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2013/05/27

平均2.000749回」の記事の続きです。

いよいよ本番当日。

まずはくじ引きで演技順が決まります。
後半になればなるほどプレッシャーがかかってきますから、僕としては前半のほうが楽だったのですが。
引き当てた順番は「5」。大分前のほうです。

まずはリハーサルが行なわれるわけですが、
リハーサルは本気でぼろぼろでした。
これまでの努力が水に帰っていくような、そんな思いまで味わってしまいました。

僕の演技は、最初バランス技から始まります。
僕のやるバランス技というのは、そこまで難しいものではないのですが、逆に、ここで崩れると演技そのものが崩壊してしまうような
リスキーな技でもあります。

(構成の中で、唯一「失敗したな」と思った箇所です。)

リハーサルでは、これがまず失敗し、これに引きずられる形で後半もぜんぜん技が決まらないという感じでした。

悪夢。

このイメージを振り払うため、本番が始まる直前まで、3回ほどリハーサル室で演技を通しました。
(リハーサル室が使えるようになったのはこの年からですが、ありがたかったですね……
 それまではやろうと思ってもその場所が無かったですから。)

本番。

司会者のコールが響きます。
「竜半。 練習したお陰で少し体重が減りました。」
とのツカミ。
登場するだけで大きな笑い声。
これは普段の僕のキャラのお陰であり、登場しただけで笑われることも実は想定内です。
「まだ何もしてないっすよ」とボソッと一言。
それだけで大爆笑。そんなもんです。

実はこの時、後ろを向いたときに
「あーーっ!! 緊張するなーーー!!」と大声で叫んで緊張を振り払おうとしていたのですが、
後から見たビデオではそれは聞こえていませんでしたね。
逆に、この声に観客が無反応だったので「あれっ? 滑ったのか?」と思ってしまいました。

演技が開始し、いつものように右腕を上げながらお辞儀。
最初は一番慎重さが必要なバランス技から。
かなり震えていたと思いますが、それでも無事失敗することなくこのパートを終了。

これが無事成功した後は、もう「よし、ここを通り過ぎればもう大丈夫だ!!」
という安心感の方が大きく、
あとは300回の練習通りの演技ができたのではないかと思います。

3ボックスはノードロップ。まあ、そんな難しい技入れてないですから。
そして、4ボックスのルーチンは当時のJJFではまともにやれる人はいなかっただろう!!(と自負)

1回落としましたが、まあ
普段の練習でも(最終的に)平均2回は落としていたわけで。

100%に近い力を出し切れた、はじめて100%に近い力を出し切れた。

最後の技は5つのボックスの足の下手渡し。
練習ではなかなか失敗の多かった技なのですが、それも無事成功させて、フィニッシュのポーズ、片手を大きく突き上げた瞬間、
観客席の一部ががっと立って拍手を送ってくれたのを覚えています。

これまで、JJFに出るたびにボロボロだったのですが、
ついに完成度の高い演技ができて、感極まっていました。
その後、すぐにリハーサル室に駆け込み、
プレッシャーから解放されたのと、満足のいく演技ができた嬉しさで、
一人嗚咽を上げながら泣いていたという裏話があったりします(笑)
※今初めて言ったので誰も知らないと思いますよ(笑)

順位は3位でした。

1位は昨年のゲスト、Komei Aoki
これまでに無かった斬新なスタイルのボールジャグリングで、
次元の違いを見せつけました。観客全員の度肝を抜いての堂々の優勝。

2位は後輩の古谷。彼もシガーボックス使いですが、
体を使ったハードな技を中心として構成をしていたにもかかわらずノードロップで演技を終了。
(おそらく、JJF史上で「ドロップの危険の高い」ジャグリングでノードロップで終了したのは
 彼が初めてではないかと。初回JJFを見ていないのでその時にノードロップが出ていれば話は別ですが……)

この年に出た面々の中で3位という順位というのは本当に自慢できると思うし、
今僕自身が一番誇りにしているタイトルです。

演技終了後、片づけをしている時、学生時代から一緒にジャグリングをしていて、
お互い社会人となってからも良き理解者であった
あじわいここあ
と舞台裏で顔を合わせた時、
乾いていた涙が再び出てきてしまいました。

「やっと追い付いたね」

その言葉がようやく捻り出た一言でした。

それまでなぁなぁに練習をしていて……いや、遊んでいて、
それにも関わらず、努力して栄冠を掴んだ仲間たちの走っていく姿を後ろから羨んでばかりいた僕が、
「自分の努力で」「初めて結果を勝ち取った」
……そんな感じだったと思います。

「完全燃焼」
という言葉がぴったりだったのではないでしょうか。
ぶっちゃけていうと、この年のJJFは、本当に何もしていません。疲れちゃってもう、何もやる気が起こらなかったんです。

舞台裏から外に出てみると、
Patioの後輩たちが待ち構えており、こともあろうに胴上げをしようとしやがる!!!

いや、やめとけって!!!
俺重いぞ!!!!

ほれみたことか!!!!!!!

2013/05/27 12:00 | ryuhan | No Comments