« コラム更新に関するお知らせ | Home | 吾輩の恋と連作歌曲集 その4 »
公開レッスンなるものをご存知だろうか。
楽器や歌のレッスンがみんなが見てる前で行われる。
先日大学から送られてきた案内に公開レッスンを発見し、前々から予定を調整し、行ってきた。
オペラではなく、ドイツ歌曲の公開レッスンだ。
受講するのは大学と同院の3人と、それぞれのピアニスト。
講師はドイツ歌曲(リート)の権威、白井光子先生。
久々の大学にソワソワしながらも、学生に戻ったような嬉しさが湧き出る。
聴講者は学生だけでなく、一般の、それもかなり年配の受講者も多く、注目度と学び欲に少し驚かされた。
白井先生の登場はにこやかで、オーラなんて簡単な言葉で済ませたくない何かがある。
近くでみるととても小柄だった。
小柄なのにさすがのパワフルな声と飾り気のないラフな指導で、受講生がどんどん変わっていく。
歌い手だけではない。ピアニストもバンバン指導を受ける。
先生が言う一言一言がうんうんと言いたくなることの連続で、たくさん勉強させていただいた。
オペラとは違う、詩があってこその独特の世界。やっぱりドイツ歌曲っていい!
3人のレッスンは2時間半にもおよび、さらに質疑応答まで含め、すべてノンストップ。
先生は疲れも見せず質問にも丁寧にお答えになる。私も興味津々、最後まで充実した濃密な時間だった。
そして、ただただ、学生に戻れたような、教わる立場にいたことが幸せだと感激した時間になったのだが、一つ思うことができた。
「奥深いと思っていたことは実はもっとシンプルで自然なこと」
なのかもしれない。
難しい、と身構えることで本質から遠ざかってしまうことが多々あるということ。
私にはうまく説明できるだけの文章力がないが、きっと上に行けば行くほど、深いというよりそれは自然に近い形になるに違いないと思う。こうなると悟りに近い。
だからこそ、その「自然」「当然」が見つかるまで(いや、見つからないかも)、追い求めて勉強し続けるのかも。
明日も明後日も歌っていこう!!