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2013/05/27

魔女の宅急便
【KIKI’S DELIVERY SERVICE】
1989年

最近、劇場公開の映画で、おもしろそう、見よう!、と思えるものがない。
映画タチが面白くないのではなく、私の見る気持ち、の問題と思う。

何度か劇場に足を運ぶものの、空振りで帰る。
どうしたことか。

始まりの時間が合わない、とか、上映が終わってしまっていた、とか、
たまたま行った映画館に目当ての映画がない、とか。
とにかくなんともない理由ばかり。

特に“2時間”を劇場で過ごす時間がないわけではなく、
単に現実が日々アクシデント続きで、その出来事が物語を超えていて、
今はドラマがいらない、ってだけかもしれない。

そんな時にぼーっ、と見るならジブリ映画の『魔女の宅急便』、、、の英語版、
“KIKI’S DELIVERY SERVICE”

NYにいた頃ビデオをみつけそれをよく見てた。
ビデオは2000年に発売されていて、もちろん日本語は入っていなかったが、
今はDVDになり1枚で英語も日本語も両方見れる。

思うに日本映画の英語版を見たのはこれが始めてで、
ひょっとしたらちゃんと魔女の宅急便を見たのはこの英語版からかもしれない。

何がいい、って、魔女は16歳になったら家を出て修行の旅に出る、ってところ。
誰も知らない街で新しい人に会い、自分の生活を積み重ねていくところは
自分の18歳を思い出させる。きっと状況は違えど誰にでもある時期。

辛い時もあるけれど、それ以上に未来への希望に満ちている。
他のジブリ作品にある、人類の危機、とか、種族の、とかそんな重い話は全くなくて
ただの港町の新しい生活、個人の葛藤、なところがいい訳で。

この英語版、細かくセリフを付き合わせていくと、かなり意訳が多い。
それが聞き取りやすく、わかりやすくて、『英語が分かる』感がもらえて楽しい。

例えばキキが魔法の力をなくし飛べなくなり、
絵描きのウルスラの住む森を訪ね、夜を語り合いすごすシーン。
物語としては重要なシーンで、やはりここも英語のセリフがものすごい意訳的。
けれど、それはそれでいいセリフ。

===

魔法って 呪文を唱えるんじゃないんだ
うん、血で飛ぶんだって
魔女の血か・・・ そういうの好きよ
魔女の血、絵描きの血、パン職人の血
神さまか誰かがくれた力なんだよね
おかげで苦労もするけれど

When you fly, you relay on what is inside of you, don’t you?
Mm-hmm. We fly with our spirit.
Trusting your spirit, yes, yes, that exactly what I’m talking about.
The same spirit is what makes me paint, and makes your friend bake.
and we each need to find out own explanation, Kiki.
Sometimes it’s not easy.

===

血はspiritとなり、spirit makes〜で神がかり的なものが表されているが
神様自体は出てこない。

GODはやはりクリスチャンの神様になり、
結局多宗教の国だと神様は精霊になり、
それって日本の八百万の神(やおよろずの かみ)と一緒だな、と。

単一民族と言われ、それ故視野が狭いと思われがちな日本が、
結局根底に八百万の神の文化を持っていることに改めて面白さを感じる。

ちなみに英語字幕だと割と日本語のセリフに忠実。
To fly, you don’t chant a spell or something, right?
Mm-hmm. We fly with our spirit.
The witch’s spirit? Perfect! That’s what I’m talking about.
The spirit of witch. The spirit of artists.
I suppose it must be a power given by God.
Sometimes you suffer for it.

すごくテンポも良く分かりやすい英語なので
DVDを持ってる方はBGMのつもりで、一度英語で見てみるといいと思う。

2013/05/27 01:13 | masaki | No Comments