« | Home | »

2013/04/05

制作手記8

「何か」の話。

絵を描く時って、作業の動作を追えば、まず心が動き、そのことを頭で作業に変換し、利き手で施すわけですが、 その行程の一端の概念として、器用・不器用というものがあります。

「自分、不器用ですから。」じゃなくて、単純に思った通りに手を動かす「運動神経」や、扱う材料の物理的変化を無意識に感じ取り作業に反映させる「素材感」だったり、まとめた言い方をすれば、思い描いたイメージのとおりに作業を施す「判断力」。

今までたくさんの絵描きさんたちに出会ってきましたが、自分は器用さで言ったら中の下くらい。平均的よりやや下だと思います。 「素材感」はまあまあ備えてるほうかと思いますが、運動神経がまるでなっちゃいません。すぐ手がプルプルしちゃったり。 そして「判断力」。これが厳しい。まさに「自分、不器用ですから。」のレベル。

だから、なかなか思い通りに進まない。

勿論、描き始める時には、想像した完成のイメージに向かって描き進めますが、

まあ自分の不器用さに失望するったらないね。

観察しながら描くもんだから、実際の現象に引きずられて、ドンドン「描く」から「写す」になっちゃうし。

 

 

うーん困ったんだ。

しかし困ったもんかと思いきや、時々、制作開始時の完成イメージを、連続した観察の結果が超えることもある。

そんなで、いつもじゃないけど、時々思う。

「何も考えずひたすら観て描けばいいんじゃねえの?バカなんだし。」と。

いつもじゃないから、こうも思う。

「興味があるのはモデルだってわかるためのカタチなんだし、他は省略していこう。」

 

うーん。判断力がねえくせに色々考えちゃう。

「自分、不器用ですから。」

 

でもこうやって悩んだ作品て、すんなりいった作品よりずっとイイんですよ。 思い入れとかそういうんじゃなく。

なんでしょうね。「何か」が宿るもんなんですよ。

本当ですよ。

 

悩んでばかりで進んだようにみえないかもですが、 口周辺を詰めました。

うーん。

2013/04/05 02:42 | fukui | No Comments