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今月から、佐渡裕さん&シエナ・ウインドオーケストラでのツアーが始まりました。
8/16からリハーサルが始まり、8/21の富士山河口湖音楽祭への出演をスタートに10/16の沖縄公演まで約2ヶ月間、ツアーが続き、関東周辺と東北、そして沖縄といったところを周ります。
「ツアー」というと皆さん、ずっとホテル暮らしでの演奏旅行を想像されるかもしれませんが、意外にそんなこともなく日帰りも多かったりします。新幹線などで交通至便となった昨今では、群馬や山形程度なら日帰り出来てしまうんです。こうなると地方の名産物を堪能する時間もなく、個人的にはとっても残念ですが、主催する側にしてみれば移動費宿泊費の大幅な縮減となり助かるのでしょう。
数年前まで演奏させていただいたバレエ団のツアーなどでも、長くて1クール3泊くらいでしたから、最近は長期間に亘ってのツアーの仕事は確実に減りつつあります。
ツアーの楽しみといえば、先ほども書いたように各地の美味しい食べ物や名所を楽しむことですが、他にも、ずっと同じ曲を演奏するので確実にその曲に対する理解度が深まり、アンサンブルが仕上がっていく事からくる演奏の楽しみもあります。もちろん、ツアーの最初だからといって完成度が低い訳ではありません。むしろ緊張感は初めのほうがあるかもしれません。しかし本番を重ねる毎に、その緊張感が昇華され音楽への浸透に変化していくと思っています。ですから、ツアーの最初の公演と千秋楽を聴き比べるのもまた面白いと思います。
それから、各地のホテルも楽しみのひとつ。
とんでもなく豪華なホテルで優雅な一夜を過ごせることも「たまに」ありますが、門限があったり、信じられないくらい狭かったり、壁が薄かったり、周囲に何も無かったりといったホテルに泊まることもしょっちゅう。これまでで一番凄かったのは、静岡県のあるホテル。門限は23時、おまけに洋室のはずの5畳くらいの部屋にはなぜか畳が積み重なってその上に布団が敷かれベッドのようになっており、挙句水道はちょっと濁っているという凄まじさでした。あのホテル、まだあるのかな?
最近だと「国盗り」や「コロプラ」といったGPS機能を利用した携帯ゲームもあるので、そちらを目一杯愉しむために移動手段を考えたりするのも楽しいですね。
そうそう、基本的にツアーの際には交通費、宿泊費は主催者側の全額負担。新幹線や飛行機のチケットを直接くれるところもあれば旅費などを手渡してくれるところもありますが、チケットをキャンセルすれば自分で手配も出来るので、格安パックなどを利用してちょっと移動費を「浮かす」なんてことも出来ます。ただ、早めに動かないと赤字になることもあるんですが・・・・。
「ツアー」といってもずっと公演がある訳でもないので、空いた日には東京に戻りレッスンをしたり別の楽団にお邪魔したりも出来ます。空いていればどんどん他の仕事を入れる、貧乏暇なしってヤツですね。
という訳で、これからしばらくはツアー便り、ということになりそうです。
ちなみに先日の群馬公演では早速面白いネタがあったんですが、それはまた次回にしましょう。