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2010/08/02

私事ですが、先日、母校が甲子園出場を決めました。

実は私が高校2年生のときにも母校は甲子園出場を決めており、吹奏楽部だった私は吹奏楽コンクールの練習も兼ねて京都で合宿を行い、そのまま甲子園で1回戦の応援をしたものです。当然コントラバスを太陽にさらす訳にはいかないので私はうちわ太鼓という打楽器での応援でした。

その時は予選が決勝まで全てコールド勝ち、後に4番が中日ドラゴンズ、エースが広島東洋カープに入団するほどの戦力で、「東の横綱」とまで呼ばれていたにも関わらずエースと4番が負傷に泣き甲子園は初戦敗退。私たちは東京に戻り自らの9年連続吹奏楽コンクール全国大会出場を決めました。

特に因果関係は無く偶然だと思われますが、面白いもので、野球部が強い高校はだいたい吹奏楽部も全国レベルにあったりします。当時の我が吹奏楽部も全国常連校で、NHKの実況では「いやあ、応援が上手ですねえ!」と言われたりしたものです。

あの頃はまだ男子校、しかもかなり硬派な雰囲気を持つ学校だったので応援もそれなりに迫力がありました。まだ応援団が存在しており、応援団、吹奏楽部、野球部がうまく連携を保ち、甲子園の前には生徒を集めて「応援練習」という企画もあったほどです。

応援の流れとしては、私たち吹奏楽部と野球部で話し合って基本的な野球部選手個人の希望を聞いてそれぞれのテーマ曲を決め、選手の名前のコールや音頭は応援団が取り仕切り、ヒットマーチなどは吹奏楽部が試合の流れを見ながら状況に応じて演奏仕分ける、というものでした。

それが先日地区予選の準決勝、決勝と観戦に行った際には、共学化の影響か応援団が無くなっておりチアガールになっていていて、吹奏楽部は試合の流れに関係なくただひたすら個人のテーマを演奏するだけ。満塁になってもアニメの主題歌を演奏するのを目の当たりにして我慢出来なくなった私たちOBが勝手に曲を変更するとチアガールから苦情がくる、そんな状態で応援席の一体感の欠如が目立ちました。決勝なんかは試合こそ勝ちましたが応援のまとまりではコールド負けといっても良いくらいの差があり、帰宅してテレビで聴いた母校の応援はテンポ感もなく酷いものでした。

高校野球の試合を生で観に行くと分かりますが、応援の力ってかなり影響力があります。同じヒットマーチ(ヒットが出たときに演奏されるファンファーレ)でも、バッターが塁に達してから演奏するのと、打球が弾むのと同時に演奏するのでは観衆のノリが違う。ランナーのいない状況で個人のテーマ曲を演奏しても構いませんが、ランナーが得点圏に居たら迫力のある曲、勢いのある曲で相手投手に威圧感を与え打者の気持ちを乗らせる、そんな演奏が大事になります。

どんなスポーツの試合でもホームチームの勝率が高いのは応援にまとまり、力があるからだと思います。その応援の方法が音楽であれば、もちろんまとまった迫力ある演奏が出来たほうが良いに決まってます。だからこそ、今回の母校の応援は残念でなりませんでした。

長々と書いてきましたが、音楽の力ってこうした場面にも生きている、って事を言いたかっただけなんです。

今回の甲子園、吹奏楽部は吹奏楽コンクールの影響で甲子園に行かず、OBだけでブラバンを結成する話も出ているようです。私はうまく試合日程が合わなければ甲子園に行くことは出来ませんが、もし行けたら少しでも良い応援になるよう力になりたいと思っています。

今年の夏は応援席の演奏、こんなところに興味を持って甲子園を観てみるのも良いかもしれません。
 
 

2010/08/02 01:03 | sumi | No Comments