« 今年初の御蔵島イルカ、ドルフィンスイム! | Home | 復活祭のお菓子 »
制作手記8
「何か」の話。
絵を描く時って、作業の動作を追えば、まず心が動き、そのことを頭で作業に変換し、利き手で施すわけですが、 その行程の一端の概念として、器用・不器用というものがあります。
「自分、不器用ですから。」じゃなくて、単純に思った通りに手を動かす「運動神経」や、扱う材料の物理的変化を無意識に感じ取り作業に反映させる「素材感」だったり、まとめた言い方をすれば、思い描いたイメージのとおりに作業を施す「判断力」。
今までたくさんの絵描きさんたちに出会ってきましたが、自分は器用さで言ったら中の下くらい。平均的よりやや下だと思います。 「素材感」はまあまあ備えてるほうかと思いますが、運動神経がまるでなっちゃいません。すぐ手がプルプルしちゃったり。 そして「判断力」。これが厳しい。まさに「自分、不器用ですから。」のレベル。
だから、なかなか思い通りに進まない。
勿論、描き始める時には、想像した完成のイメージに向かって描き進めますが、
まあ自分の不器用さに失望するったらないね。
観察しながら描くもんだから、実際の現象に引きずられて、ドンドン「描く」から「写す」になっちゃうし。
うーん困ったんだ。
しかし困ったもんかと思いきや、時々、制作開始時の完成イメージを、連続した観察の結果が超えることもある。
そんなで、いつもじゃないけど、時々思う。
「何も考えずひたすら観て描けばいいんじゃねえの?バカなんだし。」と。
いつもじゃないから、こうも思う。
「興味があるのはモデルだってわかるためのカタチなんだし、他は省略していこう。」
うーん。判断力がねえくせに色々考えちゃう。
「自分、不器用ですから。」
でもこうやって悩んだ作品て、すんなりいった作品よりずっとイイんですよ。 思い入れとかそういうんじゃなく。
なんでしょうね。「何か」が宿るもんなんですよ。
本当ですよ。
悩んでばかりで進んだようにみえないかもですが、 口周辺を詰めました。
うーん。