっています。真面目に色々考えてみますね」
中「自分を大切にして下さいね。そして、本当に大切にしてくれる人と出会って幸せになって下さい」