「竜半、大学3年の春」の続きです。
当時のインターネットの話ですが、ようやくインターネットも本格的に普及し始めた頃でしょうか。
ISDN回線などが広まり始め、定額でインターネットができるようになってきたのもこの頃ではないかと思います。
インターネット上でジャグリングの話ができるサイトはまだ限られており、
僕の運営している「ドラゴンの挑戦」の掲示板も当時はそこそこ盛り上がっていました。
僕も、ちょいちょいシガーボックスの新技を開発しては、 掲示板に「また新技できました~」と書いていたものです。
ところで、このシガーボックスという道具ですが、
通常は、3つだけを使って技をすることが多い道具です。
そんな折、とある掲示板にて、
「青森県でジャグリングをやっているちゅちゅむ(当然ハンドルネーム)という者です。
海外から取り寄せたシガーボックスの教則本があるのですが、
それに掲載してある4つのシガーボックスの技は全部できるようになってしまいました。
他にももし4つのシガーボックスの技があったら教えてください」
という書き込みがありました。
まずその「海外からシガーボックスの教則本」というものの存在を僕は知らなかったし、
そもそも、「4つで技をやる」という発想が僕にはなかったので、
この書き込みは衝撃的でした。
しかも、「教則本に書いてある技が全部できるようになった」と言っているのだから、
並大抵のレベルではないはずです。
この掲示板に書き込んだちゅちゅむさんというジャグラーに、早速コンタクトをとってみました。
すると、向こうもこちらのオリジナル技に興味を持ってくれたようで、
その後、メールや掲示板での交流が始まりました。
ちゅちゅむさんもまた当時獣医志望の大学生で、年齢は僕より1つ上。
丁度夏休みにかかったタイミングで、是非お互いに会いましょうという話になりました。
しかし、彼は青森。僕は大阪。
どこで会うの?
じゃあ、中間と言うことで東京で。
ただ、東京でジャグリングができそうな場所なんて当然知らないので、
とりあえず、修学旅行で行ったことがある上野公園で彼と出会いました。
それで、ちゅちゅむさんとシガーボックスの技を交換したわけですが、またジャグリングで衝撃を受けることになります。
先ほど、「教則本に書いてある4つの技は全部できるようになった」と書かれていましたが、
彼は、4つに飽き足らず、教則本の技をさらに応用して、5つの箱の技、さらには6つの箱の技までできていたのです!
やはりこれも彼のオリジナル技であり、おそらく、当時世界中探してもこんな技をやっていた人はいなかったのではないかなと思います。
一方の彼にとっても、僕の技は衝撃的だったらしく、
僕の大学のサークル内では「くだらねー(失笑)」と言われていた技一つ一つに対して、
「うおっ!! すげぇ!!! やべぇ!!!!」
というリアクションをとってもらえました。
その後、しばしジャグリングについて熱く語った後この日はわかれることになりました。
勿論、この出会いがさらに僕のジャグリング熱を加速させたことは言うまでもありません。
彼とはその1ヵ月後くらいに、名古屋で開催されたJapan Juggling Festival(JJF)2001で再会することになりますが、
またその時の話は別のエントリーに書くことにしましょう。
ところで、この出会いで、一つ気がついたことがあります。
当時、動画の技術があまり発達していなかったので、
「○○という技ができました!」と言っても、それがいったいどんな技かってわからないんですよね。
お互い現物を見せるしかなかったんです。
だから、僕がいくら掲示板に「新技ができました!」と言っても、
それがどんな技かということは掲示板を見ている人には伝わらないし、それが本当かどうかもわからないから、
結局話半分で聞くことしかできなかった筈です。
この後のことでしたが、
掲示板に良く遊びに来てくれる年長のジャグラーの方へオリジナル技を見せたところ、
こちらが引くくらい笑い転げてました。(←この「笑い転げている」というのは、いい意味ですよ!!)
動画の技術が発達した今でも思います。いくら文字で書いても伝わらない。
ジャグラーならやって見せるのが一番伝わると。
ちなみに、この回に出てきた、ちゅちゅむさんですが、
どんな偶然のめぐりあわせか、今僕の住んでいるところの近所に住んでおります。
勿論、その後も交流は続いており、今ではジャグ仲間、兼呑み仲間です。