わたしは親しい友達やキャバ嬢の女の子たちには元風俗嬢ということを隠していないので、
時々「風俗に行こうかと考えてるんだけど…」的な相談を受けることがあります。
そういう相談を持ち込んでくる子は大抵金銭的にせっぱつまっていることが多いので、止
めようが何しようが最終的にはイメクラあたりに行ってしまうことも多々ある。
(そうでないときは闇金に走ることも。ので、その二択なら風俗を勧めますけど)
が、どうしても「君はやめといた方が…」と言いたくなる女の子はいるのです。
今日はそのお話をさせてください。
わたしの考えるに、風俗嬢に向かない性格、というのは第一に真面目であること。
それも、いわゆる生真面目なタイプ。仕事に真面目、というのであればいいのですが、根
本的に風俗嬢はくそ真面目な性格の子には務まりません。なぜなら、お客様の揶揄や詮索
を交わしつつ、やることはやってお金を頂くという職務内容において、真面目な子は自己
嫌悪からうつ状態になる場合が多いからです。
また、同じ理由で嘘をつくのに抵抗がある、という子も難しいと思います。
年齢、この仕事をはじめた理由、お客様からの本番要求を断る場面など、必要最低限の嘘
はこの仕事の必須スキルです。いちいちお客様に本名を教え年齢を教え挙句の果てに「実
はホストに貢いでて数百万の借金があって…」みたいな真実を語っていては、お客様も自
分も身がもちません。このあたりの嘘のラインはお客様も半分は嘘だと分かっているので、
ある程度の真実味をかもしつつ、嘘を本気のごとく伝えるというテクニックが必要となり
ます。
そして風俗嬢である自分のことが嫌いになってしまう子も、風俗嬢には向きません。
風俗は、いくら仕事に誇りを持っていたとしても、激しい偏見や嫌悪に晒される職業では
あります。だから、仕事自体が嫌いな人は、風俗嬢になってはいけないのだと思う。嫌い
な仕事を嫌厭やってます、という感じではお客様受けも最悪ですし、女の子自身の精神に
とっても望ましい状態とは言えません。たとえ嘘でも「あたしこの仕事超好き!」といえ
るくらいタフな気持ちを持っていないと、あるいは「お金絶対必要なの!」などと臆面も
なく自分に言い聞かせることが出来るほどの情熱がないと、やはり厳しいのではないか。
わたし自身はある程度真面目だと思いますし、風俗という仕事が決して万人に対して誇れ
るものだとは思いませんが、それでもどこかで折り合いをつけて働いていました。
風俗嬢の仕事は、わたしにとって必要だった。
でも、その折り合いをつけることが難しいだろうなあ、と思う子が風俗嬢になるのを見る
と、辛いだろうなあ、大変だろうなあ、と思うのです。