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2013/03/05

こんばんは、酒井孝祥です。

前回、次回コラムの予告をしてから随分経ってしまいましたが、ようやくコラム連載再開です。

結婚披露宴の進行にあたって司会者はかかせない存在であります。
そして、司会を依頼する方法は、大きくわけて3つあります。

1つは、披露宴を行なう会場側にお任せして、専属の司会者を手配してもらう方法。
もう1つは、フリーで活動しているプロ司会者などから、自分のイメージに合う人を探して申し込む方法。
そして、自分の個人的な友人に司会をお願いするという方法があります。

さて、もしも司会経験のないあなたが、突然友人から結婚披露宴の司会をやってくれと頼まれたら、まず何をしたらよいでしょうか?

やはり、全く何も知識のない状態で司会をしようとしても無理だと思います。
本屋の実用書コーナーに行って、司会のやり方の本を購入するのもよし。
もし出来れば、家族や友人が披露宴を挙げたときのビデオ映像を借りて見ることが望ましいです。

新郎新婦が入場して、プロフィールを紹介して、主賓の挨拶があって、乾杯の発声があって…という前半の流れと、新婦が手紙を読んで、花束を贈呈して、謝辞があって…という後半の流れは、どの披露宴でもそれほど大きく変わることはありません。
そういったお決まりの進行の際のコメントについては、本やビデオをそっくりそのまま真似て使ったとしても支障はないと思われます。

そして、当然のごとく友人司会というのは、会場側からしてみれば、新郎新婦同様にお客様なわけです。
お二人が事前にプランナーさんと打ち合わせするときに同席すれば、親切にアドバイスをもらえる筈ですし、もしかしたら、会場側から司会のノウハウのようなものを伝授してもらえるかもしれません。
特に、お二人がプランナーさんと当日の進行を打ち合わせする様な機会には、極力同席することが望ましいです。

披露宴当日だって、プロ司会が何かミスをすると、会場のキャプテンはピリピリしてくるものですが、お客様である友人司会であれば、キャプテンはとても親切に接してくれます。
音響さんも親切に接してくれます。
プロ司会者が、たまに自分の友人の披露宴のときに友人司会者として会場に入ると、普段の仕事のときとの待遇の違いに感動するものです。

友人司会者は、会場側にとても気を遣ってもらえるという事実に、安心して司会に臨むことが出来るでしょう。

プロ司会であれば、当日の進行表というものは、司会者が作るものですが、友人司会であれば、会場側がつくってくれると思います。
進行表が出来上がったら、頭から最後まで、喋る内容を全て原稿に書き起こしてみるのがよろしいかと思います。

そして、友人司会の大きなメリットとして、プロ司会の場合はお二人と打ち合わせする機会が基本1回なのに対し、必要があれば何度でも打ち合わせが出来ますし、都合がつく限りは、どんなに長くなっても支障がないということがあります。
打ち合わせの機会に実際に作った原稿をお二人の前で読んでみて、それで大丈夫なものかお互いに確認していく作業を行なっておけば、本番も緊張せずに済むことでしょう。

素人の友人司会は、基本的にミスをしても赦されることが多いかと思います。
プロの司会者だったら使ってはいけない、「割れる」だとか「戻る」といったような忌み言葉を使ったとしても、それに苦言を述べる人もあまりいないと思います。

しかし、どうしても間違えてはいけないことがあります。
それは、主賓の挨拶をされる方や乾杯の発声をされる方のお名前と肩書きです。
事前にお二人に確認しておくことはもちろんですが、披露宴当日、お二人が入場する前に、必ずご本人に直接、間違いがないかどうか確認する作業は絶対に必要です。
挨拶の方のお名前や肩書きを間違えてしまうのは、当人にとってもお二人にとっても大変失礼にあたることです。

ともあれ、プロ司会がどんなに頑張ったとしても、お二人との距離の近さ、お二人に対する思い入れの強さは、友人司会に適う筈もないことです。
お二人に幸せになってもらいたいという気持ちが伝われば、たとえ進行技術が未熟であったとしても、その披露宴はとても良い披露宴になることでしょう。

次回は、「JunkStageアワード副賞受賞によせて」(古典芸能)をテーマにしたコラムをお届けします。

2013/03/05 09:58 | sakai | No Comments